日の丸父さん(22)「自衛官への道」 石原ヒロアキ

日の丸父さん

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はじめに

 最近、憲法に自衛隊を明記するかどうかでも自衛隊が注目されていますが、自衛隊とは何か? 自衛官になるにはどうしたらいいか? ということはあまり知られていないように思えます。
 生の自衛隊を知るにはどうしたらいいでしょうか。自衛隊は各都道府県に地方協力本部があり、そこで募集や広報などを行まっていますが、敷居が高いと思う方は各駐屯地や基地が行なう記念行事に行くことをお勧めします。
 そこでは誰でも装備品を身近に見ることができますし、自衛官と気軽に話すこともできます。私も小学生の時、仙台駐屯地の記念日に遊びに行き、自衛隊をはじめて知ることができました。その後、自衛官になったのもその時の印象が強く影響しています。

予備自衛官

 
 自衛官には常備自衛官と予備自衛官がいます。常備自衛官とは、自衛隊を主な職業としているいわゆる職業軍人です。予備自衛官は、普段は一般の学生や社会人ですが、定期的に訓練を受けて、災害派遣などで召集されるいわゆる予備役です。
 予備自衛官は自衛官を退官した人を対象にしていましたが、今は自衛隊未経験者も「予備自衛官補」として採用され、一定の訓練を経て予備自衛官になることができます。予備自衛官補制度は、最近の自衛隊の任務拡大と、IT技術等最新技術への追随などのニーズを受けて、即戦力を民間から募集するためにできました。
 予備自衛官は常備自衛官や即応予備自衛官と違い、第一線に立つことはまずありません。主に後方で常備自衛官や即応予備自衛官の補完的業務を行まいます。
 自衛隊退職者が予備自衛官や即応予備自衛官になるのは比較的簡単です。希望すればほぼなれます。ただし、年間の訓練日数が決まっているので、再就職先の理解が必要になります。
 予備自衛官補の場合は、一般と技能とに分かれており、採用試験にパスする必要があります。たとえば平成28年度技能公募の募集要項を見ますと、採用予定数は北海道約20名、東北約20名、関東・甲信越約80名、東海・北陸・近畿・中国・四国約60名、九州約20名となっており、技術区分としては衛生、語学、整備、情報処理、通信、電気、建設、放射線管理、法務などがあります。
 希望者が多く、結構難しいと聞きます。それだけ自衛隊に対する関心が高くなっているのでしょう。私も予備自衛官補から予備自衛官になった人を多く知っていますが、非常に士気が高く、様々な技能を持った人がいて驚きました。なかには予備役ブルーリボンの会というのがあり、拉致被害者を救出する活動を積極的にしている人たちもいます。
 軍隊に予備役は必要です。有事に必要な常備軍を平時に常に維持するのは、財政的にも組織的にもかなり負担が大きく、予備役制度はどの国も採用しています。また、彼らは通常社会人としていろいろな地域で活動しているので、一般人に対する軍への理解促進といった広報にも貢献している面があります。
 ただし、予備自衛官の訓練は当然常備自衛官が担っているため、多少負担になっていることも事実です。予備自衛官の多くは仕事を持っているため、訓練に出やすいよう通常、土日や休日に訓練日程が組まれます。それで訓練を担当する常備自衛官のほうは、土日出勤が多くなります。代休は当然つきますが、自分自身の訓練や災害派遣などでなかなか休めないのが実情です。私も隊長のとき、何名かの即応予備自衛官の訓練を担当していたので、教育担当者を休ませるのに非常に苦労しました。
 アメリカなどは、予備役でも現役の訓練に参加させます。日米共同訓練では多くの予備役が参加します。アメリカは軍に対する一般企業の理解も進んでいて、訓練参加に対して会社が積極的だという面もあります。訓練頻度も日本とは違います。
 自衛隊の場合、即応予備自衛官で年間30日、予備自衛官で年間5日ですが、米軍の場合、毎月週末と、年に2週間連続の訓練が組まれています。日本で、自衛隊の訓練のために連続2週間も休暇をとらせてくれるところはまずないでしょう。
 また、アメリカは将軍でも予備役はいますが、自衛隊の場合1佐以上の予備自衛官はいません。うわさでは1佐の予備自衛官制度の話もありますが、できたら真っ先に希望しようと思います。しかし1佐のOBに教育する側は、すごく気を使うでしょうね。
 これから少子高齢化が進み、ますます自衛官のなり手がいなくなってきます。今の日本周辺の防衛環境を見るにつけ、予備自衛官の役割がますます大きくなっていくような気がしてなりません。制度や社会情勢上、訓練日数を増やせないのであれば、訓練不足の彼らでも容易に使える装備を開発したり、常備自衛官との訓練の場を設けたりとより一層の工夫が必要ではないでしょうか。
(いしはら・ひろあき)
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『日の丸父さん(1)』(1~12話)
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【著者紹介】
石原ヒロアキ(ペンネーム)
1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、陸上自衛隊入隊。第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。その間地下鉄サリン事件、福島第1原発災害に出動。2014年退職。学生時代赤塚賞準入選の経験を活かし、戦争シミュレーション漫画『ブラックプリンセス魔鬼 全10巻』(電子書籍版)を発売中。『漫画で学ぶサイバー犯罪から身を守る30の知恵』(ラック サイバー・グリッド・ジャパン・並木書房)の漫画を担当。家族3人(一女)。本名:米倉宏晃。
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ここには、化学学校ホームページで掲載中の4コマ漫画『CBRNロボタマ子さんが行く!!』を毎週1話ずつアップしていきます。
このホームページは部内用なので普通閲覧できませんが、CBRN(シーバーン)の啓蒙も兼ねて化学学校の許可を得て掲載しています。ぜひご覧ください。

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