B・ホイザー(著)、奥山真司、中谷 寛士(訳):「クラウゼヴィッツの「正しい読み方」 ー『戦争論』入門ー」

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こんにちは。エンリケです。
クラウゼヴィッツは二人いた!
この衝撃の事実を確認したい人は
ぜひ手に入れてください。
種明かしをしますと、
軍事戦略の古典として「孫子」と双璧をなす
クラウゼヴィッツ「戦争論」は未完の著として知られます。
ただこの「戦争論」。
内容が矛盾だらけで何が何だかわからない難解な内容なんです。
なぜそんなことになってしまったのか?
という問いに答えたのがこの本です。
実は、時の経過とともにクラウゼヴィッツは
考え方を変えているのです。
その過程が「戦争論」という一冊のなかに収まっているので、
ややこしいんです。
その結果、古来から世界各地で誤読や誤解を通じて、
様々な悲劇を招いたのでは?
と著者は問題提起します。
でも、どこがどのように変わったのか?
どういうところが未完なのか?
を知る術はありませんでした。
この本は、
クラウゼヴィッツの「戦争論」の
どこがどのように未完なのか?
を詳細丁寧に解説した初めての書で、
どういう誤読、誤解がこれまで行われてきたか?
を歴史的に抽出、検討を加え、綿密に紹介しています。
あとがきで訳者の奥山さんがおっしゃっていますが、
西洋ではいまも「戦争論」は活きています。
わが国における「過去の遺物」ではなく、
「今も使われる、触れれば血の出る」古典なんですね。
ですから、西洋型の作戦用兵を把握する時に
「戦略論」の把握は欠かすことはできないわけで、
わが周辺で起きつつある軍事的危機を西洋諸国に理解させるには、
「戦略論」というを辞書を欠かすことはできないのです。
あえていえば、
「クラウゼヴィッツのキモを後世はいかに取り入れたか?
  ─2人のクラウゼヴィッツを読み解く─」
というべき内容で、「戦争論」という古典を歴史の縦軸を通じて
解明し、正鵠を射た本質を抉り出そう、とする試みであり、
実にチャレンジングで面白い内容です。
クレフェルトやコリン、モルトケ、ビスマルク、ドレイク卿、
コーベット、トハチェフスキー・・・、マニアならよだれを垂らして
喜ぶだろう人もたくさん登場します。
はっきり申し上げて、
「入門」という名前には相当しない深いレベルの内容で、
読む人を選びます。
戦略・戦史オタクの方や専門研究者、学生さん、専門家、
国政にかかわる人ならば、非常に重要で、一歩飛び出た戦略思想レベル
を得ることができる内容です。
個人的には、著者が、クラウゼヴィッツを正確に読み解いた人物として
コ─ベットと毛沢東を挙げている点が非常に興味深かったです。
興味ある方には、超おススメです。
 「クラウゼヴィッツの「正しい読み方」 ー『戦争論』入門ー」
 ベアトリス・ホイザー (著), 奥山 真司 (翻訳), 中谷 寛士 (翻訳)
 芙蓉書房出版
 2017/1/20発行
 http://amzn.to/2jDchwY
エンリケ

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