【第24講】 スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その2)

2019年2月6日

孫子塾副塾長・孫子塾関西支部長
同志社大学/京都外国語大学・スペイン語非常勤講師
米田 富彦
http://espania.okigunnji.com/2008/06/post-1.html
日本では、「のんびり」(このような点が平和ボケとか言われるように、危機
管理・意識を持って、相応しい危機管理・行動を実行しない戦後日本の特徴)
していますが、海の向こうでは、その死亡者数=実被害の深刻さから、大変
重い不安を生じ、その的確な対策を講じざるを得なくなっているのが・・・
スペイン&ラテンアメリカ圏内をはじめ、世界で顕著になっているインフルエ
ンザ被害です!
インフルエンザ・・・何故、メキシコから?何故、鳥ではなくて豚から流行し
始めたのか?
(これでは、何となく、十二支ごとにインフルエンザがあるような様相です。)
何故、メキシコ発なのか?

それは、みんなの知りたい疑問でありましょう。また、流行の原因解明には、
米国発の情報のみならず、メキシコ現地よりダイレクトの情報を解析したもの
が必要であることは当然です。が、そのためにも日本での日常的なメキシコな
どの地域研究の継続があって然るべきです。
しかし・・・、「いざとなって」みて、日本には、誰も”メキシコ地域研究”、
あるいは”メキシコ学”なり”ラテンアメリカ学”といった専門的なプロの
研究家(大学あたりから)が何故か表に出て来ない・・・、これは、日本の
学術面での「実態」を知るためには、とても興味深い現実問題でもあり、みな
さんにとっても、今後の研究分野や学問領域を発掘、開拓する”穴場”となっ
ていること・・・を証明するものでもあります。
このメキシコといえば・・・、大垣貴志郎(オオガキ・キシロウ)という京都
外国語大学外国語学部の教授がいらっしゃり、かつてはスペイン語学科主任教
授をなされ、現在、在京都メキシコ合衆国名誉領事館名誉副領事であり、京都
外国語大学・ラテンアメリカ研究センター所長をおつとめになっている、どこ
から見ても、 “メキシコの地域研究のプロフェッショナル”がいらっしゃいま
す。
この大垣教授から、今回のような複雑な問題に関して、是非とも専門的観点、
あるいはかなりの学術的な観点から、貴重なるご意見など伺いたいのは、筆者
一人だけではないでしょう。マスコミやシンクタンク関係の方々をはじめ、
メキシコに関することなら何でもドシドシと「プロであらせられる大垣教授」
に取材など申し入れていただければ、その”実力の裏付け”からも、「とても
お断りなどされることはなく」、「それなりに興味深いコメントがなされる」
ことと思います。
ところで、”パンデミック”という時事問題を指すキーワードがやたらに神経
を刺激していますが、みなさんにおかれては、事前の防御態勢(既知知識の整
理、新知識の獲得とその手段・経路、保存食の備蓄、衛生用品、精神的な覚悟
などなど、おおまかに言えば「籠城体制」の構築)を整えることが第一です。
第二に、現実を冷静に見て、この問題が可能性(起こる/起こらない)ではなく
て蓋然性(起こることを前提として、その起こり具合を何割で・・・で考える
こと)として弁えられているところから、進んで火中の栗を拾うようなことは
慎むことになります。即ち、兵法の鉄則ですが、「そうなる前にそうならない
ように万全を期する」ことです。
(最初は、空港での検疫そのものが、やたらに神経質なものとしてそれを一笑
に付してみたり、それが良き旅の思い出に転じるのなら、それは、人として目
に見えない最高の神のお恵みとも言える幸運ではないでしょうか。こうなるよ
うに・・・だから神に祈るのです。)
実際に不幸にも起こってしまい、自分が感染して死んでしまうとそれで終わり
ですが、生存して、甚大な被害を客観的立場で接することが可能となったら・・
国や自治体から指定されるであろう、公園や河川敷などで、防護衣装に身を包
み、自衛隊、消防、警察、自治体職員と力を合わせ、焼却の間に合わない遺体
を運んで、穴を掘って埋める・・・というようなボランティアには参加する必
要がでてくるかもしれません。(この休息時に支給などされるかも知れないテ
トラパックのコーヒー牛乳なんかが、めったやたらにおいしく感じたり・・・
するのでしょう。)
みなさんは、この機会に以下の製薬会社(インフルエンザでは話題になってい
ます)を検索して、対策のための知識を得ておいてください。
*グラクソ・スミスクライン( http://influenza.jp/index.html )
*中外製薬( http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/chugai_top.jsp )
“パンデミック”の主役となる”疫病名”とその”特効薬”を両面で捉えると、
これらの会社の株価が急騰(?)とか・・・もする訳なので、投資をする方々
には今更の知識なのでしょうが、世界レベル、一国レベル、個人レベルの階層
的な危機管理が、実際に強制されて、初めて、別の世界での”運動”が在り、
そして、”システムしている”という点は、興味深いことでありましょう。
特に、日本は、アジアの気候ですから、インフルエンザが嫌いな湿気や温度が
上がって来ます。丁度、水虫の白癬菌とは裏の関係なのです。
ということは・・・寒くなる時にまた波が来るかもしれません。しかし、とり
あえず、疫病退散の祇園祭の時には、消えていれば良いと思います。
「政治―軍事―経済のトライアッド」で国家は”動き”、他の国家とその様態
を千差万別にしつつ”連動”しています。恐らく、インフルエンザは、本年年
末の十大ニュースには入るテーマでしょう。が、生きて安心して十大ニュース
を見ることができるように、先ずは、「転ばぬ先の杖」ならぬ、「備えあれば
憂い無し」、故に、特に、「籠城戦」などでインターネット検索をして、その
本質(特に精神的な面では注意です)の分析から、”兵法的対策を講じる”上
での必要な点/不必要な点の整理を自分で考えて進めて行きましょう。また、
以下の参考文献(かの原書房です!)などは勧められるところです。
*『民間防衛』( http://www.harashobo.co.jp/ )(マニュアルです)
*『細菌戦争の世紀』( http://www.harashobo.co.jp/ )(学術的です)
また、この機会に投資上の知識を仕入れるには、次のようなイベントを見学に
行ってみるのも興味深いことでありましょう。(会場は、東京ビッグサイトで
す。)
*危機管理産業展2009( http://www.kikikanri.biz/index.html
では、長い前置きの脳の柔軟運動をした後で、いよいよ本題に入ることといた
しましょう。
(24)スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その2)
『スペイン語文法入門』ということですが、先ずは、みなさんの士気(モラー
ル)の高揚から入りたいと思います。最初の一念で、「私は、スペイン語と縁
があって、英語と違って必ずモノにすることができるんだ!」と真剣に集中し
て念じ、自分を信じるのです!
神風特別攻撃隊の如く、「絶対に敵の航空母艦を撃沈してやる!」という強い
強い念力を持ってください!
そして、次に、相手(外国語学習というもの)の正体が時間と正比例して分か
って来ると、それなりの心構えも出来ようし、対抗手段も考えることが可能と
なり、精神的に落ち着いて、そして心が自然と前向きになって来ます。
みなさんは、是非とも、半年くらいの期間に「スペイン語」の”習慣づくり”
を心がけてください。これ=習慣づくりが出来れば、スペイン語が分かるよう
になってきます。学ぶのは自分ですが、「日本の将来のため!」という意識を
持っていただければ幸いであります。
最初に、みなさんは、大半は英語圏で生まれ育った帰国子女ではないと思いま
すが、英語を例にとってみると、中学や高校で英語を足掛け六年も勉強して来
たのに、まず日常会話も満足にできなければ、英字新聞もわからないし、テレ
ビの英語もわからない・・・、輸入食品の品質表示もろくに読めない...
とお嘆きのことと思います。
しかし、それほど、みなさんは、脳が悪いとか錯誤して嘆く必要はありません。
何故なら、中学や高校で学ぶ英語というものは、究極的には、「受験」という
一つの教育制度の運営を根底に展開されている「試験科目用に仕組まれた一種
の手続パズル」の性格を持っているものです。
そして、その性格を維持・継続・管理することで”命の糧を得ている方々”が
全国で何万人も存在しています。所謂、中学や高校の「英語の先生」の大半で
す。英語が面白くないのも、十年一日の如く、教える側が人生の現状維持をし
ているからではないでしょうか。スッパリ辞めて、次の仕事が・・・というこ
とが普通の人よりも難しいのが先生という職業のなせる業でもありますが・・・
この「試験用科目に仕組まれた一種の手続きパズル」としての「日本の英語」
は、およそ、言語でありながらも、言語としては、”受験”という特定の枠内
からはみ出ることはありません。だから、アメリカ人やイギリス人であろうと、
おいそれと「日本の英語」では高得点が取れないのです。この「日本の英語」
のことを『受験英語』と言います。
この『受験英語』とは、「英語」という一つの言語を”試験”のために、すな
わち、ある団体や組織(要するに学校・各種法人組織、企業などです)への加
入申請の手続き(いわゆる入試や採用試験)や昇進のために特化して編集し、
あらかじめ回答が用意されている特殊的な様相を有しているものです。
ちなみに、受験英語と英語の違いは、スポーツ空手・スポーツ剣道(スポーツ
競技)と古流武術(戦闘)との違いと同じような興味深さを見せていることに
お気づきになってください。本講座は、そのような「受験」とは一切関係はあ
りませんので、その分、”気楽”(気を楽しませつつ)にお進みいただけるこ
とと思います。
ここで、日本人が外国語を学ぶ上で苦労する点を考えてみましょう。
もともと、私たちの母国語とする日本語は、系統不明の言語として知られてい
ますが、それが一つの言語であることには変わりなく、日本語が言語である限
り、スペイン語や英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、ラテン語、ギリシ
ア語、ペルシア語、サンスクリット語などのインド・ヨーロッパ語族に属する
言語とは、その言語として、本質が共通しているところがあります。
だから、「翻訳」ができるわけです。
要は・・・、言語の成り立ちと仕組みが異なっているだけなのです。その日本
語とは異なったスペイン語なら、スペイン語の成り立ちと仕組みをマスターす
ることが外国語の学習でもあるわけです。
そして、外国語の成り立ちと仕組みをマスターするということは、相手のもの
の見方と考え方といったものを自分のものとして行くことに他なりません。
相手がわかれば冷静に対処することができます。これが本当の国際理解につな
がるものですし、日常の社会生活にも重要なことがらなのです。
(外国語を学んでいると、客観視能力が向上するので、日常、相手のこともわ
からずに、喜んだり腹を立てたりしている自分にフト気づくようになり、面白
く感じられるようになるでしょう。)
これからは、毎日、習う人になってください。
しかし、「三歩進んで二歩下がる」のが人生の極意であるとの言葉もあります。
「学びて時にこれを習う」という有名な「論語」の最初に出て来る孔子の言葉
の通り、最後のところまでは、少し時間がかかるかもしれません。が、中途挫
折しないで続けることが肝心なのです。
スペイン語文法習得の際の理解においては、百メートル競争でもゴールが皆に
平等ではないように、到着の”個人差”が現れます。それが当然なのです。
しかし、倦まず弛まず、宮本武蔵が『五輪書』の中で言っていた如く、「今日
の自分は昨日の自分に勝ち、明日の自分は今日の自分に勝つ」こと、「畳の目
の如く」少しでもよいから進むこと、「千の稽古を鍛といい、万の稽古を練と
いう」ことを念頭において、あれこれ文法用語に躓きつつ、頭を思考の角に
打ちつけつつ、ある時は悲観し、ある時は歓喜し、しかして、最後は各自が
基礎文法を卒業し、西和辞書などを片手に、原書講読なり、インターネットの
スペイン語ホームページの解読なり、商業、旅行での活用なりと外へ向かって
雄飛することが目的であることを決して忘れることなく、一人の時間を大切に
して学習に邁進されたいと心より願う次第です。
もし、将来ですが、基礎文法を最後まで行かれたのなら・・・、それは、安き
に流れるためには如何様にでも理屈付けをして、ずるく立ち居振舞う「己」と
いうものに打ち勝ったのです。
人生は、紆余曲折、山あり谷あり、人の寄って来る時もあれば離れて行く時も
ありましょう。しかし、みなさんご自身についたスペイン語文法の知識は、
決して読者の皆さんご自身からは離れず、常に良い時も悪い時も、読者の皆さ
んの思考と行動を共にしてくれるのです。
これが本当の誰のものでもない自分だけのものと言える”財産”なのです。
では、遥か遠くに美しくそびえる山の頂上を目指して、足元の一歩を進めよう
ではありませんか。
・最初の一歩
国語(我々にとっては母国語である日本語です)もそうなのですが、言語(こ
こではスペイン語という外国語)を”学習”する際の要点として、大きく分け
て次の四つの重要な項目があるのです。
ア)発音について→「音韻論」といいます。
その言語には、どんな発音があって、そして、どんな発音の”組み合せ”があ
るのか・・・、即ち、母音、子音、単語の中のアクセント、文を口に出す際の
抑揚(イントネーション)などを観察します。
イ)綴りについて→「形態論」といいます。
その言語にある単語の”語形”を観察します。語形とは、単数形とか複数形と
か、動詞の活用形(例:命令形など)といったような”形”のことですから、
みなさんは、同時に、”形”の裏に相当する”意”のところ、即ち、語形は常
に意味と共にあることを意識して下さい。
ウ)語順について→「統語論」といいます。
これは、英語では”5文型”とかで学んだものです。各言語にはそれぞれ、語
順にルールがありますが、主語・動詞・目的語などの並べ方(日本語は上から
下へ・・・欧米の言語は左から右へ・・・)について観察します。
エ)意味について→「意味論」といいます。
主にコミュニケーションの最小単位とされる”文”そのもの、また、その”文”
を構成している単語がどういう意味をしているのか観察します。単語の意味と
は、辞書に定義されてあるような静的な意味と、実際にみなさんが言葉のやり
とり(喋ったり、聞いたり、書いたり、読んだり)の中で、時間的な前後関係
=縦の関係、そして、その時その場=横の関係、といった両面から生きた意味
=動的な意味があります。
みなさん、英語でも何でも、外国語の文法を学習する・・・と言えば、上記の
4項目の中で、イ)とウ)、即ち、「形態論と統語論を学ぶこと」が主になっ
ておりますが、これらが分からないと会話も作文も、また、講読にも支障を
来すことになります。
また、上記の4つの項目は、常に同時に連動して関係し合っているものです。
個別に捉えてはなりません。このバランスがおかしい=間違っているとどうな
るか?それは、外国人が喋る日本語を見本にすれば良く分かると思います。
では、スペイン語の具体論に入るのは、次回にいたしましょう。
先ずは、みなさん、「迂を以て直と為す」(基礎錬成には時間がかかるけれど
も、実践での臨機応変を可能とする何よりの近道になります)べく、ここまで
の「能書き」を二週間、反復して読み、理解して行ってください。学んだこと
は、友人や知人、あるいはお子様などへ語って聞かせると本当に良い自分の
脳の練習にもなります。
(つづく)