【第23講】 スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その1)

2019年2月6日

孫子塾副塾長・孫子塾関西支部長
同志社大学/京都外国語大学・スペイン語非常勤講師
米田 富彦
http://espania.okigunnji.com/2008/06/post-1.html
しばらくの間、スペイン語の”数代前のご先祖様”に相当する”印欧語”を
形成している「世界観」(言語とは、観念の世界から唯物の世界へアウトプット
するものですから・・・)に関する本質的な基礎について、また「印欧人
(アーリア人)流の戦争方」についての観察と解説をシリーズにして続けて
来ました。
今回からは、印欧語世界から各個事例に限定して進めて行くことになります。
そうです!いよいよ「スペイン語文法入門-兵法的外国語学習への誘い-」
と題して、みなさんにスペイン語文法についてある程度のネタを仕入れていた
だきたいのです!ここで、きちんとしたスペイン語文法を学びやすいよう、
基本的な知識や思考法を展開して行きたいと思います。

こんなことを言われても、スペイン語をマスターするのは大変だ!とか、
スペイン語を勉強するためにこの講座を見ていないよ!とか、そういうことを
「軽く考え易い」ものです。が、そもそも言語にある文法というものは、
一つの言語を話している人々の「思考のシステム」なのです。アウトライン
を知っておくに越したことはありません。彼を知ること・・・みなさんは、
得をすることがあっても、決して損はしないものです。
(23)スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その1)
“印欧祖語”(Proto-Indoeuropean Language)そのものについては、昔昔そ
の昔の言語であり、その存在が仮定されてこそすれ、今では、その姿形その
ものがすっかりと変わってしまっています。
よって、そのご先祖様のお姿が如何なるものであったのか、言語学者たちが
集まって研究を重ね、今現在、ここで確認することが可能な幾つかの言語
(サンスクリット、古代ペルシャ語、古代ギリシア語などの古典語を主にして)
を相互に比較して、昔昔その昔は、こうなっていたのであろう・・・と論理的
に推定し、理論的に再構築したのでした。
その再構築形が今を去る200年程前からドイツ人を中心として”復元”され始
め、今あるこの単語の元々の語形はこうだったのではなかろうか?という推測
がなされ、そして確認されつつ定着して来ます。その再構築した”印欧祖語”
から「時間」を経た”発達”に関しては”印欧語比較言語学”として確立して
います。
みなさんは、 http://www.bartleby.com/61/IEroots.html をご覧になると、
スペイン語や英語の「元の語形」やら、「元の発想」やら・・・を示す”√語
根”(簡単に言えば、それは、「単語の素」と考えていただいたら・・・よい
かと思います)が観察できるので、一度ご覧になってみてください。
スペイン語や英語の単語を覚えるのは大変ですが、本当は、それら印欧語族に
属する言語にあるいろいろな単語の”オリジン”となっている”√語根”を基
礎にして、そこから枝分かれ的に派生(これが二重や三重に重なっている場合
が多いです・・・また、二つの単語が組み合わさった合成も多いです・・・)
した単語を整理しつつ学ぶと「語学のイメージ」にある「単語に関するやたら
にしんどい労力」は、大変少なく、かつ、「当該の外国人と似たような発想」
で単語の意味を頭に貯蔵して行くことが可能です。
外国語学習は、「中心と骨組みで考える」・・・兵法的外国語学習であります。
根から幹になり枝になり葉が茂るのですから、枝葉をやって、いろいろなパタ
ーンでお金を稼ぎ出すのが試験のためにある受験英語ですが、みなさんは、
過去を断ち切り、新しく根を見る外国語学習をここで体験してください。
(といっても、スペイン語の文法に触れるだけですが・・・)
やたらに憶えるのが難しそうな漢字でも、ヘンとツクリを整理して、少ない画
数から憶え直すと頭に入りやすいですし、『孫子』をはじめ『呉子』、『司馬
法』、『李衛公問対』、『尉繚子』、『三略』、『六韜』などの”武経七書”、
宮本武蔵の『五輪書』や戦略思考、情報思考に役立つ『易経』や『般若心経』
をじっくりと筆写すると複雑な画数の多い漢字をマスターできるのみならず、
さまざまな”システム的な知識”も身に付きますので、まさに一石五鳥くらい
の効果があります。
ちなみに、”写経”になると浄書したものをきちんとお寺なりに”納める”こ
とでまたそれなりの意味が出て来ます。そもそも心を込めて書いたモノはほっ
たらかしにしてはいけないのです。納める時にお金を取られるのが嫌なら、
燃やす手もあります。(その時、家まで燃えないように気をつけてください。)
(この機会に、和風に筆と墨と硯、和紙を揃えてみるのもよろしいでしょうし、
当世風に自分にあった縦書き、横書き両面の日本語を書きやすい日本製万年筆
を張り込んで購入して使って行くと、それなりに楽しみも増えて来ることと
思います。パソコンばかりでキーボード作業が多く、筆記の際に漢字が出てこ
ないで、ひょっとしたら若年性痴呆症とか、早期のアルツハイマーか・・・と
か、知らないうちに面白い脳になっているかも・・・とか心配してしまうよう
なことから”解脱”できそうです。)
みなさんは、本講での第19講から第22講までのシリーズを通じ、所謂、印欧語
を話している人たちの”世界観”とは、一見、人種やら、そこから出てくる
民俗やらが一杯あって、千差万別に見えているものの、その共通的なところ
(特に神話の構造など)とは、一体、如何なるものであるのか・・・について
「日本人の立場から考える」興味深いキッカケ(同時に日本人の世界観につい
ても熟考するキッカケ=特に戦後とかの時系列的観察をお忘れなく!)ができ
たことと思います。
彼を知り、己を知ることは、百戦百勝の決定的条件です。が、その条件を獲得
する秘訣は何なのか?それは・・・、「先ずは、孫子塾・通信講座に入門して
もらわねばなりますまい!」ですが・・・ここで言えることは、両面思考に
立ち返っていただいて、外国語に触れる・・・同時に母国語の日本語に触れ
直すこと・・・を励行していただきたいと思います。
外国のもの(その最も分かりやすいのが外国語であり、これは外国人の思考を
学ぶことを意味します)を正しく己のものとなそうとすれば、何だかんだで、
とても難しいところがあることは疑いのない事実です。そして、意外と多いの
は、難しい故に、かみ砕いて自分に吸収するのではなく、単語だけ覚えて完成
した・・・とか思い込んでしまうパターンです。
これは、自分を忘れてすっかり”外国もの”になってしまうこと=サルマネで
す(この本質が知恵の出ない知識止まり・・・というものです)。よく見られ
るのに、英語を学ぶのはいいのですが、アメリカ人の仕草や格好(よくあるの
が思考形式、俗に言う口上のような主張)だけマネ(コピーやらペーストやら)
をして”欧米に成りきっているコスプレ的”なものも多いと思います。
兵法、戦略、情報といった分野でも、文献を読んでいろいろな論文などが理解
できるようになって、一通りの知識が蓄えられると、それで完成した・・・
とか思い込み的に考えてしまうものですが、本当は、自分の思考と行動におい
て、如何に実践するのか?やるのか/やらないのか・・・それを現実に直面し
て発揮するのが兵法であり、戦略であり、情報でもあるのです
みなさん、本当は、外国のものを正しく己のものとなすとは、自分を見失わず
に、自分(正)と外国もの(反)から「止揚」(合)レベルに到達して、より
パワーアップした”一皮むけた次元”に移行することです。
今回は、新年度も始まり、”新入り”向けに様々な通過儀礼(新人教育=組織
として、教えを受ける方も教える方も共に学び、次の段階に向上発展して行く
こと)が行われる日本の4月=桜月・花月という「日本のカレンダー」(他国に
は他国のカレンダーがあります)に我々は居るのだ!という機会を利用して、
本講座がみなさんにお勧めし、その一翼を担っているスペイン学、ラテンアメ
リカ学、イベリア学・・・には必要とされる”外国語の学習(ここではスペイ
ン語)”というものの基礎(即ち、スペイン語文法です)に本格的に触れ、
その味覚を体験しておきたい・・・そのための外国語学習用のための思考的
ウォーミングアップをやっておきたい・・・と思うのです。
また、みなさんがスペイン、ラテンアメリカ(今後のアメリカ合衆国内のスペ
イン系勢力に関する情勢を現時点の事実から知るにも・・・また、将来の資源
争奪戦をかの支那を相手に世界地図を見ながら日本が生き抜くためにも・・・)
ついての事柄に触れるのならば、外国語=スペイン語について知ることは、
みなさんにとっては途方もないメリットとなって我が身に返って来ることと
なりましょう。
先ず、人間が動物とは異なる基準は、一体何なのでしょうか?
最も簡単な答えは、人間であれば、コミュニケーションにおいて、特定のニオ
イや分泌液を発散したり、特定の体の運動を反復したり、
吠えたり鳴いたり・・・というような「記号」の他に、第一に音声の体系によ
る”言語”を使う・・・ということです(書き言葉もここから由来していま
す)。
第二に人間とは、肉体器官は同じ(=種を同じくする)訳なので、生殖活動に
より混血児も誕生すれば、輸血やら臓器移植も可能になっています。
これは、「言語の代わりになるもの」で、日常のコミュニケーションを常に
交わしている人たちはいませんし、また、砂漠地帯に住んでいる人々は滅多に
水分が補給できないから、体に海綿体の組織が発達して、水分をため込んでお
くことが可能で、乾燥にはやたらに強いサボテンのようである・・・とか、
山岳地帯で食料確保に難しいところに住んでいる人たちは、牛と同じように
胃袋が複数あって、一回食べたものを反芻して、長期間の飢えを簡単にしのげ
るようになっている・・・というようなことはありません。
スペイン人がアメリカ大陸へ到達して、原住民の身柄を確保し、まったくスペ
イン語のスの字も理解しない原住民を無の段階から通訳ができるようになるま
で仕込み、侵攻作戦の手先として利用しています。このことは、言語とは、
全く異なるものでも、習得の条件が整えば必ずマスターが可能なものであるこ
とを証明しています。そして、肉体の器官(口や舌や歯・・・)が同じである
からには、使い方をきちんとマスターすれば、ネイティヴ・スピーカーとは
同じ発音も可能となる・・・ということなのです。
また、スペイン人は、侵攻して行った地域に居た原住民の女性に多くの子供を
産ませていますが、これが今日ラテンアメリカに多い「メスティーソ」(スペ
イン語で”混血”の意味。英語の”ミックス”とも語源が関係があります)
です。同じ種にいるからこそ、生殖活動を行っても人として混血児が生まれて
くるのです。
これらのようなことは、占領後の植民地統治法の一つとして知られていること
ですが、占領地の管理職的人材の育成でもあります。特に、教育を通じてのも
のでは、その外見は、原住民そのままであるけれども、内面は、全くの宗主国
の人間で、自分が同じ原住民でありながら、”同胞”を文化から言語から何か
ら何までワンランクもツーランクも下に見下して、自分は”別物”とか思い
込んでいるようなものがあります。
日本の戦後の偉いインテリ(人文科学系や社会科学系の大学教授などで、旧制
大学の方々とは一線を画している世代)とか結構、「この手(15世紀のアメリ
カ原住民でスペイン人になってしまったり混血してしまったタイプ)が多い」
のではないでしょうか。また、肉体的に混血しないまでも結構、脳が混血・・・
とか批評される場合もあります。
みなさんは、肩書きや年齢から判断したり、モノを言う立場が保守だから・・・
とかにダマくらかされないようにしなければなりません。特に”電波”とか
“論壇” とか、本当は、真心から愛国とか保守の御方なのか?実践的行動も
本当に偽りなきものなのか?結局のところ、本人の名誉とか本人の生活を維持
するための手段に変じているのではないか・・・「ミタマ(御魂)」が「大和
魂」ではなく「大和をだまし」する「外国ミタマ」の者をチェックしなければ
なりません。
人は、居住する(=人生を営む基本ですが・・・)気候的条件(天の時)・地
理的条件(地の利)の”間”で、集団で(社会組織を形成して)生きています
(人の和)。故に、天の条件と地の条件から、人は自ずと生活というものを
“決定”づけられたり、また、決定とは行かないまでもある程度の”影響”
を受けたりして、いろんな「ヴァリエーション」というものを表しているのです。
そもそも、日本人と日本語にしても「ヴァリエーション」の中の一つですし、
スペイン人とスペイン語にしてみても同じことです。「ヴァリエーション」が
あるということは、それは、「根本」がある・・・ということです。その根本
を考え、同時にヴァリエーションのことも考えることが必要なのです。
この世には、様々な言語があり、いろいろな人たちによって話されています。
これは、いろいろな物事や事象がこの世には”有り”ますが、
それを”有る”・・・と認識して、”有る”ということを「言語」にして
(=言の葉に乗せ)、相手に我の想いを伝え、そして、相手の想いを我が知る
ということに他なりません。
言語というのは、我と相手とお互いに「伝え合い・知り合う手立て」というも
のが「慣習となって、一つの成り立ちを見せている」・・・ということなので
す。手立てというのは、声とか文字とかの類があり、それらがあるから暗号も
出来るし、言語に依らない通信手段も形成が可能となるのです。
要するに、その言語にはその言語を話す人々の「世界観」というものがあり、
これをかのクラウゼヴィッツと同じ時代のドイツ人であるヴィルヘルム・フン
ボルトという言語学者が唱えています。この「世界観」が異なっているという
ことが分かれば、文法にせよ、和訳にせよ、意外と明るく対抗が可能なのです。
外国語の習得がこの講座で?と思われるかもしれません。しかし、それは不可
能ではありません。鹿も四つ足、馬も四つ足、ならば、スペイン人も人なら
日本人も人、共に言語の鵯越を下ろうではありませんか、みなさん!
次回からシリーズ展開するスペイン語文法の基礎を隔週に合わせてマスターし
て行ってください。
実は、文法の解説とは、兵法思考、戦略思考、情報思考に直結しているのです。
みなさんは、外国語文法と兵法・戦略・情報という二兎を追う者は二兎とも
得るこの絶好の機会を活用され、同時に一旦忘れた英語や、他の外国語、それ
に母国語たる日本語への新たな認識が芽生えるよう、筆者としては大いに期待
しているものであります!
(つづく)
※著者 米田さんへのお問い合わせは、こちらで受け付けています。
 ⇒ http://okigunnji.com/s/yoneda/ (24時間365日対応)
 
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■「敵を知り、己を知り、百戦百勝殆うからず」をわがモノとする
添削指導がついた「武の通信教育」です。
期間は半年。月2回テキストが届きます。
『孫子塾 オンライン通信講座』
詳細・お申し込みはこちらで⇒ http://sonshi.jp/sub10.html
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■戦略研究学会 第7回大会のご案内
メインテーマは「政軍関係」
いわゆる「田母神問題」で話題になった、某防大学長の特別講演もあり。
と き:平成21年4月26日(日)09時30分(受付開始)
ところ:明治大学・リバティータワー9階・10階
(東京都千代田区神田駿河台1-1 JR「お茶の水」駅下車スグ)
どなたでも参加いただけます。
詳細・参加申込については、http://www.j-sss.org/ をクリックしてください。
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■軍事史学会 平成21年度年次大会
わが国を除いた外国では、歴史といえば「軍事史」です。
実はわが国にも軍事史を研究する学術学会があります。
陸軍を中心に戦前に創設され、戦後の一時期は中断したものの見事復活を
遂げ、現在も活動を続けている伝統と格式を誇る学会です。
「軍事史学会」( http://wwwsoc.nii.ac.jp/mhsj/index.html )
この軍事史学会の年次大会が下記の要領で開催されます。
と き:平成21年6月6日(土)13;30~17:10 特別講演・個人発表
          6月7日(日)08:30~16:00 史跡研修(専門家と巡ります)
ところ:姫路獨協大学(6月6日)並びに姫路市周辺史跡(6月7日)
☆詳しくは: http://wwwsoc.nii.ac.jp/mhsj/index.html をクリックしてくださ
い!
本年のメインテーマは、「城塞をめぐる軍事史」です。
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