【第1講】「彼を知る前に己を知る」

孫子塾副塾長・孫子塾関西支部長
同志社大学/京都外大・スペイン語非常勤講師
米田 富彦
先ずは、「彼を知る前に己を知る」ことから始めたいと思います。

一般的に日本人は、支那を主体とした文化交流から、先ず、戦国時代に南
蛮と称された欧州の人々や国々との交流の機会に遭遇したといえます。
次に約250年間の幕藩体制を経て、帝国主義の盛んであった時代、外国勢力
の侵略という国難でもあった幕末維新期を迎え、この害を利に転じ、そこから
「政治・軍事・経済のトライアッド」に先進的であった”欧米”から、誰が命
じるのでもなく、当時の現状維持的な佐幕派を除き、公家も武家も町人も全体
的に、西洋の思想、哲学、思考法、科学から生活習慣(例:建築物、衣服、交通、
農産物、農産物加工品、それにインフラなど)に至るまで、それら方法論を
進んで取り入れました。
他のお騒がせの多い近隣のアジア諸国とは決定的に異なり、日本流儀のハイブ
リッドな抽象・具体すべての領域にわたる有形無形の諸財産を誕生させ、立派
に実践・応用して本家の欧米に引けをとらず、先の大戦では、その欧米先進国
と堂々と勝負をし、敗戦の憂き目にあいつつも復興を遂げ、まがりなりにも
現在にまで至っています。
この点は、世界の国々の中でも日本人が有するメルクマール(*)でもあり、
大変興味深くも特殊的な点でもあり、また、日本人としては、”忌み詞的”に
なってしまった”大和民族の優秀さ”として誇るべき点でありましょう。
ちなみに、巷の罪なき一般市民の思考を操作・誘導する左翼思想系文化人や反
日的態度を崩さない特定のマスコミや各種団体にしても、つまるところは、
(日本に滞留する外国の反日運動家や特務工作員たちを除いては)”日本土壌”
に根をはやし、そして日本という庭の中に繁茂することが許されている草木の
一種に過ぎず、結局は日本から離れてしまうと意外と外国種とは共生しづらく、
必ずや枯死・滅亡するのがその実相とせるところであります。
ここで、読者の皆さんに認識を改めていただきたいと思うところがあります。
それは、「外国を知る」ということは、実は、「日本を知る」ことであり、先
ずは己を知り、彼を知るという順序を弁(わきま)えて、「スペイン&ラテン
アメリカ」の諸事象に当たっていただくことで、初めて本格的な裏と表が合一
した”一廉(ひとかど)の者”になる...ということなのです。
では、このスペイン&ラテンアメリカの国々について知るため、順序として
先ずは、日本とスペインの交流から、時系列で話しはじめたいと思います。
(*)メルクマール:特質、特徴のこと