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米韓首脳会談

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十九日土曜日、韓国の李大統領は初めて米のブッシュ大統領と会談しました。

李大統領の訪米目的は、まず第一に、この約十年の間に弱体化した米との関係
を以前の状態に戻すことです。複数の韓国情報によれば、首脳会談では「自由
貿易協定の批准」「北鮮の核問題を含む朝鮮半島情勢」「地球環境問題」「エ
ネルギー問題」「国際情勢」「北東アジア安保システム」について話し合いが
持たれています。

韓国大統領府の発表によれば、李大統領は17日、チェイニー米副大統領と懇
談しています。ここでは、北鮮核問題の平和的解決に向け両国が緊密な協力を
続けていくことで意見を同じくし、米韓同盟の発展と両国間の主要懸案、北東
アジアと世界の問題などに関する協力を図ってゆくことについても、幅広く有
益な協議を行なった、そうです。

聯合ニュースは、この席で李大統領が米韓同盟について、
<「過去半世紀にわたり韓国の安全保障と経済発展、そして北東アジアの平和
と安定に重要な役割を果たしてきた」と評価し、共通の価値と利害を基に両国
の相互利益をさらに拡大していく方向で韓米同盟を発展させていこうと呼びか
けた。これに対しチェイニー副大統領は「今後の韓米同盟の強化・発展を期待
する」との考えを示した。>そうです。

東アジア情勢で現在一番ホットな課題はいうまでもなく米朝のにらみ合いです。
「俺たちはイラクの轍はふまんぞ」という動機から、北鮮は二〇〇六年に核実験
を実施しました。こういう事態を引き起こさないとの目的で、二〇〇三年以来
ずっと行なわれてきたのが中共が主導する「六者協議」なるものだったわけです。

しかし、核実験を受けこれまでの六者協議は機能しなくなりました。
そのため、昨年行なわれた会合で参加六ヶ国は、ロシアが主導する「東アジア
の平和と安保システム」に乗っ取った形で「作業部会」を設立しました。
ロシアにいわせれば、この仕組みは、地域の平和と安全を守るための強い政治
的な仕組みになる、そうです。

さて、今回の首脳会談で注目しているのは、
PAPSUにまつわる話がロシアや韓国方面からいろいろ出ていることです。
米韓は、米が主導する汎太平洋安保連合(PAPSU)を基盤とする「米韓同盟の
進展に向けた設計図」を公表するとの話もあります。

ですので、今回の米韓首脳会談を単純に「米韓同盟」という次元のみで捕らえ
てはいけない気がします。韓国が太平洋地域全体を管轄する枠組み「PAPSU」
で主導的役割を果たそうとしている、との意味合いで捉える必要があるのでは?

ちなみにPAPSUの最初の参加者はわが国と韓国になるそうで、今回の米韓首脳
会談がPAPSU立ち上げの第一歩との話も出ていますね。

韓国政府は、ロシアとシナの参加も視野に入れているとしてますが、PAPSUは
そもそも上海協力機構(SCO)に軍事的に対抗することが目的であり、SCOの主
構成国であるロシアとシナを引き込むことは現実的ではないとの見方が多数の
ようです。

ロシア情報筋は<日米韓は冷戦時代に東アジア地域で機能した軍事同盟トライ
アングルの復活を考えているようだ。李大統領は日本に対しても韓国の重要性
を示したいらしい。大統領は初の歴訪予定に、米だけでなく日本を入れている>
といっています。

韓国筋は<米は五~六月頃に日米韓首脳会談を計画している。それはおそらく
日米韓の三角同盟設立を決定づけることになるだろう。日米韓は二〇〇三年以
前、北鮮に対する共通の立場に基く外相レベルのTCOG(三国調整グループ)
という枠組みを使った。それがいまや国家指導者レベルに上がったのだ>として
います。

PAPSUの第二段階は豪州、ニュージーランドといくつかの東南アジア諸国の加
盟が予定されています。ロシア筋は<これを見ても分かるとおり、PAPSUは米
主導に基く明白な太平洋軍事同盟である>と見ています。

ちなみにロシアについては、タイと同じく「オブザーバー」参加の可能性につ
いて話し合いが行なわれているそうです。

ロシア筋は<日米韓同盟が構築されることは、東アジア地域におけるミサイル
防衛計画に日韓が自動的に参加することも意味する。しなしながら韓国軍トッ
プは、以前にこの計画に懐疑的な姿勢を示していた>と言ってます。
西の東欧、そして東の日韓というミサイル防衛システムに挟まれるロシアから
すれば、神経質になるのも無理ないかもしれません。

その次の段階です。大きく分けて二つが主眼となります。

1.韓国への米兵器、軍事設備供与
主なものは、老朽化した戦闘機F-16Sの代替機F-35、無人機グローバルホーク。
2.韓国のミサイル射程延長への米の支援

2.ですが、韓国政府は01年にアメリカと合意したミサイルに関する覚書で、
「射程距離300キロ、弾頭重量500キロ」以上の弾道ミサイル開発を制限
されています。

一部報道では、現在韓国が、北鮮の首都平壌、核施設がある寧辺を射程に収め
るミサイル開発を行っており、そのためには、射程が280マイル以上(約4
50キロ)必要だ。との見方もあるようです。しかし開発中のこのミサイルは
巡航ミサイルとされています。巡航ミサイルは覚書には当てはまらない「無人
機扱い」とされており、韓国独自で開発配備することはできるでしょう。
その能力があればの話ですが。笑

ですから、ここで出ている話は「BMD用のミサイル配備のための布石」とい
うことで差し支えないと思います。

在韓米軍は、二〇〇九年までに二万五千人規模に縮小される見通しですが、
米側は二万八千五百名規模を維持したい意向のようですね。首脳会談では、こ
のあたりのはなしもあったと思われます。
ちなみに北鮮は米軍の完全撤退を韓国に要求しており、そのうえで、現在の休
戦協定に代わる平和条約に調印するとしています。しかし米はこれを拒否して
います。

⇒チェイニー副大統領との懇談の席で李大統領は、米韓自由貿易協定(FTA)
が速やかに発効できるよう、国会への説得に最善を尽くすとし、韓国の米国ビ
ザ免除に向けた手続きを加速することで、両国関係の発展に向けた制度的な枠
組みを拡充していこうと提案しています。

チェイニー副大統領は、韓米間の交流拡大と韓米同盟をさらに強化させるとい
う点に全面的な共感を示しています。

また李大統領は、北鮮が核を完全に廃棄し自発的な開放が行われる場合、北朝
鮮の国民所得3000ドル達成に向け韓国政府が協力するという内容の「非核・
開放3000構想」についても説明し、チェイニー副大統領はこれを積極的に
支持する意向を表明しています。


●米の北鮮核に対する態度の変化

そういえば、
「就任してから北鮮との関係が悪化したんではないか?」とのCNNの質問に
対し、李大統領は「そうは思っていない」と回答していましたね。

確かに同大統領が金大中以来の「太陽政策」を破棄してから北鮮の行動は慎重
になっているようです。

李大統領の姿勢についてロシア筋は
「太陽政策の放棄は北鮮核兵器計画開発断念に向けた六者協議の試みを危険に
曝し、退陣するまでに六者協議で成果をあげようと考えたブッシュ大統領の試
みを邪魔する結果を生んでいる」という見方を示しています。

そのせいか、最近になって米は、北鮮への譲歩とも見られる措置を幾つかとっ
ています。核兵器と核関連物質と核兵器開発計画の内容を「すべて」公開
しなければならない、とする主張がトーンダウンし、明らかにより穏やかな内
容になっていますね。

北鮮は一部施設を除くすべてを公開するとの通告をしていますが、どうもそれ
を受け入れる方向にあるみたいです。現在は「じっくり相手の出方を待ち、観
察する」という姿勢ですが。

一部専門家によれば、「一部を除く」の目的は、核兵器計画と核関連物資の拡
散の区分にあって、その意図は海外に核関連物質を拡散したことを隠すことだ
ろう。とのことです。

だから、彼らが公開する内容を見ても「拡散」の事実はおそらく確認できない
でしょうね。

これを受け、前国務次官で不拡散問題担当だったボルトン氏は「政府は対北鮮強
硬政策を放棄した」と非難してますね。ブッシュ大統領は、「何故彼らの行動
を待ってはいけないんだね?それがいい取引か悪い取引かどうして分かるんだ
ね?東アジアの利益にならない取引を行なうことはないぜ。」と応えてましたが。

いろいろ書いてきましたが、思うことがあります。
北鮮と韓国が現在緊張関係にあることでひとつだけはっきりしていること。
それは、韓国に核武装を断念させる結果を生んだことですね。
わが国益にかないます。

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(投稿日:2008年4月22日 19:51
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