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シーレーン防衛~海自と海保~

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Q:「シーレーン防衛における海保と海自の役割分担の現状とあるべき姿です
が、現状はよく知りませんが、本来ならば海保は海自の一組織になるほうがい
いのでは?と考えています。ただ、現実に2つの組織がある以上、海保主・海
自従でいいように感じています。と同時に、海自艦艇が東南アジア各国の港に
常駐できる体制ができればいいようにおもいます。ご見解をいただければ幸い
です」

上記のお話では海賊行為の取り締まりをイメージしておられるかと拝察します
が、
これは警察活動で、在職当時の海自ではシーレーン防衛の範疇に入れていま
せんでした。
敵の軍事行動からシーレーンを防衛することが自衛隊が主担当です。
もしかしたら、最近ではテロ対策の一環として海自でも扱うことを考えているの
かも知れませんが......。
マラッカやロンボク等の重要な国際海峡を通る自国船は沿岸国の貧弱な警備
だけに任せて置けないもどかしさは同感です。

海保は国内法下の警察機能(国際法に由来するものも含む)なので、その
意味では海保が主体なのでしょうが、それは軍事行動ではありません。
巡視船は国際法上の軍艦の資格を自ら放棄しているのです。
(「如何なる意味でも海軍とはみなされない」とわざわざ自国の法律に書く
なんて憲法9条の愚の上塗りですねぇ。自衛艦はそんなつまらないことを書かれ
ていないので、憲法に関わりなく世界中から軍艦として扱われています)
また、SAR条約による我が国の捜索救難担当範囲は広大ですが、これはシー
レーン防衛の範疇ではないと考えます。

かつて海保がフランスから日本までのプルトニウム輸送に従事したことがあります。
日本政府は国内世論をおもんばかって海自を使うことに躊躇したのでした。
確かに海保が自国船を海賊から守る活動自体は公海上でも「法律上は」可能
ですが、関係諸国には理解できない暴挙と写ったようです。なにしろ、核爆弾の
原材料を運ぶ船を、ミサイル防御さえ満足にできない巡視船で、国際テロリスト
から守るつもりだったのですから......。

派遣された「しきしま」は国際法上の軍艦ではなく、日本の警察権はフランス
領海に及びませんから、護衛任務としてはフランス領海に入れてもらえず領海外
で待たされ、出港してきたフランス海軍から当該輸送船の護衛を引継ぎました。
また、米海軍は全行程に原潜の追尾をつけたと云われています。
つまり、世界中の関係国が海保の使用に疑念と不安を感じ、ハラハラ、ドキドキ
しながら見守った愚挙でした。

平時でもさえもこうです。
まして有事、本格的な武力行使が生起するなかで、シーレーン防衛に海保の
できることは残念ながら多くありません。
むしろ、敵性勢力の領域侵入、隠密機雷敷設や武器等潜搬入といったような
事案の取り締まり業務は平時より激増することが予想されますし、被攻撃で損傷
した船のレスキュー、サルベージ(英国映画「鍵」に登場しますね)や主要海峡、
港湾等の航行管制といった海保の本来業務の方が激増すると予想されます。
(これらは有事には機雷原に囲まれるので、その中に設けられた掃海水道の
GO、STOPを制御します)

> 1.排他的経済水域等いわゆる「領海」についての正確な知識
> →200海里とかEEZとかいっても、結局は領土・領空とは全く異質の概念のよう
> に感じます。
> どう理解し、「抗議に対しどう対処するのが正当なのか」が正直分りません。
> (最近は、北京のガス田開発に関する北京の態度への対応)

国連海洋法条約の話が分かりやすいWEBの一つは下記などです。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7009/mag0008x.htm

領海やEEZが領土・領空と異質に感じられる最大の点は「無害航行権」にある
のではないでしょうか。
航空機の領空通過や人・モノの他国領土への入国にはそれなりの事前手続きが
要りますが、船舶は「悪いことをしないでおとなしく通るなら」事前に断らずに他人の
 敷地(海域)を通り抜けてもよい、という権利が認められています。」

中国の調査活動への「抗議」はこの「無害航行とはみなせない」ということです。
中国は無視していますが、どうしても当方の要求を通したければ実力行使しか
ありません。結局、「自分の権利は力で守るしかない」のが国際社会の現実で、
その意味ではヤクザの縄張り争いと何等変わりません。

かつてソ連はオホーツク海を自国と日本だけの海とし、そこに至る千島列島間の
各水道は国際海峡ではない、と主張していました。
それに対して米国は国際海峡を主張して、毎年一度はワザと艦艇を通過させて
いました。当時のソ連海軍はこれに対して、武力こそ用いませんでしたが、自国
艦艇を米艦に体当たりさせるなど、激しくこれに抵抗しました。
「自国権益を守る」ということはこのくらいの覚悟が要ります。

竹島問題もそうですが、実損を伴う対抗手段でなければ、国際社会では通用せず、
口頭の抗議なんて屁の突っ張りにもならないばかりか、むしろ事実上の承認と理解
されて既得権化が進むだけです。
外務省のやっていることは背任に相当する国賊行為だと思いますね。


以上、ヨーソロの管見でした。

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(投稿日:2004年9月14日 12:03
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