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予備自衛官の手当

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前号の「予備自衛官の煩悶」をご覧になった方から以下のような質問が届きま
した。

【質問】(祇園さま)
予備自衛官の方が長期に亘って本職を離れる場合の手当てはどうなっているの
でしょうか。
会社員であれば、過去3~6ヵ月間の平均賃金から算出はできますが、自営業の
場合は、平均額の算出は難しいと思われます。
特に相場師(株売買、先物買い)などの仕事をしている場合は、イラクへ派遣
されている間に大きな儲けを逸失するやも知れません。
以前から感じていたのですが、娑婆での儲けの算定はどうなっているのでしょ
う。

【回答1】(陸上自衛隊の即応予備自衛官 ひら☆やん)

ご質問の件ですが、即自を雇用している企業に対しては国から「雇用企業給
付金」として月額4万7千円が給付されます。が、自営業者や私のようなフリ
ーランスは、現行の制度では給付の対象になっていません。しかしながら自分
の仕事で稼ぐ金額のほうが、即自の訓練手当て1日分よりも多いというケース
がほとんどですから、自営業者やフリーランスには「休業補償」を考慮するよ
うに、隊友会が中心になって政府へ働きかけを行っているところです。
これを即自が自らやってしまうと、自衛隊員が禁止されている労働争議にあた
るおそれがあるので、どうしても隊友会が間に入らざるを得ないのが現状です。
それでも実現はまだまだ先が見えていません。
 ですから今は《訓練に行かなければ稼げたはずの利益》を敢えて犠牲にして、
訓練に出頭している即自の使命感に頼っているのです。
 また、ご質問に「イラクへ派遣されている間に大きな儲けを逸失するやも知
れません」とありましたが、即応予備自衛官が海外へ派遣されることはありま
せん。派遣先で事故(戦闘を含む)等によって死傷した場合の補償制度と、派
遣させるために本業を中断させる間の休業補償制度が事実上存在しないことが
主な理由だといわれています。

【回答2】(航空自衛隊の予備自衛官 侍魂)

航空自衛隊には現在、800名の予備役自衛官が在籍し、毎年の訓練出頭に
応じております。
基本的に予備自の給与については年間7万円程度の俸給があるだけで、その他
の手当については特段の指示は受けておりません。
また、現職のように年金をもらう事もできません。(定年まで在籍した方は別
ですが)
この不況のおり、中には会社に予備役であることを隠して訓練に参加している
者や無職であるにも関わらず、訓練に参加しているものもおります。誰も彼も
日本という国を愛し、自衛隊を愛しているものばかりです。己の生活を投げ打
ってまで、参加しているものもおります。
そのような彼らに対し、国もそれなりの対応をして欲しいというのがホンネで
す。
私の会社は投資関係ですが、ご質問者のような危惧が現実化する恐れは十分に
あります。
予備役の給与はどの階級も同様の扱いとなっており、娑婆での稼ぎなどは全く
考慮されてはおりません。
年収1000万円であろうが無職であろうが同じです。
恐らく防衛出動にでもなれば考えていただけるかもしれませんが。

【回答3:海上自衛隊 元ミサイル員】

予備自についてはよく分かりません。
侍魂さんの回答では年間7万円ということですが、いまから十数年前は月40
00円程度と聞いたことがあるので、改定されているのですね。あと、階級の
昇進が早いということは聞いたことがあります(たしか「○○予備2曹」など
と呼称)。退職時に誘われたのですが、その当時の海自の場合は、召集されて
も陸警隊(主に基地の警備を担当する部署)勤務になると分隊士にいわれお断り
しました。確かに、数年前の知識で最新兵器に中に入っていっても何も出来ま
せんし、やはり錬度の問題がありますから、海自の場合は現役に頼る部分がど
うしても大きいと思います。日頃の演錬の成果というやつですね。
生活保障については、やはり自衛隊以外の生活というものが現実にある方々の
集まりなのですから、すべきと考えますが支給基準の判断が難しいところだと
思います。
残念ながらこの程度の知識しかありません。

【コメント】

前号で投稿いただいた予備自の方は、このご質問を受け、

「予備自に対して防衛出動がかかる時点で状況は切迫していると思われます。
その時点で予備自衛官は現在の職業と縁が切れるものと解釈しています。
そのため、復職が難しいと言うことを訴えたかったのですが、うまく伝わらな
かったのでしょうね。」

とおっしゃっておられました。
ひとことお伝えしておきます。

予備役というのは、「有事の際は現役に復帰して任務につく」退役軍人を指し
ます。自衛隊の場合は、自らの意思で有事に任務につくことを選択した、退職
時に1尉以下の階級であった元自衛官のことをいいます。

招集された際には通常、後方支援任務につきます。(陸上自衛隊の即応予備自
衛官は例外で、即自は最前線の戦闘部隊に所属します)

予備自衛官の概要は以下のとおりです。

■待遇
非常勤の特別職国家公務員
防衛招集命令及び災害招集命令により招集された場合、出頭日をもって自衛官
となります。

■資格
対象者  自衛官として1年以上勤務した者
階 級  退職時の階級が1尉以下の者
年齢等
 退職時の階級 士長以下・・・37才未満の者
        3曹以上・・・階級ごとの定年年齢に2年を加えた年齢未満
               の者

■手当の詳細
1.毎月の手当
予備自衛官 4,000円
即応予備自衛官 16,000円

2.訓練招集手当(/日)
予備自衛官 8,100円
即応予備自衛官 14,200~10,400円
予備自衛官補 7,900円

■定員(法定)
陸上自衛隊:46,000名(予備) 4.889名(即自) 海上自衛隊:1,100名 
航空自衛隊:800名

(参考)
中部方面総監部HP 

技術が占める割合が高く、現役と技術レベルに差がある予備役が活躍できる場
が少ないためか、海自や空自では陸自に比べると数は圧倒的に少ないですね。

どれがいい悪いという話ではありません。
予備役の充実は、特に陸軍では「有事の際に現役の負担を少しでも軽減する」
など「軍の危機管理」のために必須の制度です。マンパワーに厚みがある軍は、
余裕をもって要素が不確定な任務に当たることができます。

軍をはじめとする危機管理エキスパートに必要なのは、つねに余裕がある精神
・人員・装備・予算です。ぎりぎりのところまで追い詰められた形で運用を行
なっていると、いざ突発事態が発生した場合に必要十分な対処ができない恐れ
があると思います。
しかし、自衛隊の運用はギリギリの状態で行なわれているというのが現状のよ
うです。

そのためにも、予備役の充実は真剣に検討する必要があるのではなかろうかと
思います。

その前提として、
民間側は、国防に当たる予備役の役割を深く理解し、予備役の方々が心置きな
く任務、訓練に励むことができる環境作りを担うことができるよう心がけたい
ものです。


(おき軍事)

【050430配信 メールマガジン「軍事情報」より】

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(投稿日:2005年4月30日 22:00
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