レバノンの危機
1975年から15年間続いた内戦以来、最悪の衝突が発生したレバノンです
が、欧米に近い現在の与党勢力とイラン・シリアが支援するシーア派原理主義
組織ヒズボラを中核とする野党勢力の衝突は、アラブ連盟の介入で一時的に回
避されました。
一年半前のヒズボラによる閣僚辞任以来ずっと続いているレバノン国内の衝突
に対しアラブ諸国は、「非アラブのイランが、レバノン等アラブ諸国で影響力
を拡大している」ことに懸念を深めています。
そのためアラブ連盟は11日、レバノンでの衝突終結のため、ベイルートに代
表団を派遣することを明らかにしました。
ロイター等によれば、アラブ諸国の外相は緊急会談を行い、カタールのハマド
首相を団長とし、ムーサ同連盟事務局長、8カ国の外相らからなる大型代表団を
派遣することを決定しました。
当初アラブ連盟は、ベイルートに対し即時代表団を派遣するとしていましたが、
記者会見でムーサ事務局長は、「派遣の日程はレバノン指導者らに接触した後に
なる」との考えを示していました。
その後、アラブ連盟加盟国の外相らが事態の打開を図り、アラブ連盟(21カ
国1機構加盟:本部カイロ)代表団は、14日にベイルート入りしました。
代表団は、レバノン国内の全政治勢力代表をカタールのドーハに招待し、昨年
11月以来続いている大統領不在状況を打開するための話し合いを行うよう提
案するのが最大の目的で、今回の衝突激化の一因となった「政府による一連の
対ヒズボラ(イラン系イスラム教シーア派武装過激派組織)政策の撤回」と
「ヒズボラによる空港への道を含む全道路の封鎖解除」についても提案された
といわれます。
同日レバノン政府は、ヒズボラら野党勢力の主要な要求を受け入れると発表し
ました。十日に軍が発表した「一連の政府による措置を凍結する」とする決定
を追認するもので、「アラブ連盟の交渉を円滑にし、国家の結束と市民の安全
を守るため」との説明がされています。
先日お伝えしましたとおり、レバノンでは、今月五日「ヒズボラが秘密に設置
した軍事通信網」を違法として、閉鎖に向けて政府が捜査を開始したことにヒ
ズボラが反発。7日から政府側と反政府側との銃撃戦を含む衝突が発生しました。
武力に勝るヒズボラは軍を圧倒。政府側指導者の1人であるハリリ未来党党首
の自宅を含むベイルートの大半を一時制圧するなどし、内戦の再発が懸念され
る事態になっていました。
十四日時点でヒズボラは、制圧部分を軍に委譲しつつも、空港に続く道路や
一部道路の封鎖を続けています。
AFPによれば、野党側のある高官は政府の決定を受けて、15日朝にもヒズ
ボラらが行なっているベイルート国際空港に続く道の封鎖が解かれるとの見方
を示しています。
アルジャジーラが伝えるところによれば、十五日にヒズボラ副司令官のカッセ
ム氏がアラブ連盟代表団と会談し、その後コメントを出しています。
「ヒズボラは、今回の衝突のきっかけとなったわが秘密軍事通信網の摘発を政
府が撤回する決定を下したことを評価する。われわれは空港向け道路の封鎖等
を解き、通常の状態に戻すであろう」
とのことです。
アラブ連盟代表団はヒズボラとの会談で、レバノンの国内政治勢力全代表が参
加する会議をカタールのドーハで開催することで合意しています。
⇒レバノンという国は本当に惨めで哀れです。こういう国にだけはなってはい
けません。
(投稿日:2008年5月22日 19:11)
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