シリアと北鮮の核開発
米とイスラエルは長い間、北鮮の武器輸出を「貧乏人が稼ぐ手段」と見ており、
シリアの大量破壊兵器についても「あそこは化学兵器の国」と認識していたよ
うです。シリアにおける核開発も「休止中」とばかり思っていたようです。
冷戦中の一九九八年、国際的な規制下でシナの中共がシリアに三十キロワット
の原子炉を輸出したことがあります。このとき米と同盟諸国がそれに同意した
のがその証左ですね。
米情報当局の話では、2003年にシリアはイラクのフセイン政権崩壊後、逃亡し
たイラクの科学者を受け入れたと見ています。他の中東諸国と同じく、シリア
は核研究を再開させました。
2006年に北鮮が核爆弾の実験を行なって以来、諸国は情勢見通しをゼロから
見直す必要に迫られています。北鮮は既に核弾頭10個に相当するだけの十分な
プルトニウム備蓄を入手しているのです。
イスラエルに対する脅威は、北朝鮮、シリアとイランの三者のトライアングル
によって増幅されます。シリアは北鮮とイランをつなぐ中継地としての役割も
果たしているようです。北鮮からパイプと称して船便で送られた五千万ポン
ド相当のミサイル部品・技術等が、シリアのタルトゥース港に入り、シリアか
らイランに輸送されています。
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●シリア原子炉空爆の背景
情報筋によれば、シリアとイランは北鮮とシナの技術協力を受け、一億ポンド
規模のミサイル製造合弁企業をシリアで立ち上げたそうです。北鮮軍のミサイ
ル技術者は、シリアのハマ、アレッポ近くにあるサイロとトンネルで、ミサイ
ル製造のために働いています。
イスラエル当局はまた、昨年夏に北鮮がミサイル試射(*)を実施した際、シ
リアとイランのオブザーバーが現地にいたとする報告を重視しています。
(イスラエル情報筋は先週、イランが原子炉に関するすべての詳細を知らされ、
現地に技術者を派遣したとしています)
(*)http://okigunnji.com/cat18/300/post_346.html
こういったことがイスラエルのシリア原子炉先制空爆実施の意思決定の背景に
あったようです。
以下の二つは北鮮からイスラエルに向けたシグナルと見られます。
シリア原子炉空爆四日後の九月十日、金正日はシリアのアサド大統領の42歳の
誕生日に、こんな祝電を送っています。
「両国の優れた親しい同盟関係は、複雑な国際的な状況の下でさえ着実により
強くなっています」
その翌日、ほとんど知られていないようですが北鮮は声明を出しています。
イスラエルの行動は「不法」で「非常に危険な挑発」と非難する内容でした。
声明から数日後、シリアのナンバー2でバース党のトップ、サイード・エリア
ス・ダウードが高麗航空のロシア製特別機に乗って北京に向かっています。
ダウードのこの行動はアサド大統領の助言と同意を得たうえでのことと見られ
ます。アサド大統領の父、故ハーフェズ・アサド前大統領は、瀬戸際政策に才
能をもつ戦略的ギャンブラーとして有名でした。現大統領もその血を引いてい
るようです。
(投稿日:2008年5月 5日 22:44)
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