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中央コマンド司令官ファロン海軍大将の辞任

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ファロン大将は事実上のクビですね。

「ファロン米中央軍司令官辞任

3月12日16時58分配信 産経新聞

 ゲーツ米国防長官は11日、国防総省内で記者会見し、イラク、アフガニス
タンを管轄する米中央軍(司令部・フロリダ州タンパ)のウィリアム・ファロ
ン司令官(海軍大将)が辞任したことを明らかにした。

 イランへの対処をめぐるブッシュ政権との見解の相違が理由とされる。ゲー
ツ長官は「遺憾ながらファロン大将の辞表を受理した」と述べる一方、在任1
年での司令官辞任については「正しい判断だった」として、辞任がやむを得な
い状況だったことを示唆した。(ワシントン 山本秀也)」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080312-00000112-san-int

という形で国内でも広く伝えられました。

ファロン大将は事実上のクビですね。

複数の情報によれば、ファロン大将はイラン核施設への空爆に強硬に反対し
ており、それが今回の辞任につながったそうです。

イランの核武器保有の野望に対しては核施設空爆で対抗せよ、
とする意向に反対する中央コマンド司令官出身者はこれで3人目になります。

おひとりは前中央コマンド司令官で、ファロン大将とともにイラン攻撃に反対
していたアビザイド陸軍大将、そしてもうおひとりは元中央コマンド司令官の
ジニ退役海兵隊大将です。

それぞれの方の在任期間は以下のとおりです。

ジニ大将 1997/8/13~2000/7/6
アビザイド大将 2003/7/7~2007/3/18
ファロン大将 2007/3/18~2008/3/11(辞任時期の詳細は不明)

ファロン大将は海軍出身としてはじめて中央コマンド司令官になった方ですが、
今回の人事は明らかに更迭です。

イラン攻撃の場合、空母任務部隊とディエゴガルシアのB-2爆撃機を出動させ
る必要があります。
その際、海軍出身のファロン大将であればうまくやれる・・・との目論みが
指名の段階からあったのかもしれませんね。

ファロン将軍にすれば「勝手なことぬかしやがって、ふざけんじゃねえよ」
という感じではなかったでしょうか。


ゲーツ国防長官が就任後、最も重要な戦域を管轄する中央コマンド司令官が連続
で同じような形で交代しています。
ゲーツさんはブッシュ政権に忠実とされる人ですが、これでは制服の信頼を得
ることは難しいように思います。

ジニ退役大将は、中東通として知られる人です。死に体のクリントン政権末期
に中東特使として活躍された方です。

イランと米の関係についていろいろなところでご高見を出されています。
ニクソン政権時にキッシンジャー国務長官が中共との国交を樹立したときのよう
に「高級政治レベル」で行動し解決すべき課題、との主張です。


アビザイド大将はアラビア語がペラペラの方でこちらも中東通です。

講演の中で大将は以下のようなことをおっしゃっています。

・イラン核武器と共存するための『スマートな力の外交』が求められる。
これにあたってはソ連と中共の核共存関係を学ぶ必要がある

・イランは、イラクのシーア派武装勢力、レバノンのヒズボラ、ガザのハマス
への武器援助を止める必要がある

・イラン核武装を否定することは、地政学的現実認識を否定することでもある。
中東地域には世界に八つある核兵力のうち五つが集中している。

北部にはロシア、西部にはイスラエル、東部にはパキスタンとインド、そして
南部には米空母に搭載された核兵力がある。
(核に囲まれたイランが核武装を目論むのは実に自然な話ということですね)

・1935年に独立したイランは、紀元前6世紀から現在にいたるペルシャ文明の
継承者としての誇りを持っている

そういえば、
イスラエルのペレス大統領が10日から4日間の日程でフランスを訪問していま
す。イスラエルは「単独で」イラン核武装を邪魔することはない、との確約を
サルコジ大統領に行なった模様です。
サルコジ大統領は「わが国はイスラエルの味方だ」と述べています。
ちなみにイスラエルの核武装に当たっては、フランスが多大な協力をしています。

この会談について一部では、
ブッシュ大統領がオルメルト・イスラエル首相に「お前一人にやらせることは
ない」という確約を与えた証左ではないか?とファロン大将が理解したのでは
ないか?との指摘があります。

43年にわたる軍務を終えることになるファロン大将は辞任の理由について、
「政府方針との対立が原因ではない。中央コマンド責任地域でわが国益を図る
ことを任務とする本官にとり、イラン情勢に対する単純な認識は任務完遂を困
難にする」とのみ述べておられます。


⇒これまで米軍高級将校は、さまざまなレベルでイラン攻撃に反対してい
るようです。伝えられることはほとんどありませんがね。

おき軍事が聞いた限りでは、
わが自衛隊の退役諸官の認識も、イラン攻撃に反対、というところに落ち着くよ
うです。

米の次期政権が民主党になれば、イランへの軍事攻撃オプションは100%な
くなる。しかし共和党が政権継続することになれば、イラン攻撃が現実になる
ことだろう。との見方もあるようです。

わが国の立場からすれば、イラン攻撃には、最後の最後まで必死のパッチ
で政府に反対してもらわなければなりません。

わが国には、ホルムズ海峡をとおり、わが石油を運ぶタンカーを軍事攻撃から
護ることができないからです。

国の命令による武力発動を禁じている憲法をそれまでに変えられますか?

戦場で「攻撃しないで下さい」と相手に土下座して許されると思ってますか?

米かシナの属国になって護ってもらいますか?

それともまた特措法を作って、手足がんじがらめのままわが海自部隊を現地に
送り出しますか?

命令を受ければわが自衛隊は全力を挙げて任務に当たります。
しかし、そもそも無理なことを「自衛隊だからできるだろう」と頼むのは
あまりに非常識ではないでしょうか?

国民の意識が低すぎます。

イラン攻撃時は米にシーレーンを護ってもらう。
その引き換えにスーダンPKOに行く。
わが自衛隊を使ったこんな卑劣な取引が行なわれると耳にします。

こんな国でいいのでしょうか?

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(投稿日:2008年3月22日 00:07
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