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9.11テロの続々報

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WTCビルに突っ込む2機の航空機の映像を見て最初に感じたのは、「アラー
・アクバル(アラーは偉大なり)」と叫びながら操縦桿を握るイスラム原理主
義者の姿でした。

先々週の「軍事情報」では日本における米国施設へのテロ予告があり、最高度
の警戒に入ったとの情報をお届けしましたが、まさかこういう形で実現すると
は思いませんでした。

現在までに当方に入っている情報を総合しますと、以下のとおりとなります。

・米国は、主犯をウサマ・ビン・ラディン氏とほぼ断定。トルコ、ロシア、中
国、インドなどに対し、攻撃にあたっての基地利用や領空・海・土の利用許可
をすでに取り付けており、同氏が潜伏中のアフガニスタンに対する武力攻撃を
実施する準備に入っている。早ければ米国時間14日、遅くとも1ヶ月以内に
は攻撃が実施される見込み(10月2日前後か?)。

・インド洋のディエゴガルシア島にある米軍基地には、続々と燃料、物資が輸
送されている。

・NATOおよびオーストラリアは集団的自衛権発動を容認し、米国の攻撃作
戦に参加することを決めた。

・ドイツのシュレーダー首相は「軍事作戦への部隊参加はできないが、あらゆ
る軍事分野において米国に協力する」との意思を表明。

・アフガンのタリバン政権に強い影響力をもつパキスタン政府は、米国および
西側諸国の強硬姿勢に対し、ウサマ氏の保護をすることはもはや不可能である
と判断。タリバン政権に対しウサマ氏を何らかの形で処分することを要求する
可能性がある。もしこの要求が受け入れられなければ米国に自国通過を許可す
る見込み。

・アラブ諸国はこの攻撃に対し「最悪のテロ行為」と冷ややかな姿勢をとって
おり、ウサマ氏の「イスラム社会の団結」という目的は達成されなかった。
なかでも、パレスチナは政治的、思想的に非常な痛手を受けており、ウサマ氏
の今回の行動はパレスチナ独立を永遠に不可能にしたといえる。

・現在ウサマ氏の影響下にあると見られている国は、アフガン、タジキスタン
、トルクメニスタン、キルギスタンであり、中央アジアのイスラム原理主義世
界の脅威にさらされているロシア・中国は、米国と共同歩調を取ると見られる。

・アフガンにおける反タリバン勢力の最高指導者であったマスード将軍は、米
国への攻撃が実施される前の9日、ラディン氏の命令により暗殺された(号外
では「うそであった」と書きましたが、その後確認したところ殺害は事実でし
た)。今回の攻撃計画の第一号であったと思われる。

・イスラエルは全国境を封鎖しており、最高度の警戒態勢に入っている。

・ブッシュ大統領は5万人の予備役兵の招集を命令、ラムズフェルド国防長官
は3万5千人の予備役を招集した。これは、少なくとも3万5千人の現役兵が
海外に派遣されることを意味する。

・国防総省における被害者は陸・海・空・海兵の軍人および職員あわせて12
5名。(9月15日現在)

・欧州中央銀行は米国に対し資金提供実施を発表。
現時点で米国からの日本に対する協力要請は明らかになっていないが、何も来
ていない模様。
軍事面のみならず経済面においても日本は、国際社会において必要とされてい
ない存在になったことがよくわかる。

・米国空軍ではWTCおよび国防総省に対する自爆機突入に対し、F-16の
スクランブルをかけたが間に合わなかった。

なお、マスコミでは今回の出来事を「同時多発テロ」と称していますが、私ど
もはこの事件を新たな形の戦争と認識しているため、テロの言葉は使用しない
こととします。

新しい形の戦争として今回の事件は永久に歴史に残される悲劇であると同時に、
今後、世界ではこういった形の戦いが各地で展開されることとなると思われま
す。

ただ冷静に考えれば、自爆攻撃などによる奇襲だけが恐ろしいのであって、国
家中枢機能の麻痺さえ起こらねば、次の段階で敵を殲滅することは、日ごろの
情報活動が十分に行われていれば想像以上にやさしいことが今回の件で判明し
ました。

米国はNATO等の協力を得て、ラディン氏をリーダーとするイスラム原理主
義活動を徹底的に殲滅するでしょう。
しかし、ウサマ氏がたとえ死亡・拘束されたとしても、イスラム原理主義によ
るこういった形での奇襲攻撃は今後もなくなることはないでしょう。
宗教・民族間の主導権争いが目的となる戦いにおいては、敵を一掃するという
形での完全な勝利はありえないのかもしれません。

そんななかでも、軍事を考える上では、いかに勝利を得るかを考えねばなりま
せん。
当事者が姿をあらわさない新しい形の戦争で勝利のカギを握るのは、情報RM
Aを進展させ、その目的とする「敵戦力・システムの麻痺」を実現させること
と、敵を正確に認識するために優秀な諜報機関を保持し、安全保障にかかわる
情報を普段から自ら収集し分析することの2つにかかっていると思います。

また、今回の件で強く感じたのは「指導者の言葉」と「国際報道」の重要性で
す。
ブッシュ大統領は徹頭徹尾マスコミを通じて「われわれはびくともしない。ア
メリカは国民の犠牲に必ず報いる」という内容の言葉を述べており、国家のプ
ライドを傷つけた相手に対しては容赦しないとの姿勢を明確にしていました。

彼の姿をマスコミを通じて見たある米国人の知人の言葉ですが、「自分は共和
党に反対の立場をとるが、彼は立派な指導者だ。自分にできることがあればな
んでもする。国家の危機を見過ごすわけにはいかない。ブッシュとともに国家
の危機を乗り越える」と言っていました。

国民が持つもっとも高貴な感情「愛・誇り」に訴えかけたブッシュ大統領の言
葉は、指導者が危機に際して語るべき言葉は何かについて大きな示唆を与えて
くれたように感じられてなりません。

また、CNNをはじめとするメディアの態度にも実に感心しました。
感情に流されない冷静さ・国益への正常な認識などジャーナリズムが持つ使命
感を強く感じた次第です。

日本には米国におけるCNN、英国におけるBBCといったハード・ソフト両
面で国際的に通用するマスメディアが存在しません。
これでは、もし日本で危機的な状況が発生した場合、日本という国家の意思を
世界に伝達する手段がなく、国際社会でわが国を擁護してくれる世論の形成が
できないのです。
この面でも危機管理的思考は必要ですね。

蛇足ですが、日本のマスコミではアラブ諸国で庶民が米国が攻撃されたことに
対し大喜びしている映像が流れていますが、外交・軍事行動は庶民感情でなく
国家意思すなわち政府の見解が決定しますので、こういった映像情報は、軍事
情勢を考える上であまり考慮に入れる必要はありません。

【010915配信 メールマガジン「軍事情報」より】

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(投稿日:2001年9月15日 20:15
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