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戦車無用論と新戦車開発

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 ご存知のように戦車は、火力、機動力、防護力を全て併せ持つシステム兵器です。戦車無用論という批判が何回か日本でも沸き起こりました。現在も陸上自衛隊内では冷戦構造の崩壊から、戦争が「大規模上陸作戦」から、「テロ主体とする小規模な地域戦争」に移行しているため、またPKO等任務の追加のため海・空自衛隊との比較において、戦車の特に今の主力戦車である重戦車が必要か否かの議論があるやに聞いています。

 第1回の戦車無用論は朝鮮戦争時におこりました。当時、朝鮮の国土は日本と同じような山国で北朝鮮の侵略軍は、道路沿いにしか突進できないから、たとえ戦車が来ても大丈夫のように言われていました。しかしながら、北朝鮮軍がソ連から供与された75mm砲のT-34戦車を主体に侵攻してくると、韓国軍はパニックにより壊滅状態になり、皆さんご存知のように釜山まで追い込まれました。これにより、たとえ道路沿いに戦車がきても特に歩兵部隊に十分な備えがないと対抗できないことが認識され、朝鮮と同じような国土をもつ日本でも戦車の重要性が認識されました。

 第2回の戦車無用論は、第4次中東戦争時の対戦車誘導弾、いわゆる「歩兵の持つミサイル」の出現です。本戦争は結果的にはイスラエル軍の大勝に終わっていますが、本戦争でアラブ・シリア軍が使用したソ連製の対戦車誘導弾は世界に衝撃を与えました。歩兵が持つ弁当箱のような箱をあけると照準装置が現れ全く別の隠れたところから誘導弾が発射されるのです。これによりイスラエル軍の戦車は多大の損害を受けました。この成果により、「ミサイル(誘導弾)があれば戦車はいらない」との意見が沸騰しました。しかし、声高に言った人々は忘れていたのです。歩兵はこれにより火力を持っただけだというのを、防護力と機動力を持ってないことを。

 第3回は、武装(攻撃)ヘリの出現です。世界ではattack helicopterをこのように意味で呼んでいますが、またまた日本では対戦車ヘリと呼んでいます。日本の常套手段の特車(戦車)、護衛艦(駆逐艦)、特科(砲兵)、普通科(歩兵)以下あげるときりがない言葉のお遊びですね。因みに自衛隊員は海外に行くのを非常に喜びます。陸ならアーミーですからね。
世界は普通の軍人として待遇してくれます。

 武装ヘリを最初に配備したのは旧ソ連で、「ミル24ハインド」という超大型武装ヘリでした。戦車の一番弱いところは皆さんご存知のように上面と下面です。武装ヘリは戦車砲の射程外から誘導弾をその上面めがけて発射してくるのです。
これは大変な脅威で、一時「戦車を止めて全て武装ヘリにしたらどうだ」という極端な意見も出ました。しかし、これに対してはまたまた上記第2回目と同じような意見で沈静化しました。そうです、武装ヘリは火力と機動力はあっても防護力がないのです。また、戦車も対抗措置として武装ヘリの誘導弾のロッ
クオン信号をキャッチするセンサーを取り付け、増加装甲で対処しました。

 第4回が今まさに現在です。陸上自衛隊の主力戦車はご存知かと思いますが90式戦車です。120mm滑腔砲×1、重量50t、最大速度70km/h、乗員3名、1500馬力です。やっと世界基準の戦車をもてたのです。90式戦車が登場したときは、世界で1位か2位の実力であったかと思います。当時同等の性能を持った戦車は、仏のルクレールくらいでした。理由は、90式戦車もルクレールも他の主要戦車の開発後10年遅れで開発された、すなわち、他の主要国戦車で開発されたいいところを全て盛り込んだ構想を、世界一の電子技術でアレンジしたのです。「やっと世界に並んだ戦車」これが今の90式戦車です。

 しかしながら、10年以上経過し、この状況は逆転しつつあります。確かに、90式戦車は素晴らしい戦車ですが、この間全く改良がなされていません。
他国は改良を重ねています。

 こういう前提で、この戦車はこのような世界情勢の変化の中で必要でしょうか。忘れていましたが、1両約10億円です。これもよくある意見で「米のM-1戦車を買えば三分の一で買える」と言う意見が必ずでるのですが、これは誤りです。これを米国側に打診しますと、必ず開発経費が上乗せされるため
10億円に似たような金額になってくるのです。

 陸上自衛隊では現在の防衛費圧縮の中で、また人件費の占める割合が多く正面装備に金が回らない状況で、いかに陸上自衛隊の必要性を訴え、予算を獲得するかという防衛装備上から、また小規模非対称戦争の増大という観点から、「重戦車が必要か?」という議論があります。

 現在、陸上自衛隊は新戦車の開発を進めています。戦車は、本当に必要でしょうか。また、必要ならば日本にはどのような戦車が必要でしょうか。
皆さんもお暇な時に税金の使い道を考えてください。


(聯隊旗)

【070905 メールマガジン「軍事情報」より】

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(投稿日:2007年9月 5日 20:32
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