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軍隊における通信秩序

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 teruteruさまのお話を毎回興味深く読ませて頂いていますが、今回のお話
描かれた光景は「終戦直前の陸軍はかくも乱れていたのか」と驚きで、とても
看過出来ないので書かせて頂きます。
以下の意見は「通信規則が旧軍と自衛隊で大きく異なる筈がない」との思い
込みが前提ですが...。

 およそ軍隊における通信では特定の発信権者しか発信できません。
発信権者の殆どは各級指揮官で、通信は事実上指揮官の固有の権限です。
決して幕僚が勝手に通信してよいわけではありません。
(例外:一部の幕僚は事務通信のみが可能です。インターネット時代になって
多少変化があるかもしれませんが、ここでは従前の世界の話です)

 お話の放送通信文は発信権者(この場合はおそらく航空総軍総司令官)の決
済したものであり、参謀や副官は単に通信文の起案者に過ぎません。
起案者がいかに若かろうと関係なく、通信文を決済して放送させたのは航空総
軍総司令官ご本人の筈で、通信内容に関する全責任も総司令官にあります。
通信所がその文面を勝手に添削、改竄したり、秘区分を変更したりするなど、
もっての外です。
森田大尉がいくら「オレが責任を取る」と言っても取れるわけがありません。
国家が降伏する話です。単に腹を切れば済むような軽い話ではありません。
その放送通信内容の全軍に及ぼす影響やその事後処置について一大尉が「責任
を取る」など、思い上がりもここに極まれり、と感じます。

 我々は21世紀に生きていますから昭和20年8月のことを歴史として知っ
ています。しかし、このお話の時点ではどのように事態が推移していくか誰に
も分からないわけですから、現在の視点でことの妥当性を判断すべきではあり
ません。どのような局面展開があるか知れないのです。

 今の自衛隊では全く想像も出来ない通信秩序の乱脈ぶりで、敗戦を前にした
軍隊はかくもひどいものなのか、と感じます。
私が航空総軍総司令官なら、この森田大尉を重要通信を故意に平文で打電させ
た対敵通牒の容疑で軍法会議にかけますね。敵前では死刑にもなる罪科で、こ
れはそれ程の重罪です。

 通信は指揮命令の伝達パイプで軍隊の神経系統そのものですから、通信規律
は軍隊組織の数あるルールの中でも最も日常的で事故の起きる可能性も高く、
それだけに敵に最も敏感に嗅ぎ取られ易い部分です。
過去の暗号解読の端緒も、ほとんど通信規則をウッカリ破ったことが原因です。
情報本部のいくつもの傍受通信所が北鮮軍や中国軍の些細な通信を連日連夜必
死に聴いているのも、今回のテーマのような通信規律の乱れから貴重な情報が
入手できるからです。

 今回のお話を「カッコいい」等と今の若い自衛隊員に勘違いして欲しくあり
ません。あまりに驚き呆れたので投稿します。

(ヨーソロ)

【050402配信 メールマガジン「軍事情報」より】

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(投稿日:2005年4月 2日 22:18
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