Re:幕僚長から権限を奪う方向へ

2019年2月6日

私は各幕僚長の指揮権限をなくす方向で議論することが誤りだとは思ってお
りません。
ご心配の点はごもっともです。ただ、幕僚長は、大臣の参謀として、指揮権が
適切に行使されるよう補佐するためにあるのですから、仮に大臣が指揮権を濫
用しようとすれば、そこに幕僚長の意見具申と言う形で一定の圧力を行使する
ことが可能です。これまで問題だったのは、大臣の参謀としての機能を、実質
的に内局だけが担ってきたことであって、私はまずそこを是正すべきと思って
います。
もう一つ私が重要と考えているのは、指揮系統は常に一本化すべきと言う点で
す。軍人はたとえそれで命を落とすことになるような命令であろうとも、一旦
命令が下されれば、それを忠実に実行することが必要です。しかしながら2人
の指揮官がいるような状況では、命令を受ける者が精神分裂を起こしてしまい
かねません。
ご心配されるような事項をより局限するためには、例えば陸上自衛隊の総監部
の上に陸自総隊をつくり、陸自の運用部隊全体を統括する司令官を新設するの
も一つの案かも知れません。これであれば、陸上自衛隊の各総監の指揮官は、
防衛大臣ではなく、あくまでも総隊司令官になるので、指揮系統の一本化は保
てますし、陸自の部隊全般を見渡すことのできる指揮官が部隊指揮に介在でき
ることになるからです。
ただし、指揮単位が多くなれば、部隊運用に要する時間がより必要になってく
ることを考慮しなければなりません。要は、迅速性が必要な現代戦に適応でき
るかどうかを見極めることも必要でしょう。
(一読者)
●元記事
幕僚長から権限を奪う方向へ