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創刊2000年10月のメールマガジン「軍事情報」です。

防衛省改革会議に思うこと

time 2008/02/28

メルマガの再刊を心からお慶び申し上げます。
いみじくも、「防衛省改革会議」が行われ、これから防衛省の組織が一新され
るようとしているこの時期に、軍事情報様の新たなる出発の時期が重なったこ
とは、現在、我が国の軍事・防衛に関する諸々の環境が健全に発展していく過
程での結節点にあることの証ではないかと思っております。軍事情報様には、
今後の益々の御発展を祈念致しますとともに、軍事・防衛問題に関し、引き続
き私共への啓発をおこなって頂きますよう宜しくお願い申し上げます。


●さて、冒頭触れた「防衛省改革会議」についてですが、報道によると、石破
防衛相の私案では、内局と自衛隊幕僚監部を統合し、それぞれが有する「防衛
力整備」、「運用」及び「国会審議や説明などの渉外」の3部局に再編成する
こととしているようですが、私は改革的とも言えるこの案に基本的に大賛成で
す。防衛省・自衛隊が効果的に防衛大臣をサポートするとともに、自衛隊の各
部隊を適切に運用するためには、今の複雑な組織形態を大胆に変えるしか方法
がないと思っています。
石破大臣は、以前防衛庁長官だった時に、防衛省・自衛隊が複雑で融通の利か
ない「官僚組織」になってしまっていることを身をもって感じた方です。細か
なことは言えませんが、守屋前次官との関係でも色々とありましたので、今回
の一連の事件を受け、組織改革の必要性を一番感じているのは石破大臣かもし
れません。
言葉は悪いですが、石破大臣は「軍事おたく」と言われるだけあって、軍事・
防衛組織が「簡明」な組織でなければいざという時に役立たないことを熟知し
ています。そういう知見と前述した焦燥感が、今回の私案につながっているの
だと思います。防衛省の小役人による改革案は、どうしてもスケールの小さな
現状維持のネガティブな案になりがちなので、ここは是非石破案をベースに検
討して頂きたいと願っています。
●次に、石破私案について私見を述べさせて頂きます。
1. 国会対応は、背広組に任せるべきである。
自衛官も国会対応をすべきだと考えている方は多いかもしれません。自衛
官による国会対応の枠組みを作ること自体に異論はないのですが、背広組の能
力、他省庁・機関等とのコネクション、経験等を考慮すれば、私は、原則的に
餅は餅屋に任せるべきと考えます。そもそも、自衛官の役割を考えるに、政治
の世界に過度に首を突っ込むことは慎むべきです。武士は主君のため命を捨て
ることこそが役割であり、主君と議論をすることが役割ではなかったはずです。
また、制服組の高級幹部が野党議員の追求を受け、四苦八苦している姿を想像
してみて下さい。部隊の士気に悪影響を及ぼすのは必至です。裁判官が政治の
世界から独立して任務を遂行するのと同様、自衛官も政治の世界から一定の距
離を置き、ある意味、神聖な領域で任務を遂行することが必要だと思います。
2. 部隊運用は、制服組に任せるべきである。
昔、「馬鹿な指揮官、敵より怖い」ということが言われていましたが、部
隊運用に関する専門知識を有しない背広組が部隊運用に関与することは、これ
と大同小異です。また、仮に専門知識を有する背広組が存在したとしても、人
の生命をも左右する可能性がある部隊運用は、入隊時に「危険を顧みず任務を
遂行する」と宣誓した自衛官が行うことにより、運用される側が迫真性を持っ
てこれを受け止めることができるということを見逃してはなりません。現在、
内局は運用企画局という部隊運用を所掌する部署を有していますが、今後は、
この部署にいる背広組の人材を他の業務(例えば上記の国会対応等)に再配置
し、もっと有効な人材活用をはかるべきだと思います。
●以上、長々と述べてしまいましたが、基本的に言いたいことは「分をわきま
える」ということだけです。守屋前次官問題等防衛省関連の問題にかぎらず、
世の中の多くの問題(例えば建築事務所の構造計算書偽造問題、食品偽装問題
等々)は、各自が自分の役割をしっかりと認識していさえすれば起こらなかっ
た問題です。にもかかわらず、ついつい役割を超えて、自分の領域を踏み越え
てしまう人が多いのです。内局と幕の統合というと、背広組と制服組が渾然一
体となって同一業務を遂行するというイメージが浮かんできますが、是非、背
広組と制服組の「分をわきまえる」ことを忘れることなく、活発な議論を行っ
ていただきたいと願っています。
(一読者)
【080225配信 メールマガジン「軍事情報」(最新軍事情報)より】


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