SF映画『宇宙戦争』から侵略パターンを考える

(今回は、スペイン語講座の接続法に関するところもお読みになられることをお勧め
いたします。戦いにあたっての心理コントロールについて、興味深い内容であると思い
ます。)
先日の日曜日の夜、テレビでスティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演
の『宇宙戦争』が放映されていました。
見ていて面白かったのは・・・

今のどこかの国の政権なら・・・すぐさま宇宙人のところにこっそりと伺って、
「地球人の生命と財産は好きに使って良いですよ・・・何なら、いろんな税金の取り方
も考えて実行させていただきますし、宇宙人様にとって、あらゆる都合の良いことを
しますから・・・自分たち政治家を地球人支配階層として認めて欲しいでございま
す・・・」
とか言うのだろう・・・そして、それを「平和的に解決した」とか、「国民のために
やった」とか言ったことをみんなに”強弁”し始めるのであろう・・・と思って笑って
しまったことです。
この『宇宙戦争』の原作は、タイムマシンや透明人間の産みの親である、
かのH.G.ウエルズです。が、映画作品では、3度ばかりリメイクされていること、
また、アメリカ合衆国では、『第三の男』で有名なオーソン・ウエルズが昔、
ラジオ・ドラマのナレーションで放送したところ、放送を聞いた住民たちが本当に
宇宙人が侵攻して来たと信じてパニックを起こした・・・という話しはとても知られて
います。
ちなみに、パニック事件のその後は、アメリカでは裁判沙汰にもならなかったのです
が、南米のエクアドルでは同じことをしてみると・・・後で住民が怒り、放送関係者が
20名程度、住民により”ブチ殺され”ています。
あなたにとっては、このラジオ版のパニック事件の構造と体系(背景事情なども含め
て)を分析することで戦後日本における”マスコミ”による政権維持やら政権交替やら
の「何故」を観察するには大変興味深いものがあるでしょう。
日本はエクアドルと違って温厚なのか無抵抗なのか・・・情報拡散の当事者・責任者
に対する追求が興味深いところでありましょう。
この『宇宙戦争』ですが・・・
やはりアングロ・サクソン系のSF侵略ものといえば・・・やたらと人類を片端から
殺戮するタイプのものに仕上っています。
それは、本当に無差別であって、特定の対象を「消去」するという言葉がピッタリの
ものです。
アングロ・サクソン系のSF映画の地球侵略ものといえば、『宇宙戦争』が典型的な
のですが、それは、人類対宇宙人であり、人類=善 対 宇宙人=悪 という図式で
展開されています。そして、人類が手段はさておき必ず勝利する図式も指摘することが
可能です。
アングロ・サクソン系は、「新大陸」においては・・・まさに先住民を駆逐(映画の
中の宇宙人と人類の図式と同じ)していたことは周知のことであります。(『ラスト・
サムライ』のトム・クルーズが演じていたのは、先住民虐殺のトラウマを抱えてアル
コールに浸っていた北軍将校ではなかったでしょうか?)
これが、もしも・・・ラテン系(スペイン系)ならば・・・
それは、片っ端から人類を殺戮するのではなく、「地球の男」は強制労働か”宇宙奴
隷”か何かで売り飛ばすかして・・・「地球の女」には片っ端から”混血児”を産ませ
て征服を完遂・・・即ち、宇宙人とのハイブリッド人類が誕生して「新世界」が出来
上がるようなパターンになっていることと思われます。
これらのパターン分類は、それぞれの国や地域に見られる”歴史”を観察すれば誰で
も分かることでありましょう。
では・・・隣国系(支那系とか)なら、『宇宙戦争』のパターンはどうなるでしょう
か?
それは、今の日本を見れば理解できることでありましょう。
「将を射んと欲すれば、先ずその馬を射よ」なので、揺るぎなき民主主義システムの
代表的なものとして疑わない”選挙”によって選出された政治家の放埒、裏切り行為に
なすすべもない真面目な国民が多数を占める国には・・・
政治家を(多次元的多面的に)工作すればよい・・・となりましょう。
政治家=”為政者”が一国の交戦権に基づき戦争遂行を決定し管理するのですか
ら・・・
そして、あらゆることが”お上”からのお達しで従わざるを得ないようにされる
と・・・
これと同時進行で、数で定住者が増えたら・・・
今の日本は、日本史始まって以来の、それこそ映画のような派手な『宇宙戦争』では
ない、じわじわとした体感の出来ないような『宇宙戦争』のパターンであり、国の存亡
という危険な状態に直面していることをテレビ放映から学ばなければなりません。
そもそも、アングロ・サクソン系のSF地球侵略モノは、「間接侵略」において示唆す
る作品が多数あります。また、強大な知的レベルを誇る敵に対しても知恵を絞って努力
を重ね決心をすることで打ち勝てることを・・・無意識的に視聴者に刷り込むように
なっています。
荒唐無稽な事象から・・・意識することでいろいろと戦略、情報、兵法に関すること
は汲み取ることが出来るのです。
先ずは、「自分が意識することに気付くこと」・・・から始めましょう!