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14歳からの戦争学

time 2008/01/05

『14歳からの戦争学』
松村劭
株式会社エイチアンドアイ
2007/12/22発行

もしかしたら
おそらくあなたは、軍備の必要制・わが自衛隊が置かれている異常な状況に対
する認識をお持ちだけれども、「戦争は命を奪う」といった公私混同の感情論
に接するたび、その思いが揺れ動くのではないでしょうか?


今日は、そんなあなたのために、軍事の理解を図る上で
「絶対に抑えておかなければいけないポイント」
を手軽に身につけられる本をご紹介します。
この本は以下の思いから書かれたそうです。
<世界の学校では、義務教育の段階から、一般の学校において着実に戦争に
ついて教育している。それは、祖国の戦争の歴史とともに、祖国のために命を
捧げた人たちの物語やなぜ、戦争が必要何かを教えているのだ。
 本書は、国民として最小限度の戦争に関する常識を登山に見立てて若者達に
伝えたいと願ったものである。>(まえがきより)
「戦争」という名前は、「軍事」に置き換えていただいて差し支えないでし
ょう。
国家の真の独立、国民の真の国際化は武の理解から始まる。
私はつねづねそう考えています。
古の武士は、文武両道を理想とし、生涯励みました。
戦国時代の武将や幕末期の指導者などは、当時の国際社会でも超一級の人材ば
かりであったといえます。
なぜか?
武を理解し、自分のものにしていたからです。
名著「宮本武蔵」のなかで著者の吉川英治は「文武はふたつでひとつ道」とい
う名言を残していますが、まさにそのとおりで、いずれが欠けてもダメなんで
すよね。
現代の武とはなにか?
それは軍事です。
本著は全部で八つの項目から成り立っています。
「開講に当たって」から「第二講」までの3章が、いわゆる戦争・軍事に関す
る基礎知識の解説です。特に注目すべきは地政学について詳細でわかりやすい
解説がなされているところです。
「第三講」「第四講」は、幕末から昭和二十年の終戦に至るまでの現代史概説
です。
「第五講」「第六講」は、昭和二十年から現在に至るまでの核戦略の推移およ
び今後の見通しについて書かれています。
「再終講」では、若者に向けた四つの提言が書かれています。
この本の最も重要なエッセンスは、以下の引用部になるかと思います。
<「戦争の目的はよりよい平和を作るためである」>
<国際政治においては、「政治(法)と軍事(力)は車の両輪で対等な関係で
働く」とするのが世界の常識である。>
<一般に戦争を学んでみようとする人たちは、世界の著名な戦争論を手にとる。
『孫子』『戦争論』(クラウゼヴィッツ)、『戦争論ー間接的アプローチ』
(リデル・ハート)、『戦略提要』(ジョミニ)、『海上権力史論』(セイヤ
ー・マハン)などである。
 これらの書物の中心的課題は「勝利」である。しかし、これらの書物を読破
してわかったつもりになって、マスコミの人たちと議論すると「戦争は悪だ」
「なぜ戦争しなければならないのか」などの質問には答えられない。>
<戦争のすべてを理解するには、「勝利を獲得する」軍人の立場で戦争の仕方
の概要を学ぶ必要がある。それは「戦いの原則」に基礎を置いている。理外の
理を知っておかなければ、シビリアン・コントロールにおける政治と軍事の境
界がわからないということである。>
読み終わった今、思っています。
本著で説かれていることを、血肉化できている日本人は果たして何人いるだろ
うか?
逆にいえば、この小さい本一冊を自分のものとし終えたとき、あなたの視界は
一変するに違いない、と。
この小さい本には、少なくとも私が知りたいことはすべて載っていました。
あなたにも資するところ大変大なるものと確信します。
あわせてこの本の特徴は、「地政学の基礎」「現代史」など、軍事の基礎を養
う上で欠かせぬ分野がコンパクトかつ明瞭に学べる点です。
以下の目次をご覧いただいてもおわかりになるでしょう。
軍事・戦争の基礎について自ら学びたい。
それが新書一冊でできるんですよ。
真の意味での「軍事原論テキスト」といえる本です。
常々思うことですが、私が尊敬する退役将校の方の言葉「有機的な書物を読む
ことが大切」は本当に大事ことです。
知識や理論やイデオロギーを頭に詰め込むと、人間は動けなくなり、<下の句
が読めない>状態になってしまいます。
それには、本著でも述べられている「理外の理」を自分の手で掴み取ろうとす
る姿勢が必要です。
問い掛ければ答えてくれます。
ぜひ、余白に書き込みをしながら著者と問答しつつ読んでいただきたい本です
ね。
本著のような良書を、こんな手軽かつ安価に手に入れる時代になったことを
幸せに思います。
著者の松村さんは退役陸将補。
現在の肩書きはデュピュイ戦略研究所の東アジア代表、国際戦略研究所会員です。
九十四年から著述活動をはじめられ、「戦術と指揮」等、一般国民向けの著書
刊行を通じ、軍事の啓蒙にあたっておられます。ちなみに私がはじめて購入し
た自衛隊退役将校本は、この「戦術と指揮」でした。
本著を企画された株式会社エイチアンドアイ・熊谷さんの慧眼とご努力にも
敬意を表したいと思います。
おススメです。
今回ご紹介した本は
『14歳からの戦争学』
松村劭
株式会社エイチアンドアイ
2007/12/22発行

でした。
(エンリケ航海王子)
目次
はじめに
開講に当たって 戦争を学ぼう
 戦争を教えられない親たち
 戦争を考えられない子供たち
 世界の学校では「戦争学」を教えている
 「恋愛と戦争は何をしても正当である」
 人類は戦争を止められない
 平和を望むなら戦争を理解しよう
第一講 戦争が起きる国際社会の構造
 国家は地政学的に対立する
 海洋国家・・海が民主政治の起源である
 大陸国家・・大地と人手を囲い込む
 大陸国家と海洋国家の地政学的対立
 国家は国体の相違で対立する
 国家は「栄枯盛衰の理」に逆らって対立する
 「屈辱の平和は甘美ならずーー」
第二講 戦争のタイプを分類してみよう
 国際関係のインフラは「戦略関係」である
 「強欲は戦争の卵」である
 現状打破には既成事実を積み重ねる
 一番多い戦争のタイプ:限定戦争
 勝利のない制限戦争
 残虐な国内戦争
 通常戦型の全面戦争
 総力戦型の全面戦争
第三講 アメリカの対日戦争は何であったか
 アメリカ海軍の西太平洋進出
 アメリカの夢「中国市場」
 波濤の向こう側の仮想敵国:日本
 アメリカの選択「日米共同」か「日本制圧」か
 第一次世界大戦が残したもの
 中国の内戦に介入する日・米・ソ
 アメリカの代理戦争:日中戦争が始まる
 「狂った目算」第二次世界大戦
 総力戦に踏み切ったカサブランカ会談
第四講 全面戦争の敗北とは
 アメリカの対日占領政策
 敗戦が日本人に与えた課題
第五講 核時代における戦争論
 冷戦とは何であったか?
 冷戦時代の核戦略の変遷
 欧州分割から世界分割へ:一九四五年~四九年
 地政学的封じ込めの時代:一九五〇年~八五年
 軍事的封じ込めの時代:一九八六年~八九年
第六講 冷戦後の戦争
 崩れゆくヤルタ体制
 核拡散防止戦略
 古くて新しい戦争
 これからの戦争
再終講 若人への提言
 [提言1] シビリアン・コントロールの本質を知る
 [提言2] アメリカの戦争観を知ろう
 [提言3] 究極の国益を骨身に染み込ませよう
 [提言4] 武士道を学ぶ
今回ご紹介した本は
『14歳からの戦争学』
松村劭
株式会社エイチアンドアイ
2007/12/22発行

でした。
【080105配信 『軍事情報』(本の紹介) より】

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