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【第28講】 スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その6)

time 2009/07/04

孫子塾副塾長・孫子塾関西支部長
同志社大学/京都外国語大学・スペイン語非常勤講師
米田 富彦
http://espania.okigunnji.com/2008/06/post-1.html
ようやく夏らしくなってまいりました。7月は、1日から31日まで、京都では、
武闘派の神様であらせられる素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御祭りである
祇園祭が行われます。
クライマックスは、7月17日の山鉾巡行の方ではありません。
本当の祇園祭とは、17日の山鉾巡行が行われて、街が清められた後、八坂神社
から午後5時よりお出ましになる「神輿巡幸」なのです。八坂神社の神様が神輿
に乗られて街に入られるのです。これぞ祇園祭の本当の御祭りです。この17日
から24日の間は、四条寺町の御旅所に神輿が並べられますが、その間、無言で
7日連続お参りすると願い事がかなうと言われています。


・中御座(素戔嗚尊がお乗りになられます)
・東御座(素戔嗚尊がヤマタノオロチを征伐して娶られた櫛稲他姫命[くしい
なだひめのみこと]がお乗りになられます)
・東若御座神輿(この東御座には子供神輿がついて行きます)
・西御座(素戔嗚尊と櫛稲他姫命の子供さんたちである八柱御子神[やはしら
のみこがみ]がお乗りになられます。関東の八王子市の地名の由来もここにあ
りとかです)
実は、筆者は、中御座を担ぐ三若神輿会で参加しています。
みなさんには、間接的に「御神威のお陰」があるのです!このメルマガ『軍事
情報』を通じて、素戔嗚尊、牛頭天王の武闘派のフォースからパワーから、
何かがいただけることでありましょう。
筆者は、関西の生まれと育ちです。その本性云々は、さしずめ「上方牢人」と
いったところなのですが、みなさんは、「関西流の戦い方」というものの本質
について、一度、お考えになってみていただきたいと思います。
みなさんは、関西の生んだ偉大なる武闘派のお一人である楠木正成公をご覧下
さい。兵法の権化であらせられる楠木正成公の興味深い点とは一体何なのでし
ょうか?
元々、楠木正成公は、大阪は”河内”の御方である・・・ところもそうです
が、正々堂々とした鎌倉幕府の正規軍を迎撃した一連の籠城戦をはじめ、最終
的には鎌倉幕府が滅亡して「建武の中興」に時代変化(チェンジ!)するため
の戦略的な思考と行動を確実に実行していらっしゃった点ではないでしょうか。
楠木正成公の戦いを組織から見ると興味深い点が分かって来ます。
それは、鎌倉幕府の正規軍は、将軍を頂点とする主従関係の自覚やら自負心や
らをはじめ、組織構成員のプライドは当然として、同時に自らが所属する組織
内の分際と義務、また、戦いでの報償制度に与ることなど、所謂、政治担当者
と軍事担当者のプロフェッショナル化が進んだところがあり、「政軍関係」の
如きものの中で成立している武闘集団でありました。
そもそも、政軍関係とは、聞こえがよいのですが、結局、政治家にしても軍人
にしても、公的組織の輪から”離職”すると、その後は、一体何様なのか?と
いう点を絶えずクリアしなければなりません。
組織から離職しても己の本領を発揮するのがホンモノでもあります。
これぞ、狼、虎、獅子の類の歩む道であります。家畜の類には、頭では分かっ
ていても、身体では、残念ながら、決して歩むことが不可能な道なのです。
では、一方、楠木正成公の率いていた武闘集団とは・・・?
それは、「悪党」とか呼ばれた、現代風に表現し直すと硬軟併せ持つ「民兵」
組織であったのです。ここには、言葉からは、無法団体のような印象を受ける
ものの、限定された組織の義務や制度に組み込まれない「戦いでの自主性・主
体性」というものが見られます。この「民兵」組織が要するに、一方の強制的
実力(幕府という組織も日本を実力で仕切る一勢力です)に対して、別の強制
的実力で応じ、勝利したのです。
さすれば、淵源が米国である戦後の民主主義を金科玉条にしたデモクラシーと
いう政治制度、即ち、「デモ倉幕府」とも表現されるかもしれない現代日本の
政治制度に亡国の兆しを読み取られている「日本の民兵」を自覚するみなさん
は、さしずめ平成の「悪党」になり、時代変化(チェンジ!)を実践したいこ
とと思います。
そもそも、自分の人生を生きているのは自分であり、戦い(=人生)を行うの
は、全て自分に帰結して来るものです。義務や制度から強制されない自主性と
主体性から行われる戦いは、そこに「戦略の自由」がある以上、相手に対して
有利で強力であることは言うまでもない「理」でありましょう。むしろ、
「もののふのみち」とは、自主的・主体的に戦いを行じる者=これを「戦士
(サムライ)」と呼ぶのです。
そして、戦いは、全てが自己の”脳”に帰結するのです。「戦士脳開発」、
それは、孫子塾・通信講座( http://sonshi.jp/sub10.html )で学んでくだ
さい!男も女もみんな「ぶへんもの」(武辺者。本当は、みなさんのお名前の
漢字に武の”ヘン”が付いて新しいみなさんになって行くことですよ!)にな
るのが時代の流れというものです!
このためにも・・・孫子塾( http://sonshi.jp/index.html )で本格的な
兵法の素養を培い、戦略研究学会( http://www.j-sss.org/nyukai.html
で戦略・情報・兵站を極め、軍事史学会( http://wwwsoc.nii.ac.jp/mhsj/
で戦いの事例研究を深める・・・また、本講座で展開しているスペイン語も
間違いなくマスターする・・・全く言うこと無し!です。
では、今回も兵法思考に役立つスペイン語文法をがんばりましょう!
特に男性の方は、ここの専門用語を覚えて、飲みに行った時にでも使ってみて
ください。何かの効果がアルかもしれません。
(28)スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その6)
兵法、戦略・情報、地政学などの方法論として、構造主義言語学を学ぶことは、
大変有意義ですが、その発想の根底としてネタになっているのが音声に関する
研究なのです。先ず、慌ててパッと見ると「味の素」のように見える”音の
素”、即ち、「音素(おんそ。fonema フォネーマ)」について学んでください。
(バックナンバーも併せて読み直し、復習しましょう。)
・音声学と音韻論
言葉で使う「音」、即ち「音声」について、その成り立ち(構造)や仕組み
(体系)を研究する分野に「音声学(fone’tica フォネーティカ)」と
呼ばれる学問があります。この音声学とは、人が使用する言葉には、どのよ
うな「音」が使われているのか?そして、発せられる音がどのような特徴
(いろいろとあります・・・)を持っているのか?を研究します。
要するに、人間が言葉で使う”発音”を何語においてでも見られる「普遍的な
観点」から「科学」して見てゆくことであり、この関連分野に「音韻論(おん
いんろん (fonologi’a フォロノロヒーア)」といわれるものがあります。
・音韻論について
特定の「○○語」(例えば、日本語・・・とか、スペイン語・・・とか)の
中での様々な発音の間に見られる相互関係やその「○○語」の中で使ってい
る「音」を全体的に、関係を中心に据えて観察することです。全体的に、関係
を中心に据えて観察する・・・これを「体系」として捉える・・・と言います。
要するに「○○語」の中でどのような発音があり、どのような発音の組み合わ
せがあるのか、そして、その反対・・・、どのような発音が無く、どのような
組み合わせが無いのか・・・を観察するのです。
また、「発音」がその「○○語」の中で、どのような働きをしているのか?を
観察します。要するに、「○○語」は、「発音」をどのように使っているのか?
という角度から眺めて、その規則性や普遍的な性質をハッキリさせようとする
のです。
・「音素」の考え方について
この考え方は大変興味深いので、何回か反復して読み考えることをお勧めして
おきます。
先ず、単語の中に現れている「音」をよく観察して、それを最小単位になるま
で分解するだけしてみましょう。そして、最小単位に分けたら、その一部に
別の最小単位を持ってきて、そこに置き換える操作を繰り返して行います。
例)スペイン語: saca(サーカ) “彼は取り出す”
発音の最小単位は、/s/,/a/,/c/,/a/となります。
これの音の連続に、他の音の最小単位を置き換えてみて、別の単語が出てくる
がどうかを見るのです。
例)saca(”彼は取り出す”)
  s a c a  → f a c a “湾曲ナイフ”  s/f
    s a c a  → s e c a ”渇いた”    a/e
    s a c a  → s a l a ”広間”     c/l
    s a c a  → s a c o ”袋”      a/o
☆このようにして、発音を置き換えてみると・・・違う単語があらわれること
に注意してください。違う単語があらわれること=「差異」を調べる方法は、
発音を「置き換える」ことによってハッキリとしてきます。この置き換える
操作を専門用語で「置換(ちかん)」といいます。
この「置換」を行って意味が変わることを「対立」と言います。
そして、この「対立」する音の最小の単位を「音素」といいます。
“saca”は、このように置換で確認すると、/s/,/a/,/c/,/a/ という4つの
「音素」ら構成されている・・・といいます。
同じ音でも音素に成りえないもの、即ち、意味の対立が成り立たないものは、
「異音」といい、これを詳しく表記する際にIPA(国際音声記号→英語の発
音記号でお馴染みのものです)を使用します。そして、〔 〕括弧を用いて
その音を表します。
このような観点から、「○○語」で「発音」の異なり方をみるとき、一つの言
語が使っている発音の種類は、一定数に集約ができるのです。みなさんは、
日本語の発音の種類、スペイン語の発音の種類、英語の発音の種類と種類別し
て認識し、種類別して練習すると外国語がうまくなるのです。
・母音や子音の数の数え方
このように音韻論の考え方では、例えば、日本語の母音の数が5種類という
言い方は、母音文字を表すア、イ、ウ、エ、オがあるではないか・・・という
よりは、アキ(秋)、イキ(息)、ウキ(雨期)、エキ(駅)、オキ(沖)が
それぞれ対立しているのだ・・・という事実に基づいて、日本語の母音の数は
5種類ですよと言っているのです。観点が違うと一見して同じものでも、
実は、違ったものになるのです。
・音素についての整理
要するに、「置換することで、○○語の中で意味の相違が見られるもの」とい
うことになります。
何故、音素が認められるのか・・・とは、一つの音素があるということは、
同時に対立する音素やそうでないものがある・・・ということなのです。
人の世界でも、自分一人の立場を主張する時、少なくともそれに利害関係で
対立する人が一人は出てくるものですし、敵の敵は味方である立場もあれば、
何の関係もない立場もあるのです。
これと同じく、一つの音素を考える時、それは他の音素も存在していて、
その音素と何かの「関係」になっていることを考える必要があります。
この関係のことを「体系」(システム)と呼んでいます。
これは、「我思う故に我在り」というよりも、「他人がいるからその他人との
関係の中で私という者がいる」ということです。物事は、それに執着したり、
愛着を持つと、一つにこだわる(これを視野狭窄といいます)ことになり、
なかなか体系が見えて来ません。
これは、悲しき人間の持つ性(さが)といってもよいでしょうが、もう少し
冷静になって、この「体系」(システム)で考える習慣をつけましょう。
外国語も以上のような点を踏まえつつ、文法を学習すると本当に頭がよくなる
のです。学校英語では、言語学を専攻した本格派の先生が担当すると結構教え
てくれるかもしれません。が、大学の第二外国語(特にスペイン語など)を
はじめ、基礎からきちんと音声の理論から外国語というものを教えてくれる
機会はなかなかありません。
では、発音の実習ですが、声を高らかに出して練習してください。
前回、習得したスペイン語の母音から整理して行きたいと思います。
・スペイン語の母音の発音・実践篇
A アー 日本語のアと同じ音です。
aldea アルデーア 村、
Andaluci’a アンダルシーア アンダルシア地方
adoro アドーロ 熱愛
amor アモール 愛
alfe’rez アルフェーレス  少尉
E エー ・語頭、語中の場合はハッキリと「エ」と発音する。
esperar エスペラール 待つ
enamorar エナモラール 恋する
  defensa デフェーンサ 防衛・防御
  ofensa オフェーンサ 攻撃
・語末に来る E は、強く発音せず柔らかく弱く発音する。
conde コーンデ 伯爵
estudiante エストゥディアーンテ 学生
  teniente テニエーンテ 中尉(国によって違いあり)
I イー 日本語のイの音ですが、口は、横に引っ張り気味にします。
isla イスラ 島
hispa’nico イスパーニコ スペイン系の
  capita’n カピターン 大尉(国によって違いあり)
  si’ シー はい
O オー 日本語よりやや口を丸めて強いめに発音しましょう。
origen オリーヘン 起源
orgullo オルグーリョ 誇り
no ノ いいえ
soldado ソルダード 兵士
oficial オフィシアール 将校
hotel オテール ホテル
hospital オスピタール 病院
colonel コロネール 大佐
U ウー 日本語ウの舌の位置で唇をオのようにして発音ます。
usted ウステー あなた
usar ウサール 使う
uno ウーノ 一(数字)
nueve ヌエーベ 九(数字)
今回の「音素」の考え方は、少し難しいかもしれませんが、脳のトレーニング
として、先ずは、日本語の実例を試しつつ、英語でも実際にゲームとしてやっ
てみてください。そうすると、その体験が、今度はスペイン語でやってみると
きには違和感がなくなっていることでありましょう。
(つづく)


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