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【第25講】 スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その3)

time 2009/05/21

孫子塾副塾長・孫子塾関西支部長
同志社大学/京都外国語大学・スペイン語非常勤講師
米田 富彦
http://espania.okigunnji.com/2008/06/post-1.html
みなさん、お元気でしょうか?大人になってからの外国語学習とは、外国語の
単語や表現を憶える・・・というのではなく、むしろ、外国語の文法学習(外
国語の構造分析です!=相手の脳の分析でもあります!)をじっくりとその
“階段を一段ごとに踏み上る”ことで、自身の脳において、事象(”記号”と
いうもの全体)の観察角度を多面化・多次元化させ、より深く短い時間内に
相手の本質を分析し、相対する自分の真の姿を理解し、よりよき段階へと
「進み昇る」ことを可能とさせること・・・にありましょう。


誰にでもできるスペイン語を目指して、文法のシリーズを開始していますが、
いきなりスペイン語の単語やら表現やらを始めると、結局、どこにでもある
英会話教室と同じような印象も受けてしまいますし、筆者として、みなさんに
対してとても期待している高度な兵法的思考、戦略的思考や情報的思考という
ような「本来、日本人が外国語を学ぶという時に身につけなければならない
思考習慣」=外国語学習の本質といったところが発育しません。
よって、ゆっくりと進んで行きますので、慌てないで結構です!
(25)スペイン語文法入門―兵法的外国語学習への誘い―(その3)
前回は、外国語を学ぶ際、気をつけねばならない「4つの項目」がありました。
ア)音声面
イ)語形面
ウ)語順面
エ)意味面
の4つでした。みなさんが外国語学習で、思い浮かぶ言葉は、会話だ、コミュ
ニケーションだ、通じる外国語だ・・・とか、そのようなことがとても気にな
るところがあります。が、その中身とは、上のイ)とウ)の習得とあとは単語
の数になっているものです。
むしろ、外国語と聞いたら、条件反射的に会話とかいう言葉が出て来やすい
昨今の風潮は、何となく、「改憲」と聞いたら、すぐさま「九条」と条件反射
(=これが洗脳です)してしまうことと比較すれば、情報面での興味深い観察
につながると思います。
本日は、上にある4つの項目のうち、会話にもっとも関係の深い「発音」と
いうものがどういうものなのか、解説を勧めたいと思います。
・音声について
我々は、日常、口から言葉という「音」を出して会話をしていますが、その
口から出る「音」というものは、一体どのような”成り立ち”になっていて、
どのような”仕組み”となっているものでしょうか。
ここでは、自動車や飛行機のような機械やライオンやトリなどの「人」以外の
いろんな動物と区別して、「人」の口から出てくる言葉としての「音」につい
て考えてみたいと思います。
人以外の生き物も口から「音」を出しています。が、およそ、それらを飛行機
の音とか自動車の音、いわゆる”騒音” というものとは異なっているもの・・・
として捉えています。そして、それを「声」と呼んでいます。しかし、生き物
が出す「声」の中でも、人の口から出る「声」の方は、「言葉」として認識さ
れています。
単なる人が出す「声」のみを言うのならば、「雄叫び」、「悲鳴」、「うめ
き声」、「断末魔の叫び」...等もありますが、そのような種類の声とは、
生きとし生きるものとしての他の動物たちの出すものとさして変わりはありま
せん(もっとも、人が出す場合には、それらなりに意味を持っており、それな
りの効果を発揮していますが...)。でも、それらは「言葉」ではありませ
ん。
また、日本での「気合い」は、異なった性格のもので、その効果、効用など
話すとたいへん長くなりますので、またの機会にすることとします。
「言葉」として捉えられることのできる”人が口から出す音”は、実は、長い
短い、高い低い、大きい小さい・・・とかいうような外面的なことの他に、
内面的にはそれが「意味の通じるもの」として、その根底には、それが「記号」
として捉えられるものがあるから、初めて人の言葉として捉えられる・・・の
です。
この「記号」というものは、それぞれ日本語なりスペイン語なり英語なりに
個別の整然とした「骨組み」を持っています。そして、その個別の「骨組み」
を作り固めている細かい「ルール」に従い、「言葉」として組み立て、お互い
の考えや願望を相手に伝えたり、また、相手から伝えられたりするための
「道具」として、日常的には全く無意識に使っているのです。
この整然とした「骨組み」とそれを作り固めている「ルール」に従い成り立っ
ている言葉の基本とは、書いたり、読んだり、ということは二次的なものであ
り、それらよりは、先ずは、口から出る音なのです。この口から出る音・・・
を難しい単語を使って言うと「音声(おんせい)」といいます。
もともと、人の言葉というものは、昔は文字もなかったわけですから・・・
今のように書いたり、記録に残るようなものは一切なかったので、口に出す
言葉を第一として重んじ、また、「謹んで」使っていたのです。では、口から
出る言葉としての「音」がどうなっているのか、これから見て行きましょう。
・音声の原則
言葉の「音」は息を吐くことで出てきます。そして、言葉として音を吐き出す
ことを「発音」すると言います。空気を吸いながら・・・では、ある種の「音」
は出てきますが、それは「言葉」にはなりません。よって「発音」ではないの
です(アフリカのある言語には吸い込むという発音もありますが・・・)。
では、言葉としての音を作るところ、すなわち、「発音」をつかさどる体の
部分(器官といいます)についてもう少し見て行くことといたしましょう。
それは、体を患ったときにお世話になる呼吸器科や耳鼻咽喉科や歯科という
ような診療科目に関係のあるところです。以上がハード面です。
また、最も言葉に関して重要な体の部分=ソフト面とは、実は、「脳」なの
です。ここを患ったり負傷したりすると自分が誰であるのかわからなくなった
り、記憶がなくなったり、言葉がうまく出せなくなったり、たいへんな支障を
きたします。
しかし、それと同じくとても重要な役割を担っているところが呼吸器とか
耳鼻・咽喉とか口腔に関係する器官、すなわち、鼻腔、歯や舌、唇、歯茎...
なのです。ですから、口内炎が出来たり、歯を抜いたり、または負傷したりす
ると言葉が出しにくくなります。また、入れ歯を外すとフガフガ~となってし
まうのはこのようなことが原因になっているのです。
そして、呼吸をしなければ言葉を出すことはできませんから、それは、
すなわち「生命」(イノチ)というところへと言葉は関係して行くのです。
この言葉における「音」のことを”言語音”といって、同じ音でも”騒音”
とか”楽音”といった言葉ではない「音」と区別します。この言葉における
「音」について、その構造と仕組みを研究する分野に「音声学」と呼ばれる
学問があります。
・日本語と外国語の発音について
一般に、日本人が英語を話すとき、直ぐに「ああ、これは日本人が話している
英語だ」と気づくのは何故でしょうか?それは日本語と英語の「発音」が根本
的に異なっているからです。今度は、反対に、英語を母国語とするアメリカ人
やイギリス人が日本語を話しているのを聞いていて、「これは、外人が話して
いる日本語だ」と気づくのは、日本語が母国語の私たちが日本語とは違った
方法で出されている「発音」を聞き分けているからです。
人間の脳は、約十歳位で母国語の枠が定着(所謂、フォーマットです)するよ
うになっています。ですから、この時までにネイティヴ・スピーカーに習わせ
ると、発音はきれいにそのネイティヴ・スピーカーの通りに発音できるのです。
幼児向けの英会話教室とかがこれを狙っている訳です。
ですから、逆に、アメリカ人でも誰でも、十歳までの小さい時に日本に連れて
来て、一定の年数、例えば、大阪の下町ででも養育すれば、全くの「関西人」
が出来上がるわけです。しかし、我々は、英語を学ぶにしても、そのような
機会もなかったし、帰国子女でもないし・・・では、どうすれば、きれいな
外国語の発音や外国語の習得ができるというのでしょうか?
それは、『論理』で処理するのです。
体で・・・ではなく、今度は、大人になって賢くなった頭をつかって理知的・
論理的に外国語を勉強(”習う”というよりは・・・”勉強”なのです!)
することをするのです。
では、ここらへんで、何故、日本人の話す英語が日本語臭くなるのか・・・、
また、スペイン語を学習するにあたって、注意するべき点はどういうことなの
か、その根本的な原因を探ってみましょう。
→英語の発音の仕方と日本語の発音の仕方が基本的に異なっている。
→英語にはあるが、日本語には無い発音がある。
→日本語にはあるが、英語には無い発音がある。
→スペイン語にはあるが、日本語にも英語にも無い発音がある。
→要するに、発音の種類(要するに音の出し方)が違う。
ここのところをきちんと理解しなければなりません。そして、もし違うのなら
ば、その違うところを認識して練習して出せるようにしなければなりません。
次に発音が違う・・・ということについて、もう少し詳しく見て行きましょう。
発音の種類は、沢山あります。しかし、個別の日本語なり英語なりスペイン語
なりで使用する発音は、きれいに「当該の言語内での発音の規則」があって、
それぞれで決まっていて、そこからの逸脱(ルール違反や恣意的なこと)は
無いのです。
では、何故なのか。それは、その発音の組み合わせや連続というものと共に、
いつも『意味の区別』を作り出す機能が付いて回っているからなのです。
例えば、英語ではRとLを区別しますが、ということは、それぞれの音に
それぞれ異なる『意味の区別』を作り出すものが付いているのです。
英語を例にすれば、”collection”も”correction”も両方とも私たちが
日本語で発音すると「コレクション(ローマ字で転写すると:korekushon)
で済んでしまいます。
しかし、英語では、”l”と”r”は意味の違いを生じさせて”collection”
なら”蒐集(切手のコレクションの方の意味)”であり、 “correction”
なら”訂正”という意味になります。このような日本人にとっては、どうでも
よいような、あるいは、「微妙」とも感じられる「音の違い」を識別して、
その違いを練習して発音できるようにすることが必要になります。
そのためには、あらゆる外国語の発音も母国語の発音も好きだ嫌いだ、ややこ
しそうだ簡単だ・・・といった主観的なところから少し離れて、”客観的”
に眺めて観察する・・・ということが必要なのです。
外国語の発音が分かれば、母国語の発音もよく分かるのです。これは、有名な
孫子兵法に出てくる『彼を知り己を知る』ことの第一歩です。このことなくし
ての外国語の学習は考えられません。これは、兵法、戦略、情報というものは
他人のものや理屈や知識ではなく、本質的には自分自身を主体に展開するもの
であることと全く同じなのです。
日本人が普通、外国語の発音で困難を示すのは、外国語をそのまま母国語の
日本語の発音でやってしまうところにあります。このことは、例えで言うと
すれば、いわば、マクドナルドのような店に入っておいて、店員にお好み焼き
やたこ焼きを出せと言って、出てこないからお前の店の方がおかしい・・・
といっているのと同じ(このようなのを悪い言葉でゴロツキと言いますね)
ような「頓珍漢(とんちんかん)」なことをしているのです。おかしいのは、
場違い(=日本語で英語をやろうとごり押しすること)なことをいっている
自分の方なのです。
・外国語の発音の基本について
ここでは、日本語とスペイン語の発音の間にある基本的な相違点を重点的に
考えて学びましょう。
・母音(vocal ボカール)とは何か
母音とは、肺から気管を通って出てくる音が歯、舌等でこすれたり妨げられ
たりしないでそのまま出てくるの音です。
(vocal=声という意味です。)
・子音(consonante コンソナンテ)とは何か
子音とは、肺から気管を通って出てくる音が歯、舌等でこすれたり妨げられた
りする人為的な加工が加わって出される音です。
(consonante=con-共に、sonante=響く・鳴るという
意味です。)
・日本語の発音のしくみ
先ず、己を知れということで、外国語の発音がうまくなるためには、日本語の
発音がどのような成り立ちをしていて、どのような仕組みを持っているの
か...を知っておくに越したことはありません。常日頃、何気なく私たちが
使っている日本語の発音は、およそ次のようになっているのです。
ア.(母音)+(子音+母音)の連続になっています。
(ex. A-KA アカ、A-SA-HI アサヒ)
要するに『カナ』一文字分の発音が集まっているのです。
⇒このカナ一文字分に相当する音を「音節(si’laba シラバ)」と言います。
イ.語尾が母音で終わる、又は-Nで終わります。
(ex. sakura サクラ mikan ミカン)
(nは、カナ一字ありますが、日本語の子音でカナ一字あるのはこれだけです)
ウ.語頭Nの次に子音がこない。
(ex.. Nsa- Nka- こんな日本語の単語はありません)
⇒しりとり遊びは何故成立するのか?これで分かってきたと思います。
英語やスペイン語等の外国語は、日本語とは、異なった仕組みをもっているの
です。
例)左(外国語) ・ 右(日本語)
Madrid   ・  madoriido
Andaluci’a  ・  andarushiia
特に、子音が二重になっていたり、n以外の子音で終わったりするのが外国語
の特徴でもありますから、この点を自分で練習する必要が出てくるのです。
外国語の発音練習・・・それは、自分から相違点や特徴点といったところを
“意識”すること、ここから始まるのです。
次回は、スペイン語の具体的な発音に入って行きますのでお楽しみに!
(つづく)



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