【脚気と軍隊】新刊本のご案内


『脚気と軍隊』
荒木肇
こんにちは、
メルマガ軍事情報のエンリケです。
国内外多難のおりですが、
淡々と日々を送っています。
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■脚気と軍隊
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今回の新刊本は、
帝国陸海軍の秘史といってよい「脚気問題」を取り上げた本
『脚気と軍隊─陸海軍医団の対立』をご用意しました。
今生きる我々の感覚からすれば、笑い話に近い扱いを受けている脚気。
しかし当時は、原因不明だったこともあり、
いまでは想像もできない「悪魔」といって
差し支えない存在でした。
脚気の惨害は極めて大きなもので、
ある軍艦では兵員の1/3が斃れた事例もあったそうです。
本著は、そんな脚気惨害に全力で立ち向かった人たちの姿を、
彼らと寄り添いながら描き出した本です。
当時の軍事制度や社会風俗・常識・空気をたっぷり練りこんだ
本文を通じ、読み手は「脚気という悪魔」と直面させられます。
脚気問題を通じ、帝国陸海軍草創期の医学分野の歴史を
描き出した作品でもあります。
この本の流れは
ステップ1.脚気の基礎知識

ステップ2.帝国陸海軍における軍医の歴史

ステップ3.脚気をめぐる陸海軍の対立の概要

ステップ4.脚気の解決

ステップ5.論争した当事者たちのその後
この5つです。
歴史から学ぼうという際に守った方がいい基本的ルールは、
「歴史の真実を測る物差しをもつ」
ことで、
具体的には、
・先人と寄り添い、
・過去の時代の限界を、制度などを通じてわきまえる
こととなります。
この癖が身につけば、
歴史書を選ぶ目が養われるとともに、
歴史書や歴史関連の教養書から
今に活かせるエキスを
たっぷり吸収できるようになるでしょう。
最大の特徴は、
軍事制度や当時の社会風俗が詳細に記され、本文にたっぷり
練りこまれていることです。
他に類例を見ない詳細さと正確さで、荒木さんの面目躍如です。
事典として活用できるほどなのにうるさい印象がありません。
よみものとして楽しめます。

『脚気と軍隊』
荒木肇(著)
出版社:並木書房
出版日:2017年10月
価格2160円(税込)
エンリケ