小名木善行 :『ねずさんと語る古事記 壱』

古事記は、日本人の目に見えない最も大切なもの、
精神性の現像を形にした唯一の書で、日本人が立ち戻ることのできる
最も大切な書です。
古事記は日本神話の宝庫ですが、イデオロギーが支配する
戦後社会の中で無視されてきました。
神話は、その文明に生きる人々の潜在意識と密接にかかわっているとされ、
臨床心理学の分野では古事記の重要性が認められています。
しかし年を追うごとに日本神話は日本人の中から消えている感を持ちます。
そのため国民は、自文明に根付けない根無し草となりつつあり、漂流を
続けている、との印象を持つのは私だけでしょうか?
古事記を真に読むことができ、そのエキスをわがものに
できたとしたら、いかなる分野でも最高の日本人として
人生を全うできること請け合いです。
自分の中にある日本を確認したい方はもちろん、
次世代に祖国日本の魂の核を残したいあなたには必携と
いえましょう。
古事記は、単に人を救うという甘ったるい理想を満たすのみでなく
「国譲り」に見られる謀略、外交の駆け引き、「征伐」における
戦いの描写など、実に現実的かつ政治的な面(国を救う)を表現する
面ももちます。
人間社会の裏表を表現し尽くしている点で、古事記という作品は
わが国民の聡明さを無意識の世界で養っており、そのレベルの高さを
示すものさしになっていることは確かでしょう。
そのためか、インテリジェンスや戦略研究の世界でも古事記は重視
されています。
「古事記はインテリジェンスの教科書」というのが
元陸軍中将の故・飯村譲さんや、教え子で元海将の太田文雄さんです。
太田さんは『日本人は戦略・情報に疎いのか』のなかで、インテリジェンス面
からみた詳細な古事記分析をされてます。
ある面から見たら処世訓、ある面から見たら道徳書、ある面から
見たら謀略書、ある面から見たら政治書・・・きりがありません。
ことほど左様に古事記がもつ世界は無限で奥深く、尽きるところが
ありません。
さて今回紹介するこの本は、
著者のねずさんと一緒に古事記の神髄を読み解きながら
古事記のエキスを分かち合いましょう、という内容です。
「ねずさんと語る古事記 壱」
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著者のねずさんは、超有名ブログ「ねずさんのひとりごと」の管理人
さんで、ネットの超有名人です。
古事記に出てくる言葉の解説や背景説明があるので、
読んだあなたは、その他の人に古事記を分かち合えるようになります。
ここまで書いて、35年の年月を費やし「古事記伝」を通じて古事記を
復活させた本居宣長のことを思い起こしました。
そう、この本は現代の「古事記伝」といって差し支えのない内容なのです。
冒頭で安田先生が「学術的に価値がある」と、本編終了後、東大名誉教授
の矢作先生は「たいへん鋭い指摘」というかたちで評価されています。
学術面での評価が高いという点で、類書と一線を画す本なのです。
マンガや子供向けの本では少し物足りない。
そんなあなたにピッタリです。
会社、学校の図書室にはもちろん、
一家に一冊ぜひどうぞ。
「ねずさんと語る古事記 壱」
小名木善行 (著)
2017/3/15発行
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エンリケ