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モルデハイ・バルオン (Mordechai Bar-On)編・滝川義人訳『イスラエル軍事史』

こんにちは。エンリケです。

トランプ米大統領が、15日のイスラエルのネタニヤフ首相との会
談後にパレスチナをめぐる問題について、「わたしは2つの国家と
1つの国家の双方に目を向けている。両当事者が望む方が好ましい」
「ちかく画期的な和平案を提示する」と発言しました。

これについて宮崎正弘さんが<世界世論からの反撥が殆どないのは
奇妙である。>と4つのポイントを指摘していますが、そうだろう
と同感します。中東主要国はいま、自分のことで手いっぱいで、
よそのことまで気を回せないからです。

パレスチナ自治政府ができたのは、「パレスチナ国家とイスラエル
の併存という目標」に向けた一里塚的な感覚を持ってましたが、必
ずしもそうではないようです。

ひとつの国家というのは、連合国家・連邦というイメージなのでし
ょうか。それとも中共と香港のような「形だけの1国2政府」なの
でしょうか。よくわかりません。

さてトランプの会見記事を見てぱっと頭に浮かんだのが
「スコットランド独立」です。

今後、大英帝国におけるスコットランド独立の動きは加速するでし
ょう。EU離脱後の英国にとって厄介な問題になりそうです。

今後この件に英国はどう対応してゆくのか?
思えば大英帝国は、その昔パレスチナでしでかしたことのつけをス
コットランドで払わされるという皮肉なことになるのかもな、てな
ことを思いました。

パレスチナ問題、日本人は実はよく知りません。

イスラエルがやたら攻撃的で、かわいそうなアラブの人たちをいじ
めている、とか、その逆でイスラエルの姿勢に共感する、とか、
無限戦争の悲劇の地帯、一神教は困ったものだという情緒的な印象
がほとんどのように見受けられます。

実際かの地でこれまでに何があったのか?
現在に至る終始を冷静正確に捉えている日本人は、朝野を問わずほ
とんどいないようです。

そこで手に取ったのが、出たばかりの、モルデハイ・バルオン
(Mordechai Bar-On)編・滝川義人訳『イスラエル軍事史』です。

イスラエルの立場から、イスラエルとアラブの紛争を時系列で追っ
た軍事史で、この本を読んでよくわかったのが、
「大英帝国の委任統治領・パレスチナ」の時代に何があったか?が
パレスチナ問題を把握するキモではないか?ということです。

イスラエルの敵が時代とともに変わっている、という事実に、
パレスチナ紛争の複雑さが顕れているとも感じました。

序章が優れています。約30ページなんですが、ここを熟読するだ
けで、初めから現在に至るパレスチナ紛争の全貌を見渡すことがで
きます。

原著が出版されたのは2004年で、その後に起きた大きな動きが
原著には記されていません。そこで訳者の滝川さんが、2004年
以降の軍事史を補足しています。こういう細かい気配りがわが国で
出版される本の醍醐味ですね

編者のモルデハイ・バルオン(Mordechai Bar-On)さんは、
ベンツビ研究所幹事、ワシントン平和研究所及びベングリオンセン
ターの各主任研究員、ピースナウ運動の指導者として知られる方で、
シナイ戦争時のダヤン参謀総長副官、国防軍教育総監、国会議員等
の要職を歴任しています。

パレスチナをめぐる軍事史の全貌を把握できる内容です。
『イスラエル情報戦史』を読んでいたから、より楽しめたのかもし
れません。

おススメです。

『イスラエル軍事史』
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『イスラエル情報戦史』
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エンリケ

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