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日本人が入隊することで部隊にプラスになる————外人部隊の真実(9) 元上級伍長 合田洋樹

time 2016/03/09

日本人が入隊することで部隊にプラスになる————外人部隊の真実(9) 元上級伍長 合田洋樹

はじめに

 今回は日本人が多く入隊すると、外人部隊にどのようなメリット
が出てくるのか書いてみます。長く在隊している日本人部隊兵の
大半は、非常に規律正しく、責任感を持って仕事にあたり、問題
を起こすことはほとんどありません。

 これは日本人部隊兵全般に当てはまることですが、他国出身の
部隊兵よりも非常に真面目に勤務しています。もちろん脱走兵
は除きますが。

 日本人部隊兵の特長として、兵卒でありながらも非常に責任感
が強いことでしょう。他国出身の部隊兵でも、軍曹以上になると
多くの部下を持つことになるので、自然と責任感を持って仕事に
当たるようになります。しかし、兵卒の中で日本人ほど責任感の
強い部隊兵ほとんど見受けられません。

 多くの日本人は志願した時から、除隊するまで、真面目に勤務
するのです。やはり日本人は根が真面目なのでしょう。

 まれに日本人が問題を起こすこともありますが、それはアルコール
に起因することが大半です。ちなみに酔っ払って部隊兵どうしで
喧嘩することは「外人部隊兵らしい」ということで、あまり大きな問題
にされません。もちろん何度も同じことをすれば、部隊側も何らかの
対策を講じることとなります。

 最近の傾向として、他国の部隊兵の中に無責任な者が増えたよう
に思います。その背景には体罰が禁止されていることがあると
思います。私がまだ新兵だった頃は「ヘマをしたら殴られる」、これが
皆の頭の中にあったので、無責任な行動をとる者はほとんどいません
でした。しかし今は体罰はご法度で、ヘマをしても殴られることは
ほとんどなくなりました。それが無責任な部隊兵を生み出す一因に
なっているのは間違いありません。

▼日本人が入隊することで部隊にプラスになる

 第2外人落下傘連隊には現在、15名ほどの日本人が勤務しているが、
彼らの働きぶりを見ていると感心させられる。

 後方支援中隊に上級伍長として勤務しているMさんは、私の入隊
以来の友人だ。私より認識番号が1つだけ古く、1日だけ先輩である。
Mさんは仕事が生きがいのような人で、責任感の塊で、俗物的な考え
をいっさい持たない。自分のことは後回しで、まず仲間のことを優先する。
「大事な仕事を任されている」という強い責任感から、すべての仕事を
完璧にこなす。私が最も信頼する仲間の1人だ。

 叩き上げの幹部(元3尉、少尉)として、自衛隊で、16年勤務した
松下さんも連隊では知られた日本人だ。はじめは戦闘中隊にいたが、
「ここでは自分の時間を持てない。後方支援中隊に移って勉強時間に
あてたい」との希望で同中隊に配属された。

 松下さんも仕事に対する責任感が非常に強い。元自衛隊の幹部で
あったから、一部のバカで年下の伍長から命令されるのはストレスの
はずだが、すべてを受け入れ、日々の業務を精一杯こなしている。

 そういった彼らの様子を上級伍長以上の上官はしっかりと見ている。
「ゴーダ、マツシタはよく働いてくれるぞ、ボン・メック(いいヤツだ)!」と
何度も言われた。日本人が褒められるのはいつ聞いてもうれしいものだ。

 2人とも上官から絶大な信頼を寄せられている。兵卒でありながらも
彼らのように責任感の強い部隊兵は、他国の出身者にはあまり見られない。

 それまで、豊かな日本で生活し、なんの覚悟もなく志願して、簡単に
脱落する日本人が他国から必死の覚悟でやってくる志願者の居場所
を奪っていると思っていた。しかし必ずしもそうではなく、むしろ東欧や
発展途上国から来る連中は明らかに勤勉さにかけ、入隊した時点で安心
して慢心してしまい、部隊に対する恩義を忘れて不平を言うようになる。

 一方、部隊にちゃんと残っている日本人は愚痴の一つもないわけでは
ないが、他国の出身者よりもはるかに規律正しく、真面目に勤務している。
部隊兵の規律がゆるんできた今、外人部隊に必要なのは彼らのような
模範的な部隊兵だと思う。

 真面目な日本人志願者が入隊すればするほど、他国の不真面目な
志願者は、自然に淘汰され、部隊側としてもプラスになることは多いと
信じている。もちろん脱落しないことが前提であるが。

(つづく)

(ごうだ・ひろき)

【著者紹介】
合田洋樹(ごうだ・ひろき)
1978年神奈川県生まれ。都内の高校卒業後18歳で渡仏。
1997年フランス外人部隊に入隊。計17年半勤務し2014年11月除隊。
最終階級は上級伍長。在隊中は主に第2外人落下傘連隊に在隊し、
ジブチの第13外人准旅団にも計3年在隊。長い在隊期間中の約11年間
を後方支援中隊にて事務員として勤め、そのうちの5年半を警務課で
勤務。外人部隊を深く理解するうえでこの部署での経験が非常に役立つ。
『外人部隊125の真実』を出版。ほかに第2外人落下傘連隊についての
電子書籍版を執筆中。

《長期派遣歴》
1997年01998年ジブチ、2009年02011年ジブチ
《短期派遣歴》
1999年ボスニア、2000年ガボン、2001年ジブチ、2002年ギアナ、
2004年ジブチ、2006年ジブチ、2010年カタール、2011年ウガンダ

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