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外人部隊兵はいくら給料をもらえるか?ーー外人部隊の真実(11)

time 2016/03/23

外人部隊兵はいくら給料をもらえるか?ーー外人部隊の真実(11)

「軍事情報」読者の皆様へ

拙著「外人部隊125の真実」に多数のご注文をいただき、
まことにありがとうございました。
事前の反応も上々で、精魂込めた甲斐がありました。

なお、初版の印税は、外人部隊の養護院「ピュルビエ」に全額寄付する
つもりです。ご購入していただいた皆様には、本書に出てくる「元外人部隊兵
のための養護院」の運営に間接的に関わったと思っていただけたら幸いです。

養護院「ピュルビエ」のことは、こんごメルマガでも紹介するつもりです。

(合田洋樹)
————————————————–

 今回は現役の部隊兵がもらえる給料について書きます。
基本的にフランスの最低賃金は安いので、当然軍人の給料も
比較的安くなっています。

 フランス軍にはボーナスもありません、そのため元自衛官の
部隊兵は、「ずいぶん薄給だな」と思うようです。強いて言えば、
給料が1.5倍から2倍近くになる短期海外派遣がボーナスに
当たりますが、毎年あるとは限りません。一任期である5年間の
間に、3回もあれば良い方でしょう。それでも衣食住が基本的
に無料なので、金銭的な面で見れば、軍人は民間人よりも
恵まれた環境に置かれているといえます。

 さて、若い部隊兵の給料の使いみちですが、その多くは
週末の飲み代や長期休暇で消えていきます。私も若い頃は
散財しました。衣食住が無料である環境に置かれていると、
受け取れる給料はすべて「お小遣い感覚」となるので、在隊中
に一文無しとなっても「今そこにある危機」とはならないのです。

 大多数の日本人部隊兵も同じでしょう。実際に私がまだ若かった
頃の先輩で、コツコツと貯金しているような方は皆無でした。
落下傘部隊に在隊していた先輩たちは、みな男らしく豪快に
飲み食いし、休暇の時は豪遊していました。このようなお金の
使い方ができるのも、衣食住が無料の環境に置かれている間
だけと思うので、5年間まったく貯金をせずに豪遊するのも良い
経験になるかもしれません。

 しかし、老婆心ながらも私の経験から言わせてもらえば、
除隊後のために多少の蓄えは準備しておいた方が良いでしょう。
とくに今は世界的な不景気であり、就職してもあっさりと首を
切られる時代です。在隊中から除隊後の就職先の確保もせず、
一文無しで除隊すると、その後の生活に大きな支障をきたすこと
となります。

 実際にそのような元部隊兵を日本人ではありませんが、
多く見てきました。軍隊生活に嫌気がさして「こんなところには
いられない!」と啖呵を切って除隊したのは良かったのですが、
不景気なので就職先が見つからず露頭に迷ってしまうのです。

▼部隊兵はいくら給料をもらえるか?

 日本人の入隊動機がお金であることはほとんどない、日本で
働いた方が給与水準がよいのだから当然だろう。しかし発展途上国
からの志願者にとって、外人部隊に入隊することは一攫千金に値する。
自国では毎月3万円で暮らしていた者もいる。それが入隊すれば給料
は5倍以上になり、さらに海外派遣されれば、10倍以上にもなる。

 彼らのような部隊兵を「あいつらどうせ金が目当てだろ」と陰口を
たたいてはいたが、今の給料の5倍から10倍稼げると聞けば、
誰だって興味を持つだろう。

 ここでは外人部隊でどのくらいの給料をもらえるのか紹介したい。
私が除隊直前にもらっていた給料は月額で2679ユーロ(約36万円:
1ユーロ135円換算)。その内訳は、基本給が1727ユーロ(約23万円)
で、落下傘連隊の降下手当が726ユーロ(約10万円。勤続年数により
多少異なる)ついた。それ以外にも多少の手当がつく。

 ここからさまざまな社会保障費が源泉徴収(所得税は源泉徴収されない)
され、手取りは2260ユーロ(約30万円)だった。独身で扶養家族も
いない。駐屯地内に住んでいたので、生活費はほぼ無料だったので、
悪くない給料だろう。

 2等兵だと、いくらもらえるか? 基礎教育が終われば手取りで
1300ユーロ(約17万5千円)ほどだ。同階級の自衛隊2士の初任給
は16万円ほどなので、円安ユーロ高の現在、若干自衛官よりも給料は
よい。だが自衛官の場合はボーナスがあるので、年収では自衛官の
方が高い。フランス軍にはボーナスはないかわり、海外派遣手当が
ボーナスのようなものだ。

 注意したいのが、ユーロと円の為替動向だ。ユーロ圏の経済が堅調
だった2008年には1ユーロ=169円まで上がった。しかしアメリカ発
のサブプライムショックの影響で一気に113円まで下落。さらに2010年
に起きたギリシャに端を発する欧州危機の影響で、EUの経済は低迷し、
円高傾向になった。

 その後の2012年には1ユーロ=94円の超円高になった。
1ユーロ=169円の計算で私の最後の給料を計算すると、手取りで
約38万円。逆に1ユーロ=94円で計算すると、約21万円になる。
その差は約17万円。

 このように為替の変動で額が大きく変わるので、円に換算するのは
意味はないが、円安の際にはユーロを送金して円に替えておいたほうが
いいだろう。いずれにしろヨーロッパ経済を引っ張るドイツの動向には注意
が必要だ。ドイツがこけたらユーロの危機だ。その前に円や他国通貨に
替えた方がよいかもしれない。

(つづく)

(ごうだ・ひろき)

【著者紹介】
合田洋樹(ごうだ・ひろき)
1978年神奈川県生まれ。都内の高校卒業後18歳で渡仏。
1997年フランス外人部隊に入隊。計17年半勤務し2014年11月除隊。
最終階級は上級伍長。在隊中は主に第2外人落下傘連隊に在隊し、
ジブチの第13外人准旅団にも計3年在隊。長い在隊期間中の約11年間
を後方支援中隊にて事務員として勤め、そのうちの5年半を警務課で
勤務。外人部隊を深く理解するうえでこの部署での経験が非常に役立つ。
『外人部隊125の真実』を出版。ほかに第2外人落下傘連隊
ついての電子書籍版を執筆中。

《長期派遣歴》
1997年01998年ジブチ、2009年02011年ジブチ
《短期派遣歴》
1999年ボスニア、2000年ガボン、2001年ジブチ、2002年ギアナ、
2004年ジブチ、2006年ジブチ、2010年カタール、2011年ウガンダ



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