【外人部隊125の真実】最高の人生を生き抜くために

2019年2月22日

合田さんの新刊本は、
予想している以上にボリュームがありますよ。
コンテンツが豊富なことが最大の理由ですが、
もうひとつ、理由があります。
きのうのメルマガで合田さんもおっしゃってましたが、
写真がものすごく多いんです。
想像を超える量です。
それも、合田さんご自身が撮影されたものがほとんどですから、
アングルが一般の本と全く違います。
なんと、冒頭のカラー写真だけで16ページもあります。
版元さんによると「採算度外視で作りました!」とのことで、
どれだけ力を入れて作られた本かよくわかりますよね!
日本人兵の姿もたくさん掲載されていますし、
訓練中の一コマもあります。
わが国ではほとんど見かけることのない、
フランス軍の将軍のお名前や姿もわかります。
写真に接することができるだけでも
この本を手にする価値はあると思います。
外人部隊を伝える本としては誠に異色です。
この本を手に取ることで
等身大の外人部隊、外人部隊兵、外人部隊の日本人兵
のことがわかる一冊です。
軍務に関心がない人にとっても、
外人部隊というライフスタイルとはどういうものか?
が実によく伝わる作品です。
メルマガを発行して16年。
これまでいろいろな軍事関連本を読んできました。
そのなかでも、
この本ほど、維新的で新鮮な印象を受けたものは記憶にありません。
これまでの外人部隊本が、あまりにステロタイプだったせい
なのでしょうか・・・
第一章は、
外人部隊入隊前の心構え・準備について書かれています。
ひとことでいえば「かゆいところに手が届く」内容で、ここに書かれていることを
すべてクリアしておけば、外人部隊兵というライフスタイルの第一歩を踏み出せる
内容となっています。
合田さんをはじめ、さまざまな先輩が外人部隊に入り、
いろいろなものを見、いろいろな経験をする中で、後輩たちに残したエキスと
いえましょう。はぐくんだ歴史を伝承する内容です。何一つ無駄なところがありません。
第二章は、
外人部隊の歴史と部隊に関する解説、入隊後の生活、注意すべきことについて
触れられています。
現在外人部隊とよばれるのは、
1個准旅団、8個連隊、1個分遣隊、1個徴募隊
だそうです。
各部隊の詳細をわきまえておくだけでも、今後外人部隊について
話すときに違いが出ることでしょう。
いずれもフランス正規軍隷下に置かれており、傭兵部隊ではありません。
いかに新兵訓練を乗り切るか?
基礎教育の概要
バカにされたらどうするか?
など、
入隊から部隊生活になじむまでの間に直面するであろういろいろな壁。
それらをクリアするための経験者ならではの活きたコツを、具体的に惜しみなく
伝えています。麻薬は絶対ダメ、などの「べからず帖」もあります
パリ事件以降、兵員削減の流れが変わった、
とか、ネパール人志願者が増えた、など、
ビビッドな話題にも敏感です。
嬉しいのは、フランスの将軍について触れている点です。
フランス軍はわが国ではほんとうに身近ではありません。
ピュガ陸軍大将のこともこの本で初めて知りました。
余談。核武装国家フランスは、生命線といえるウランを
どこで採掘していると思いますか?
答えは、本著114ページをご覧ください。
無責任な部隊兵が増えた理由、という観点も非常に新鮮です。
日本もフランスも同じような問題を抱えてるなあと思います。
外人部隊と女性
に関する話題も3項目あります。
フランスらしいなと思います。
参考になるとともに楽しいですね!
第三章は、
日本人部隊兵に関する内容が主です、
186~190ページには「脱走」に関する一文があるのですが、
正直すごく意外な内容です。
なぜ意外と感じたのか?
自分の中に
「外人部隊」「軍隊」
に対するぬぐいがたい固定観念が残っている、
ということですね。
その他、「意外」を思わせる記述満載で、
すごく面白いです。
著者が力を入れて書いたことがよく伝わってきます。
外人部隊では、
戦技や体力より優先しなければいけないことが
あるんですよね。あまりに当たり前のことなのですが、
見えていない人が多いようです。
本著にはその答えがズバリ書かれています。
また、昨今入隊する日本人の質が落ちてきた
との指摘があります。国内企業や各組織でも同様の思いを持つ人は
多いはずです。
平均値の高さが最大の武器であった日本人の平均値が落ちてきた感を
私も持ちます。欧米型の「一部のエリートと多数の愚人」という
スタイルに向かっているようで正直不安です。
日本人として真の誇りを育むためにも、
外人部隊での生活、という選択肢はありだなと正直思います。
なおここでは、
合田さんが勤務された警務課や郵便係の仕事についても触れられています。
第四章では、
現役中に身につけておいた方がいい外人部隊というライフスタイルの
キモを伝えています。
本著の核心となる部分で、他に例を見ないアドバイスです。
どういう特技課程を選ぶと除隊後有利か?、
休暇をどう使うか?
家族が病気になって一時帰国しなければいけないときはどうするか?
国民年金は納めるべきか?
ファイナンシャルプランをどう立てるか?
保険金支払いの手続きはどうするか?
などなど、具体的なアドバイスや案内が満載です。
最後にある「恩給」制度は、合田さんもおっしゃる通り、
自衛隊も採用する必要があると思います。
現役の士気も上がりますしね。
そのためにも防衛予算大幅増額は不可欠ですね。
第五章(最終章)は、
除隊後の人生について書かれています。
最重要書類「セーベーセー」に関する解説。
大切ですね。
ここで合田さんは除隊者に「ある提案」をしています。
外人部隊出身者ならではのビジネスです。
まあ、この提案を読むだけでも本著を手に取る価値はありますね。
なかでも、有能な国際ビジネスマンなら絶対に見過ごすことの
できない提案ですからね。
自衛隊退官者についても同様のことを思いますが、
外人部隊出身者の退役後のつながりも強いようですね。
入隊したら、死ぬまで部隊が面倒を見てくれる。
こういう組織でないと、パフォーマンスの高い能力は発揮
できないでしょうね。
現在も外人部隊で活躍している方々、合田さんのように退役された方々
が、日本という祖国で活躍できるキチンとした職場ができればいいのにな、
と強く思います。
ライフスタイルとしての外人部隊を提案する書。
それがこの本
『外人部隊125の真実―戦士たちの知られざる世界―』
です。
http://okigunnji.com/url/77/
エンリケ
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目  次
はじめに 1
第1章 目指せ!フランス外人部隊 10
1 外人部隊兵の心構え(宣誓書)12
2 ミリタリー好きと海外へのあこがれ(私の志願動機1)14
3 1冊の本が進路を決めた(私の志願動機2)16
4 志願者に求められる最低条件 18
5 選考時のスポーツテストと必要書類 20
6 選考時の健康診断 22
7 学歴は求められない 24
8 大学を出てから外人部隊を目指すべきか? 26
9 最低限の基礎体力をつけてから志願しよう 28
10 外人部隊兵に求められる基礎体力の作り方 30
11 外人部隊は走る軍隊だ! 32
12 世界中にファンがいる日本の武道(入隊前にやっておく格闘技1)34
13 腕力がものを言う(入隊前にやっておく格闘技2)36
14 フランス語が上達しない日本人部隊兵 38
15 なぜ日本人はフランス語が喋れないのか? 40
16 他国出身の外人部隊兵のフランス語能力 42
17 基礎教育訓練で必要な能力とは? 44
18「死」を覚悟して志願する 46
19 両親や家族とは必ず対話の機会を持とう 48
20 息子が「外人部隊に志願する」と言ったら… 50
21 入隊前から除隊後のことを考えておく 52
22 目的にあった連隊を選ぼう 54
23 渡仏に際し持っていく物 58
24 いよいよパリの徴募所へ 61
25 オバーニュの本部連隊での最終テスト 63
第2章 現代のフランス外人部隊 65
26「質より量」の外人部隊創設期 66
27 後方支援連隊??外人部隊連隊(1)68
28 戦闘部隊??外人部隊連隊(2)71
29 フランス海外県の連隊??外人部隊連隊(3)74
30 フランス領外の連隊??外人部隊連隊(4)77
31 志願兵教育連隊カステルノダリでの生活 79
32 甘くなった外人部隊の新兵教育 81
33 気の合う仲間を見つけて基礎教育を乗り切れ! 83
34 基礎教育のプログラムの概要を知っておこう 85
35 なぜまわりの隊員からバカにされるのか? 87
36 東洋人に辛くあたる東欧出身の部隊兵 89
37 部隊兵が恐れる外人部隊の警務部「DSPLE」91
38 入隊時の「仮の身分」から本名に戻す 94
39 さらに厳しくなった入隊者の身元調査 96
40 今も受け継がれる「アノニマ(偽名)」制度 98
41 外人部隊が独身の志願者を望む理由 102
42 外人部隊への志願者数と入隊者数 104
43 パリ襲撃事件後、兵員削減の流れは変わった 106
44 なぜネパール人志願者が急増したのか? 108
45 書き直された「外人部隊兵の心構え」110
46 外人部隊出身の将軍たちの影響力 112
47 フランスの軍事作戦を支えるピュガ大将 114
48 ワインの飲み過ぎには注意しよう 116
49 麻薬には絶対に手を出してはならない 118
50 無責任な部隊兵が増えた理由 120
51 ジブチ勤務は「バカンス気分」? 122
52 外人部隊で最大の記念日「カメロン祭」124
53 宗教を超えた外人部隊のノエル(クリスマス)126
54 イブの夜は部隊兵の寸劇で盛り上がる 128
55 家族持ちが増えてノエルの意義が薄れてきた 130
56 外人部隊に女性を入隊させないわけ 132
57 女性外人部隊兵の誕生はあり得るか? 134
58 フランス人に頼りにされている「外人部隊」136
59 外人部隊兵はフランス女性にモテるか? 138
60 ソーシャルメディアと軍人の付き合い方 140
第3章 フランス外人部隊の日本人兵 142
61 日本人志願者の合格率は今も昔も高いが… 144
62 犯罪歴のある日本人でも入隊できる? 146
63 日本の「ワル」と世界の「ワル」の違いは? 148
64 日本人が入隊することで部隊にプラスになる 150
65 帰国後、警察官を目指したK君の険しい道のり 152
66 反日国家出身の部隊兵との関係 155
67 5年任期を超えて勤める日本人が増えてきた 157
68 最も部隊兵らしい日本人。文武両道の好漢 159
69 正規軍よりも知能指数が高い外人部隊兵 161
70 自衛隊を辞めたことを後悔する日本人部隊兵 163
71 部隊で活躍する元自衛官。決め手はフランス語 165
72 外人部隊の裏が見える警務課での経験 168
73 部隊の嫌われ者? 警務課という仕事 170
74 警務課はストレスの溜まる仕事 172
75 軍曹の危機を救った警務課中尉の熱い思い 174
76 ジブチの戦闘訓練所で過ごした充実の1年 176
77 最も楽な仕事で、最も退屈だった郵便係 180
78 郵便係に配属された本当の理由 182
79 部隊の活動を記録!連隊付きカメラマン 184
80 上官の信頼を裏切って脱走した日本人部隊兵 186
81 優秀であるがゆえに脱走する? 189
82 誰でもできる外人部隊兵の見分け方 191
83 部隊兵の中にも麻薬に手を出す者がいる 194
第4章 外人部隊の経験を将来に活かす 196
84 特技課程へ─入隊後も問われ続ける過去 198
85 希望する特技課程に進めないのにはワケがある 200
86 除隊後も役立つ特技課程は何か? 202
87 どちらを選ぶか? 週末の過ごし方 204
88 長期休暇は年間45日! 海外渡航する際の注意点 206
89 休暇で使える部隊専用の宿泊施設 208
90 長期休暇─第二の人生に備えて趣味を極める 211
91 長期休暇─フランス語を習得して活動の場を広げる 213
92 語学留学の心得─「英語も話せます」215
93 一時帰国の手続き─家族が病気になったら? 217
94 大災害が日本で発生したらどうするか? 220
95 若い時についた浪費癖は直らない 222
96 部隊兵はいくら給料をもらえるか? 224
97 誰もがうらやむ長期海外派遣 226
98 給与支払いの新システムが導入されて大混乱 228
99 日本人現役部隊兵は国民年金を納めるべきか? 230
100 日本人部隊兵向けのファイナンシャルプラン 232
101 部隊が認めればフランス国籍を取得できる 234
102 日本とフランスの架け橋になる 236
103 名前をフランス人風に変える? 240
104 フランス国籍申請を拒否されることもある 242
105 フランスのために血を流した者は自動的に帰化できる 244
106 圧倒的に高い落下傘連隊の負傷率 246
107 ケガをしたら決して無理はしない 248
108 入隊後すぐに生命保険に加入させられる 250
109 保険金の支払いを受けるための手続き 252
110 軍人の当然の権利、傷痍軍人手当の申請 254
111 ケガはしないに越したことはない 256
112 どこにいても死ぬまでもらえる軍人恩給 259
113 自衛隊も恩給制度を採用したらどうか? 262
第5章 除隊後のフランス外人部隊兵 264
114 外人部隊が発行する最重要書類「CBC」266
115 外人部隊の互助組織「アミカル」268
116 除隊後はスローライフを夢見る部隊兵 270
117 必要に迫られて危険な仕事に就く元部隊兵 272
118 除隊後の人生は在隊中から始まっている 274
119 途上国出身者の台頭で海賊対処の仕事も激減 277
120 日本人セキュリティ・マネージャーを目指せ! 279
121 世界に広がる外人部隊のネットワーク 281
122 外人部隊の老人ホーム「ピュルビエ」283
123 入隊から死ぬまで部隊が面倒を見てくれる 285
124 老後は養護院で働きながら余生を送る? 287
125 外人部隊のワインを日本人にも飲んでほしい 289
おわりに 291
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追伸
合田洋樹さん(元フランス外人部隊上級伍長)の新刊本(デビュー作)
『外人部隊125の真実―戦士たちの知られざる世界―』
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