陸上自衛隊第1師団


第1師団は、東部方面総監の隷下にあり、東京都練馬駐屯地に司令部を置く。東京都・神奈川県・埼玉県・静岡県・山梨県・千葉県・茨城県の日本の人口の約3分の1を含む、7つの都県の防衛・警備および災害派遣の担任地区としている。
 国民の負託に応えるべく師団は日夜厳しい教育訓練に励んでおり、多様化する自衛隊の任務(大規模地震災害への災害派遣・海外での国際貢献活動・緊急時の在外邦人の輸送など)への即応態勢に万全を期している。
編成
師団は、中核となる師団長と師団司令部(練馬)、師団司令部付隊(練馬)及び以下の部隊が、練馬・大宮・板妻(静岡県御殿場市)・北富士・駒門(静岡県御殿場市)・朝霞・立川の各駐屯地に展開している。
(*1)司令部の管理及び業務支援を任務とする旗本部隊。
練馬第1普通科(歩兵)連隊(5個普通科(歩兵)中隊基幹)、大宮第32普通科(歩兵)連隊(5個普通科(歩兵)中隊基幹)、板妻第34普通科(歩兵)連隊(5個普通科(歩兵)中隊基幹)、駒門第1戦車大隊(2個戦車中隊基幹)、練馬第1偵察隊、北富士第1特科(砲兵)連隊、駒門高射特科(高射砲兵)第1大隊、立川第1飛行隊、朝霞第1施設(工兵)大隊、練馬第1後方支援(輜重)連隊、練馬第1通信大隊、練馬第1特殊武器防護隊、練馬第1音楽隊
特性
 東京第1師団は、伊丹第3師団とともに、政経中枢師団と位置付けられている。市街戦が想定されることから、機動重視の編制となっている。また、首都師団であることから、即位の礼、国賓・公賓として訪日した海外の要人への礼砲および儀じょうなどの様々な国家的行事へも参加している。
略歴
1962年1月 編成
1995年3月 地下鉄サリン事件災害派遣出動
1996年6月 第32普通科(歩兵)連隊が市ヶ谷駐屯地で自衛隊初の市街地対テロ訓練を行う
1999年11月 第32普通科(歩兵)連隊が大宮駐屯地へ移駐
2002年3月27日 甲師団(定員9千名)から政経中枢師団(定員6600名)に改組。第1特科(砲兵)連隊及び第1対戦車隊を廃止し、第1特科(砲兵)隊及び化学防護隊を新編。また、4個の普通科(歩兵)連隊から重迫撃砲中隊を廃止し第5中隊を新編。
同9月 第34普通科(歩兵)連隊が米国で陸上自衛隊初の日米共同訓練を行う
2010年3月26日 第1化学防護隊を第1特殊武器防護隊に改編
2011年4月22日 第31普通科(歩兵)連隊を東部方面混成団隷下に異動。隷下3個普通科(歩兵)連隊に重迫撃砲中隊を再編。これに伴い定数は6300名へ削減。
2012年4月8日 練馬駐屯地で師団創立50周年記念式典を開催。
【参考】
現在の1師団担任地域は、帝国陸軍では、東京1師団(東京都・山梨県・神奈川県・埼玉県・千葉県 S15から近衛師団)、宇都宮14師団(茨城県・栃木県・群馬県 S15から51師団)が担任していた。
帝国陸軍の第1師団も衛戍地(*)を東京に置いていた。大東亜戦争では、フィリピン方面に展開した。
(*)陸軍部隊が永久にひとつ地に配備駐屯することを意味し、その地を衛戍地と称した。英語では Garrisonに相当する。