対特殊武器衛生隊が治療隊訓練を行なう

中央即応集団によれば、対特殊武器衛生隊が5/19~21にかけて朝霞駐屯地訓練
場で治療隊訓練を実施し、治療隊の行動要領を演練したそうです。
同部隊は朝霞駐屯地に所在し、英語名をNBC Countermeasure Medical Unit 
(NBCCBMed)といいます。集団司令官に「隷属」し、国内任務では各方面隊
を支援、中央特殊武器防護隊(*)と連携し、特殊武器(NBC兵器)の同定や傷
病者の診断・治療を実施するとされる医療部隊で、指揮官は1佐の医官です。
本年三月二十六日に編成が完結しており、現在101、102の対特殊武器治療隊を
隷下に持ちます
「隷属」についていまいちよくわからなかったので、専門家の方に伺いました
ところ、以下のお返事を頂きました。
<「隷属」とは、本来の指揮関係上は上位とはならない部隊の指揮下に恒常的に
入ることを言います。(一方、もとから指揮下に入っている状態のことを、
「隷下」と言います。)
従って、対特殊武器衛生隊は、もともと大臣直轄部隊か、方面直轄部隊として
編成された部隊であるところを、別命により中央即応集団に隷属することを定
められた部隊であるということになります。
●もし、方面直轄部隊として編成されたのであれば、この部隊は各方面隊に必
要な部隊として編成された可能性が強くなるので、今後は東部方面隊以外の部
隊にも同様の部隊が新編されることになるかもしれません。更に言うと、財政
事情等の観点から、この部隊を東部方面隊と中央即応集団にそれぞれ編成する
ことは、非効率であるとの判断をしたと言うことになるでしょう。
●もし、大臣直轄部隊として編成されたのであれば、この部隊を単独で大臣が
運用するよりも、中央即応集団の指揮下で運用する方が効率的であると判断し
たと言うことになるでしょう。(ただし、大臣直轄部隊として編成する理由は、
余りないような気もします・・・・・強いて言えば、これまでにない非常に特
殊な機能なので大臣(←内局衛生監)が直接関与したがっていると言ったとこ
ろでしょうか。)>
⇒あるサイトに記載されていた情報に、同部隊は今年の三月二十六日に大臣直
轄部隊として編成されたあと、集団司令官指揮下に置かれたというのがありま
した。事実かどうかはわかりません。(当該URLはいつの間にか接続不能になっ
てました)
事実であるとするとこの「隷属」は、大臣(背広官僚)が持つ「軍部隊への直
接介入志向」が図らずも顕れたもの、といって差し支えないかもしれません。
専門家の方もおっしゃるとおり、方面隊直轄なら軍事医療部隊としての意義も
分かりますが、大臣直轄というのはよくわかりません。
救世軍のような組織を軍内に作ろうとしているのでしょうか。
(*)中央特殊武器防護隊
前身は地下鉄サリン事件や東海村JCO臨界事故で出動した101化学防護隊。国内
任務では方面隊を増援し、特殊武器(NBC兵器)によって汚染された地域の偵
察および除染を行うとされる。本部中隊と2個特殊武器防護隊で編成。大宮駐
屯地に所在している。本年三月二十六日に改編。