権力の構図に思いを巡らせる

今回の山田洋行絡みの一連の事件は、間もなく守屋氏にも司法の手が入ることとなり、新たな局面を迎えるのではないかという気がします。

いずれにしろ、今回の一連の事件を防衛省の膿を取り除き、より実効性のある組織に変革するための機会として捉えることが必要でしょう。そう言う意味では、軍事的な知識が豊富でかつ現実的なセンスを持っている石破大臣に期待するところが大です。
ところで、なぜこの事案が今の時期になって持ち上がってきたのでしょうか。このような情報を持ち合わせている組織は、自ずと限られていますよね。そう言えば、次官になりそこねた西川氏は警察出身でした。今回の事件を防衛省の不祥事という観点で捉えることももちろん必要ですが、その背景にある権力の構図について思いを巡らせることも必要かもしれません。
小池元大臣との件がなければこのような事案が公になってはいなかったのではないかという話しも耳にしますが、久間元大臣や額賀元大臣など多くの政治家が疑惑の主として名を連ねていることを考慮すれば、現在の状況を政治家が主導したものとして捉えるのは必ずしも当を得ていないのではないかと思います。
今回の件で、国内政治上のパワーバランスは多少塗り替えられることになるでしょう。それによって、防衛省の行政組織としての力も矮小化せざるを得ないかもしれません。その影響が、実力組織としての自衛隊に及んでこないことを祈るばかりです。
(読者)
【2007/11/25配信 軍事情報】