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諜報機関の創設を望む – 日本列島波高し(8)

time 2005/10/28

英国秘密情報局本部

 知られたくない情報をとる
「主要国の中で唯一、対外情報機関を持たないわが国の諜報活動を強化するため、町村信孝外相の私的懇談会が16日までに、英秘密情報局(通称 MI6)をモデルにした専門の情報機関設置を提言した」という新聞記事が先週出ましたね。やっとこの機運が出てきたか、と嬉しい気持です。

 事情通?は今まで、秘密情報も90%まで公開情報の分析で読める、と言ってきました。これが従来「我が国に諜報機関は不要だ、リスクの割に得るものは少ない」と言う主張の根拠とされてきました。

でもこれは単に言葉のアヤですね。“90%”が情報の量なのか価値なのか不明ですし、残りの“10%”が本当はどんな内容なのか、諜報機関が無いのですから分かる筈がありません。よそ様から提供されるものは残り“10%”のうちのホンの僅かかもしれません。おそらくそうでしょう。

 知られたくない大事な情報は隠す方も真剣です。チャーチルの言ったように「真実はウソと言う名のボディガード“bodyguard of lie”に守られて」います。それを公開資料だけから浮かんでくるモザイクの断片を組み立てて読み取るのでは、「秘密情報からしか得られない残りの“10%”の画竜点睛に欠ける」と言うことです。わざわざ曇りガラスを通して見ているのと同じです。

真の独立国

 我が国が国策判断の基になる情報を他国に頼らずに自前で得ることこそ、真の独立国になる第一歩です。冷戦時代、ソ連その他の共産圏情報の殆どは米国に頼っていたので、米国の情報提供のさじ加減一つで我が国の政策が左右されることがザラにありました。

国内でデリケートな情報を扱う官僚達は、かねがね政治家達の守秘義務のデタラメに泣かされているので、苦労して得た情報は極力隠したがります。一方、政治家達の方も我が国の情報収集能力をあまり高く評価していないので自前の情報を積極的に活用する意識に乏しく、たまに米国等に外遊して情報ブ
リーフィングを受けて写真や地図を見せられるとビックリ仰天、言うことがコロリと変わる・・・こんなことが良くありました。

 米国は、当然ですが、貴重な情報になればなるほど容易には提供してくれません。そして自国の主張を通したいタイミングで、チラリと出してくるのです。北鮮の核情報などはその典型です。もし米国から貴重な情報を貰いたければ、それに見合うだけの価値ある情報をこちらからも提供できなければなりません。

「GIVE and TAKE」ですね。これは米国だけでなく国際社会の常識です。

秘密保護法のないわが国には信用がない

 これに加えて我が国にはさらに難しい事情があります。有効な秘密保護の法律が無いに等しいうえ、「仲間内で秘密を共有しないのは水くさい」という国民の風土があります。

したがって我が国はスパイ天国とみなされており、提供される情報は、相手(仮想敵)側に洩れても差し支えない段階まで秘密区分が下がったり、利用で
きるタイミングの遅れたものであったりしがちです。

有り体に言えば近所のお喋りおばさんと一緒で、信用がないのです。

《一寸寄り道:でもこれは最近の韓国ほどではありません。韓国から北鮮への秘密情報のジャジャ漏れはあまりにひどい(報道によれば「南北ホットライン経由で直接に流されていた」とのこと)ので、今や韓国は米国から全く信用を失い、これを日本の谷内外務次官がそれとなく韓国の国会議員に注意喚起したところ韓国中から逆ギレされたことが5月頃にもありましたね。》

どんな国にも知られたくないことはある

 我が国で諜報機関の創設に反対してきた人達の大きな理由の一つは、この「秘密保護法の強化により報道の自由が侵される(おそれがある)」点にあり
ました。でも個人情報の流出に神経を尖らせてその保護を口うるさく主張する一方で、自分達の属する国家の情報を隠すことに反対するのは明白に矛盾です。

外国に知られたくないことは当然あるわけで、国民の知る権利をむやみに主張することは即ち利害の反する相手側にも同様にすぐ知られ、国益を損ない、結局は自分達が損をする、という単純明快なことを日本のマスコミにもぜひ理解して欲しいものです。

 別の反対理由は「人権が抑圧される(おそれがある)」という主張でした。例えば、思想信条に基づいたスパイ活動や反政府活動でも、具体的な法律違反行為がなければ現在では犯罪にならないのに、諜報機関が出来れば陰に陽に秘密警察的な弾圧をするに違いない、という考え方ですね。

情報機関への理解不足

この問題は諜報機関(例えばMI6、CIA)と防諜機関(例えばMI5、FBI)の混同からくるものです。防諜機関は、国内で秘密が漏れないように様々な対策を講じると共に、スパイを摘発するのが仕事ですが、諜報機関は海外の情報を集めることが仕事です。

 しかも防諜機関としては既に警察の公安部門や公安調査庁が機能しています。むしろ困った問題は、満足な秘密保護法がないため、スパイ活動や反政府活動に現行のあらゆる法規を適用しても微罪にしかならず、彼等の暗躍に対する抑止効果が全くないことです。

動機が純粋に哲学的であれ、功利的であれ、国家情報を盗んだり漏らしたりすることは国民全体への裏切りです。世界標準では死刑になることも珍しくない行為に対しては、少なくとも盗んだ情報や行った活動が陳腐化するまでの長期禁固はやむを得ぬのではないでしょうか。

必要悪

 更に諜報機関による謀略や秘密工作を問題視する反対論もあります。小説や映画で興味本位に取り上げられることの多い分野です。しかしこれは地球村で生活していく上の必要悪でしょうね。

 国家、政府は「自国民に対しては」公平かつコンプライアント(*1)でなければなりません。しかし他国民に対して、その義務はありません。国際法や相互の条約に基づく関係国間の互恵(*2)であれば良いのです。

そして国際社会には表も裏もあります。もし某国が特務機関によって非合法活動を我が国で行っていたら、これも「お互い様」であるべきです。これは水面下の自衛戦争です。こちらも決して泣き寝入りするのではなく、それに対抗する実行能力を持つべきだと思うのです。

 繰り返しますが、国際社会はヤクザやマフィアの社会と同様です。正義も公正も自力で実現するしかありません。それが自力で出来る国しか友邦として国際社会に伍して行けません。

「普通の国になる」というのはこういうことだと思うのです。一日も早い諜報機関の創設が望まれます。

以上、ヨーソロの管見でした。



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