自衛隊だけが撮った2011.03.11

2019年2月6日

自衛隊は災害対処組織ではない。しかし、古今例を見ない、かくも甚大な災害に対処できるのは軍隊のみである。わが国で国際的に軍隊として通用する権威を持つ組織は、自衛隊ただ一つである。
他国と異なり、戦後日本からは「日陰者」扱いされている「自衛隊」は、これまで黙々と軍隊としての能力向上に精進し、すさまじく斬れる刀身を、目立たぬ汚い鞘におさめてきた。その持つほんの一部の力が今回の大震災で発揮された。
ただ、同じようなことを今後継続的にできるかどうかは疑問だ。理由はただ一つ。軍隊に必要な軍事インフラの整備を、戦後日本が行ってこなかったから、組織として力を発揮するための基盤が絶対的に不足している。瞬発的に対処することは、隊員の使命感などの精神力で賄うことができる。しかし、絶対的なパワー不足は、隊員個人レベルの精神力ではいかんともしがたい。