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最新兵器データで比べる 中国軍VS自衛隊

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今、水曜日の20:43です。

実は、今日の夕方、並木書房さんから本が届きました。

「いろいろ溜まっているし、週末ゆっくり読んで、来週にでも書こうか」
と思っていたのですが・・・・

袋を開いたのがいけませんでした。

「日本の防衛費を抜き、いまや世界第2位の軍事予算を持つといわれる中国人民
解放軍。両軍戦力の明らかな違いは、中国は核兵器を持つが、日本はゼロ。
通常兵器にしても、陸上戦力では明らかに中国軍が優勢で、数年後には海軍力
および空軍力においても自衛隊の戦力を凌駕するといわれます」

「本書は、核弾道ミサイルを日々増強し、原潜を持ち、空母保有を目指す中国
軍の実態を、わが自衛隊戦力と比較しながら明らかにした初のデータブックで
す」

とのご案内。

読まないわけにはいかないでしょう(笑)。

食事も忘れて一気に読みとおし、これを書くまでに、五回読みなおしました。

率直な感想を一言で言うと
「読んでよかった」
「こういう本が出る時代になったんだなあ。感無量」
ということでした。


●あなたはどうですか?

兵器本を読んで「これで軍事が分かった!」と会心の思いをしたことがありま
すか?

頭に詰め込んだ兵器知識が、国際情勢把握、国防のあり方、戦略・戦術の理解に
役立ったと感じたことはこれまで何度ありましたか?


●兵器に無知でいいわけないんですが・・

これまで何度もお伝えしたことですが、
おき軍事は、「軍事といえば兵器」という風潮に違和感を持っており、兵器に
関する著作はほとんど紹介していません。

戦後日本という風土で育った素人が兵器を詳細に知ったところで、軍事・国防
理解のためにはほとんど意味がない、と思っているからです。

兵器に無知でいいのか?
ということではありません。

国際情勢、わが国の現状、戦略戦術に対する視野や軍事常識がないのに、詳細
な兵器性能を知っても、活きた見識にはつながらない。
そんなことをしても、砂上の楼閣になるだけではないか?
順番が違うのではないか?ということです。

たとえば空母保有でいえば、
搭載航空機の数や速力、通信能力、武装なんてことより、
その持つプレゼンス効果、エバキュエーション(緊急退避)能力や航空機発着・
搭載能力が、軍事上何を意味するのか?
軍事的にどういう行動を可能にするのか?
保有することでどういう作戦が取れるのか?
保有がわれと敵の意思決定にどういう影響をもたらすのか?

それ以前に、本著でも述べられていますが、海自に与える任務自体に間違いが
あるのではないか?

といった根本的な国際共通常識・感覚があってはじめて「わが国に空母は必要
か?」という話し合いが成り立ちます。なければ、単なる揚げ足とりの愚劣な
罵詈雑言の浴びせあいに陥るのがオチです。

これは核武装も原潜も戦車も巡航ミサイルもすべて同じです。


●まさにここなんですよね

戦後日本に欠けているのは、まさにこの部分なんです。
兵器の性能以前にある軍事常識・感覚を育んでくれるもの。
これがいま、国民が軍事業界に切実に求めているものの本質なのです。

わが国は国民が主権者で、軍事国防について意思決定する人を選挙を通じて選
ぶ国です。
政治の場で国防軍事について、罵詈雑言の浴びせあいでなく、真っ当な話し合い、
意思決定をしてもらうには、国民自らが軍事識能を高め、真っ当な話し合いがで
きる政治家を選挙で選ぶ眼力を身につけなければなりません。

そのため、各種啓蒙活動が死活的に重要となりますが、
国民の軍事常識を啓蒙する、という観点から兵器を解説した作品は、知りうる
限りこれまでは存在しなかったといえます。

書店の棚に並んでいる多くの兵器本は兵器カタログであり、いわゆる「軍事オタ
ク」のたまり場と化しています。

しかし、
今何より大切なのは、日々地道に働き、乏しい時間を割いてわが軍事・国防を真
剣に考えている方々に、いかにして軍事をお伝えするか、ということだと思うん
です。そういう方からすれば、軍事に割ける時間は生活のほんの一部に過ぎず、
兵器カタログは退屈なだけなんですよね。知りたいことがかかれていないからで
す。

一体何を知りたいのか?
それは、「その兵器はわが国防にとってどういう意味合いを持つのか?」という
評価です。

それができるのは、プロとしての専門教育・訓練を受け、軍事コミュニティに
所属する軍人しかいないとも思っています。
現在の日本でいえば、自衛官及びそのOBのみであると考えます。

文系分野では退役幹部を筆頭とする各種言論が活発になってきました。
しかし、兵器分野での動きは、極めて緩慢です。

国民は、本当に軍事を知り、それを身につけたいんですよね。
それには兵器分野の啓蒙活動も不可欠なんです。


●これは快挙ではないでしょうか?

そんななか、
このたび、並木書房さんが、これまでに例のない画期的な本を出版されました。

ひとことでいえば、

「一般人向け 日本語版ジェーンズ年鑑+ミリタリーレビュー(シナ軍事版)」
自衛隊・軍事理解に役立つ、まえがきとあとがきも付いてるよ

といっていい本です。


先ほど述べました

・戦略・戦術・国際情勢との絡みのなかで兵器を解説している
・プロたる自衛官[軍人]の視点から兵器評価が行なわれている

はもちろんですが、その他にも

・核戦力にひとつの章が割かれている。
・シナ三軍(第二砲兵も)の編成が網羅されている
・わが自衛隊と中共軍の軍事力比較を行なっている
・兵器性能による比較のみならず、国家の意思決定・国力全般といった国家間分
 析に基く軍事力評価ができる構成になっている。
・わが自衛隊が置かれている深刻な問題点を余すことなく示している
・現状の被我兵器が種類ごとに比較・網羅されている

という、戦後日本の一般向け兵器啓蒙本に必ず含めてほしいと思っていた項目
が、余すところなく含まれたデータブックなんです。

兵器の解説の項目は多く、陸海空(シナは第二砲兵も)すべてを網羅しています
が、全ページ数はなんと205ページにすぎません。薄いです。
各兵器にはすべて、軍事初心者でも理解できるような形で解説とコメントがつけ
られてですよ。これには驚きです!

DRCが年次発行している「国際軍事データ」がマクロだとすると、
こちらはミクロを担当するに値する初のデータブックといえましょう。


●オススメは本編ではない?

この本でオススメなのは、「はじめに」と「まとめ」です。

先日「戦車無用論と新戦車開発」の小論をマガジンでお届けしましたが、
「まとめ」のなかで編著者は、戦車を保有する意義を分かりやすく解説していま
す。

軍事に無知な官僚が戦略もどきを振りかざし、やたらと軍備削減を実行するわが
国ですが、われわれの血と汗の結晶である税金は、このような国家弱体化への方
向ではなく、国防に役立つ形で、わが自衛隊に有効につかっていただきたいと思
いませんか?そのためにも国民は、この本を通じた知的武装が必要だと思います。

また本著では、
月曜日のマガジンでも少し触れた「軍民の産業協力」についても言及しており、
シナではすでに軍産複合体が生まれており、己の利益のために戦争をやりかねな
い、と警告すると同時に、「日本の防衛産業には熱意がない」と憂えています。

また、「シナは軍事的脅威である」「巡航ミサイルの脅威」「法的に軍隊とされ
ない自衛隊の実情」「各自衛隊のへの注文」といった内容もあります。

「まえがき」では、法律の枠内で軍事を扱おうとする、現在のわが国が持つ本質
的な問題点を、詳細かつ具体的に指摘しています。
ここで書かれている内容は国際常識で、国民必読の内容といえます。

担当の奈須田さんは
「単なるデータブックに終らないよう、とくに「まとめ」を書き足してもらい、
問題提議したつもりです。」とおっしゃっておられましたが、この「まとめ」こ
そが、本著を同種の書籍とは全く異なる次元にまで高めたような気がします。


●破って再構成しました

私は、この本の「まえがき」と「おわりに」を破き、ホッチキスで止めて別冊に
しています。各論を読み進める上で、この別冊の同時併読が非常に役立つと感じ
るからです。

真似してくださいとはいいません。
でも、それだけ、「まえがき」と「おわりに」は出色の内容となっています。

とはいえ、本編のデータ部分も、読み応えは十分ですよ。
知らなかった知識や、裏の事情などを知ることができ、プロならではの解説に
嬉しくなります。


●要望

ひとことです。
年次で発行し、毎年アップデートしてください。
この本が「2007年版」になれば、これほどうれしいことはありません。


●とにかく嬉しいです

長々と書いてまいりましたが、
とにかく嬉しいです。

全中共軍の編成と装備のデータブックは、おき軍事が長く求めていたものとい
う面もあります。しかしそれ以上に、「まえがき」と「おわりに」が嬉しかった
ですよ。これがあることで、読み手と作り手の距離が一気に縮まった感を受けま
す。


ワールド・インテリジェンスさんのインタビューで私は、
弊メルマガを
「文系のための軍事情報」
と表現しましたが、

この本は

「文系・素人のために書かれた」
「有機的な形で編集されている軍事データバンク」
「だから読んで身につき、視野が広がる」

本邦初の純軍事本といって過言ではありません。
兵器本というのは失礼、と思えるほど画期的かつ独創的な作品といえましょう。

ぜひお手元におき、読んでください。

すべての皆さんにオススメします。
ぜひお求め下さい。

(エンリケ航海王子)


今日ご紹介した本は

『最新兵器データで比べる 中国軍VS自衛隊』
 かのよしのり 編著
 並木書房


でした。

目次

はじめに
 中国軍と自衛隊、この二つの奇妙な軍隊

パート1 核戦力
 中国の核戦力
 中国の弾道ミサイル
 第二砲兵の配備
 戦略原潜と潜水艦発射弾道弾
 戦略爆撃機
 日本のミサイル防衛
 弾道ミサイルの探知
 弾道ミサイルの迎撃
 日本は核保有国になれるか?

パート2 陸上戦力 中国陸軍VS陸上自衛隊
 中国陸軍の編成
 七つの軍区
 集団軍の編成
 自動車化歩兵師団の編成
 陸上自衛隊の編成
 拳銃
 サブマシンガン
 小銃
 狙撃銃
 機関銃
 重機関銃
 グレネードランチャー
 迫撃砲
 無反動砲
 肩撃ち式対戦車兵器
 対戦車砲/中国軍
 対戦車ミサイル
 野砲
 自走砲
 多連装ロケット
 高射火器
 携帯対空ミサイル
 短距離対空ミサイル
 中・高高度対空ミサイル
 戦車
 装甲車

パート3 海上戦力 中国海軍VS海上自衛隊
 中国海軍の編成と主要基地
 海上自衛隊の編成と配置図
 中国海軍VS海上自衛隊
 潜水艦
 駆逐艦
 フリゲイト
 ミサイル艇・哨戒艇
 揚陸艦
 対艦ミサイル

パート4 航空戦力 中国空軍VS航空自衛隊
 中国空軍の編成と航空基地
 航空自衛隊の編成と航空基地
 戦闘機・攻撃機
 爆撃機
 輸送機
 空中給油機
 早期警戒管制機・電子戦機
 航空機搭載ミサイル
 巡航ミサイル
 航空用爆弾
 ヘリコプター

まとめ
 日中もし戦わば・・・

【090921配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

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(投稿日:2007年9月21日 12:55
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