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最強軍用銃 M4カービン

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兵器の性能評価で一番大切なのは、「MAX」ではなくて「MIN」すなわち、
最悪の条件下でどの程度使えるか?ということです。

これを試すことが出来るのは戦場だけですから、武器評価は軍人しかできない
といえるでしょう。

国際社会で武器取引は、国家間の戦略関係を育てる上で極めて重要な政策とさ
れており、これは「日本の常識は世界の非常識」を示す典型的な一例となって
います。

武器の世界は、一般の人間が軍事を理解するうえで必須ですが、最大のハード
ルとなる部分です。一件とっつきやすそうですが、軍事ワールドの中では最も
難解な分野といって過言ではないと思いますね・・・


■さて今回ご紹介するのは・・・

日本生まれ日本育ちの米軍将校が、日本語で分かりやすく記した
「軍用小銃 M4カービン」の取扱説明書です。

はっきり申し上げて、とても読みやすいです。

特に、防衛産業[軍需産業]に関係する技術者や商社関係者、そして兵器本にう
んざりしている私のような方々におすすめできます。

なぜかといえば本著は、
「M4カービンという軍用小銃を俯瞰できる本」
として構成されているからです。

著者は、米陸軍の飯柴智亮中尉です。

飯柴中尉は1973年生まれ。19歳で渡米し北ミシガン大学でROTC
(予備士官訓練部隊)を終了。99年に米国永住権を取得後陸軍に入隊。
82空挺師団に所属し、03年アフガンで「不朽の自由作戦」に参加。
アフガンではM4カービンを手にタリバーンと戦っています。
同2003年に米国に帰化し、04年少尉任官。06年に中尉に昇進してい
ます。

ここまで書いたらお分かりの方もおられるでしょう。
今回ご紹介する本は、
『第82空挺師団の日本人少尉』並木書房
著者の第2作です。

中尉になって戻ってきました!


■個人的な話を・・・

実は私は、巷で山のように出回っている「兵器カタログ本」が苦手です。
5ページと読めません(笑)。

しかし今回ご紹介する本は、そんな私でも読了できた稀有な本だった、
ということをまずお伝えします(笑)。


■最大の特徴は・・・

先ほども記しましたが、本著の最大の特徴は、「軍用小銃 M4カービン」
のすべてを分かりやすく解説している点にあります。

製造・装備・運用・整備・訓練・基礎知識

これらが薄い本一冊の中に見事に収まっています。

目次を紹介します

第一章 M4小銃の基礎知識
第二章 M4小銃の整備
第三章 M4の弾薬5.56mm弾
第四章 M4のセットアップとカスタム
第五章 M4小銃の製造工程
第六章 光学照準器・夜間暗視装置
第七章 M4小銃射手の装備
第八章 ゼロイングと弾道
第九章 キャリーポジションとレディポジション
第十章 立射姿勢
第十一章 膝射姿勢・座射姿勢
第十二章 伏射姿勢
第十三章 リローディング
第十四章 マルファンクション・クリアリンク
第十五章 実射ドリルと射撃試験
第十六章 ログブックと射撃記録
第十七章 未来の制式小銃


■なぜM4カービンなのか・・・

M4カービンは現在、米陸軍が特殊部隊を中心に制式小銃として採用していま
す。わが陸上自衛隊の制式小銃は94式ですが、特殊作戦群はM4を採用した
と聞きます。イタリアやカナダでも精鋭部隊が採用したと言われています。

著者はまえがきの中で

<本書は海外での任務に赴く自衛官へのアドバイスの意味も含んでいる。自衛
隊の正式採用小銃は89式小銃だが、口径はM4と同じ5.56mmNATO
弾であるため、本書のかなりの部分が参考になるはずである>

と述べています。

これは本著発行の目的をいみじくも吐露したことばのようですが、本著が現場
の方の参考になる内容を持っていることは間違いないでしょう。

また著者は
<現場で働くプロたちの、少しでも助けになれば筆者としてこれ以上嬉しいこ
とはない>と記しています。

このことばは、「本著が伝えるもの」を見事に表現したものと思いますね。


ここでご紹介した著者のことば、そして先ほどの私の感想をごらん頂いてもお
分かりのとおり、本著は「カタログ的な趣味本」と一線を画した、真の意味で
の武器本と言っていいでしょう。

編集者の企画力と着眼点の鋭さに大いに敬意を表したいと思います。


■わが自衛隊・・・

ネパール派遣が既に決まっていますが、防衛省昇格とともに、わが自衛隊の国
際貢献活動は基幹任務のひとつとなりました。現在の世界を見ますと、陸戦は
より属人化・小規模化しており、個人レベルの能力の高さが過去とは比較でき
ないほど要求されるようになっていると思われます。

ですので、常に手にもつ小火器の重要性も、非常に高くなっているような気が
します。

当然の話ですが、
陸自も他国陸軍と同じく「銃の分解⇒組み立て」をすべての隊員が訓練で行な
っています。銃の性能を維持するためには分解して、綺麗に掃除することが必
要なんです。

以下は、この件について以前伺ったことです。(ふと思い出しました)

わが国産小銃は、性能は優秀だが部品がむやみに多く、「分解⇒組み立て」に
非常に手間がかかる。だから現場ではものの役に立たない。その点米軍の銃は
構造が簡単で扱いやすい、とのことでした。

最初に書いた「「MAX」よりは「MIN」」を裏付ける言葉です。

訓練時に、薬莢の数合わせに翻弄されている陸自が、海外任務に十分なだけの
訓練量をこなせているとはとても思えません。そんななか、実体験に基く現役
軍人の手になるアドバイス本が出たことは、有益なことではないでしょうか。
(米特有のおしつけがましさは感じますがね(苦笑))


■武器を知ること・・・

本著のような解説書で武器を知るのは、われわれのような一般人にとっても、
とても有益です。

生産工程や整備の詳細、訓練の内容、戦場での使用といった解説を通じ、
兵器は我々と縁もゆかりもないところで扱われているのではない、ことを感じ
させてくれるからです。

武器輸出の問題を把握・理解するためにも武器理解は必要です。
本著のような、信頼できるプロの手になる兵器紹介書がもっともっと必要だと
考えます。

わが自衛隊の武器を知るのはわが自衛官です。
現役の方が武器解説書を出す日を、楽しみに待っています。

並木書房さん、期待しています!!


追伸
実はこの本、まえがきに非常な読みごたえがあります。
ここを読むだけでも、手に入れる価値、あると思います。


(エンリケ航海王子)


今回ご紹介した本は


『最強軍用銃 M4カービン』
 飯柴智亮(著)
 並木書房


でした。

【070216配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

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(投稿日:2007年2月16日 14:36
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