軍事情報トップ  »  本の紹介  »  そして、日は昇った!

そして、日は昇った!

メルマガ登録・解除
軍事情報
読者登録規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

「わしら実務家はな、止まるわけにはいかんのや。何があろうと前に進まな
あかん。でも、もしかしたら、わしらが進む方向は間違ってるかもしれん。
そんなとき、冷静に納得いく形でアドバイスしてくれるんが評論家の役割やと
思うんや。でもそんな奴、ほとんどおらんわ。●●●なんか、メチャメチャや
ないか。ようあれでメシ食えてると思うわ・・・」

上の言葉は、わたしの相場の師匠が8年程前に口にした言葉です・・・


■著者のこと

増田俊男さんは、おそらくわが国で最も有名な経済評論家でしょう。
講演をお聞きになった方も多いと思います。

増田さんといえば、まず耳にするのは「予測の的確さ」です。
イラク戦争の勃発、日本の好景気なども見事に的中させてます。
船井幸雄さんが「的中率は100%」といったこともあるくらいです。

慶大卒業後、1962年に東急エージェンシー入社。1965年に同社を退社
して独立。1974年に渡米し、20年にわたり全米でビジネスをされ199
5年に帰国。現在は時事評論家として活躍中です。

増田さんは、米に行ったときも帰国後も裸一貫からスタートして成功者になら
れています。「根性」と「実体験」あふれる叩上げの人といえましょう。


■的中率100%?

実はわたしは、増田さんのことを8年程前から存じ上げています。
先に紹介した師匠のことば「ほとんどおらんわ」は、「信頼できる評論家がい
る」ことの裏返しなんですが、その評論家こそ増田さんだったんです。

小豆相場のプロだった師匠は、「経済は増田俊男、あとは強いて言うなら高橋
乗宣やろな」とよくいってました。(よく考えると、増田さんは95年に帰国
されてから本格的に評論活動をされているはずですよね。ということはデビュ
ー当初から、プロに注目され評価を受けていたことになります)

こういう環境で著書に接したせいか、わたしは「的中率100%」という感覚
で増田さんの著書を読んだことは一度もありません。

相場のプロの世界で「当て物屋」という呼称は蔑称でしたから、師匠が信頼す
る経済評論家が「当て物屋」なはずないんです。
本の内容も、「当て物」を目的とするものではないですしね。


■ではなにが・・・

的中率でないなら、何を増田さんの本から読み取るの?
というご意見があろうかと思います。それはごもっともです。

実はこれ、ひとことに凝縮されます。

増田さんの多くの著書すべてに流れているテーマ、
そして読み手が読み取り、会得すべきこと、

それは、

「資本の意志」

なんです。


「資本の意志」を正確に理解し、会得することなしに、
日米関係、世界の動きを把握することは不可能である。


増田さんは、このことを著書や講演活動を通じて繰り返し繰り返し日本に訴え
ているんです。


増田さんは金融のプロでもあります。
いわゆる「金儲け本」も出されています。

硬派の時事本とは少し毛色の変わったこの種の本に違和感を感じる方も多いで
しょう。

しかしわたしは、ここにも「資本の意志を把握してほしい」という氏の願いを
感じます。同時に、「相場の実戦を通じて、膨大なわが国富を少しでも日本人
の手で守れるよう、スキルを上げてほしい」との願いも感じます。


■米軍再編と今後の日本

さて今回ご紹介する『そして、日は昇った』は、増田さんの最新刊です。
全目次は最後に紹介します。

北鮮核問題から始まる本著には、今のわが国が抱える課題がすべて網羅されて
いるとの感を、まず受けました。

中でも注目すべきは「米軍再編への協力こそが、現在の日米同盟にとって最も
重要なこと」と指摘しておられる点です。

これにはまったく同感します。


■中共の崩壊・・・

文中でも触れられているとおり、現在わが国にとって最重要の課題は、
「中共の一党独裁体制が崩壊するのはいつか?それにわが国はどう対処するの
か?」ということです。

各界の意見を総合すると、その時期は2010年の上海万博終了後あたりでほ
ぼ一致していますよね。時間がありません。

増田さんは、米国はすでにそのシナリオを作り上げていると見てます。
ざっくりいえば、

1.シナ経済の崩壊
2.台支戦争
3.米支戦争

という順番で事態が進み、結局シナはドル経済に組み込まれて民主化するとい
うことです。わたしも、同様の過程を経てアジアの安定が達成されると考えて
います。

ただ問題は、米中戦争が発生した場合、わが自衛隊が米の同盟軍として出撃す
る必要があることなんです。専守防衛では対処できません。
そのためにも、憲法改正(9条の削除)は必須なんですよね。

なぜわが自衛隊が日米同盟軍としてこの場に出なければいけないのか?

その理由は、言わずもがなと思いますが、この本を読めばより深く理解でき
ることと思います。

米はシナリオどおりにことを進めることになると思います。
その過程でわが国がもたもたしていたら、「中共崩壊後」の時代にわが国は、
今よりもっと屈辱的な形で生存せざるを得なくなるでしょう。


■現在が日本独立の格好の機会

日米安保条約が日本を守るものでない、ということは、
既にあなたもご存知のとおりです。

わが国が、事実上の米の属国であり、その財布としての役割しか期待されてこ
なかったことも、多くの方が感じていることです。

増田さんは、今こそ、わが国は真に独立した国家として再生できるチャンスに
あるといいます。同感です。戦後初めて到来したともいえる絶好の機会です。

これは、増田さん一人ではなく、こころある人たちは皆、口にしてます。

戦後初めて到来した絶好の機会とともに誕生した安倍内閣は、わが独立回復の
実現が期待できる内閣です。決してダメ内閣ではありません。


■気概と誇りを取り戻せ!

そのために必要なこと。それはわが国が気概と誇りを取り戻すことです。

「わが国に欠けているのは、国民の気概と主権」と増田さんは指摘します。

これは、

広島・長崎に対する原爆投下
東京裁判

に関する落とし前がついていないことが、そのすべての原因なんですね。
これらは、米による明白な犯罪行為ですから。

増田さんは、この二つで米国の謝罪を取り付けることが大切、とおっしゃると
ともに、その準備をすすめておられます。

実は増田さんは、ハワイにおられた1980年後半から1990年初頭にかけ
て、先住ハワイアンの復権運動を支援し、百数十年前に白人が掠奪したハワイ
先住民の土地を法廷闘争によって約六百万坪奪還しました。これが93年のク
リントン大統領(当時)による対ハワイアン謝罪声明を導き出したのです。

「米国では法律がすべてであり、それがなければ国が成立しない。法律が存在
する以前から自然発生的に国が出来ていたわが国とは根本的に違う。だから、
裁判を通じて米から謝罪を取り付けることはできる」

という趣旨のことをおっしゃっています。

実現した場合、日米関係はこれまでよりも親密・良好になるでしょう。
両国間の信頼関係もより深くなると確信します。

「そんなことは不可能だ」というご意見が多いかと思いますが、
わが国民の意識さえしっかりしていれば、その実現は意外なほど近いうちにあ
る。わたしはそう感じています。


■無理なく溶け合った有機的な作品群・・・

「資本の意志」と「国民の気概と主権」

この二つの言葉を見て混乱された方がおられるかもしれません。
ごもっともです。

わたしが思いますに増田さんの作品には、

・残酷な「資本の意志」が語る言葉に耳を傾け、それを冷酷に記録する語り部
・文化・文明を重視する「人間への温かな視線」

という二つの性格が並存しています。

これが、「いわゆる経済評論家」や経済学者の本とはまったく違う点です。

増田さんの本が特にプロ・実務者に歓迎されているのは、
あくまで冷酷な「資本の意志」に基く情勢分析・判断と、人間を大切にする
「温かな視線」が無理なく溶けあい、実際に役立つ有機的な養分になっている
からでしょう。

そしてそれこそが、
増田さんの作品に「爽やかな読後感」をもたらしていると感じます。


ちなみに経営コンサルタントとして有名な船井幸雄さんは、増田さんとの対談
集『日本はどこまで喰われ続けるのか』1998年 徳間書房 のなかで、

「増田さんは私の見るところ、「非線形的発想」のできる数少ない日本人の一
人なのです。」

「断片的な情報を集めながら、それを常にフィードバックさせることでつなぎ
合わせ、正確に未来に起こることを予測していく。これがまさに非線形的発想
だと思うのです。そういうことができる日本人は本当に少ないと思います。」

「地球上で起こる未来は一つしかないわけです。予測の大家は、非線形的発想
を集約して、基本的なルールを見つけ出し、未来を線形的世界でとらえること
のできる人です。私も、これは得意なのですが、増田さんはとくに上手なよう
です。」

と増田さんのことを分析しています。


できるならばあなたに、
すべての著書を読んでいただきたいと思う、稀な著者です。


■一つだけ注文を・・・

これは出版社さんに対してなのですが、
本の題名をいかにも「的中させるぜ!」といわんばかりの安っぽく、刺激的な
方向に進めるのだけは、やめていただけないでしょうか・・・(笑)


以下、全目次です。


第一部 日本復活は本当かーその影に潜む「危機」に迫る!
 
 第一章 「安倍日本の落とし穴」
  戦後初めて「日本の安全」が完全に消滅した日
  隣国・北朝鮮は核保有国になった
  北朝鮮のミサイル技術を決して過小評価してはいけない!
  日本領海にミサイルが飛んでこないという保障はもうどこにもない!
  「北朝鮮が五発以上の核弾頭を持っている」ことは日本を除く「世界の常
  識」だ!
  戦後の長い歴史のなかで日本は完全に「危機不感症」となった
  日米安全保障条約は日本の安全をまったく保障しない
  日米安全保障条約とはすなわち「対日軍事占領条約」である
  日本経済は今後も「対外依存型」ではたして大丈夫なのか
  世界の「資源獲得戦争」に後れを取ってしまう日本
  
 第二章 日本にはびこる「無知」の危機
  政治家・財界・マスコミの「無知」こそが日本最大のリスク
  「改革なくして成長なし」は詭弁以外の何ものでもない
  日本国民は国の債権者であって、決して債務者ではない!
  なぜ投資を「赤字」といい張るのか
  日本は「財務優等生」であり、公共事業こそどんどんやるべきだ
  不要不急な緊縮財政がいまの格差社会をもたらした
 
 第三章 歴代内閣にみる対米従属の歴史
  日本経済の政策「立案者」はいったい誰なのか
  日米「新パートナーシップ」の幕開けー宮澤喜一内閣
  「日本版ビッグバン」の内幕ー村山富市内閣、橋本龍太郎内閣
  より高まったアメリカの規制撤廃圧力ー小渕恵三内閣、森喜朗内閣
  かくして「小泉劇場」が始まったー小泉純一郎内閣
  小泉改革とは結局のところ「日米投資イニシアティブ」の実践だった
  「聖域なき改革」がもたらした数々の"遺産"
  アメリカは安倍政権に何を期待しているのか
  
  
第二部 「宿命」で動くアメリカの危機ー従属する日本はどうなる?

 第四章 弱体化するアメリカ経済、支え続ける日本はどうなる?
  本当は弱いアメリカ経済に今の世界経済は支配されている
  日本の緊縮財政政策は「アメリカの景気拡大」のためだった
  「スクラップ・アンド・ビルド」が資本主義経済のABCである
  もしアメリカが日本ならばアメリカ経済は破綻している
  二〇〇七年、アメリカは間違いなく利下げに転じる
  アメリカが望まない為替介入に激怒したグリーンスパンの真意
  
 第五章 ブッシュ後のアメリカはどうなる?
  アメリカが「世界経済の成長」を必要としている理由
  「ドル基軸通貨制度」の死守イコール独裁国家の自由化という図式
  「レイムダック」化するブッシュ政権の苦悩
  「反米」の火の手が南米に広がり始めた
  それでもアメリカの国益のための「マニフェスト・デスティニー」は不変
  である
  米朝阿吽の呼吸
  何のための米朝阿吽の呼吸か
  北朝鮮問題の「第二幕入り」で孤立する安倍政権の対北朝鮮強硬路線
 
 第六章 それでもアメリカの時代は続く
  来るべきアメリカと中国との対決
  「ブタは太らせて食う」というアメリカの対中戦略
  「二〇一〇年以降の中国経済崩壊」を利用するアメリカ
  「来るべき戦争」に着々と備えるアメリカと中国
  中台戦争勃発寸前にアメリカは「一つの中国」政策を捨てる
  米中全面戦争がもたらす「日米同盟軍」、そして「民主中国」誕生の可能性
  日中の「歴史問題」もアメリカの対中政策に支配されている
  アメリカの戦略シナリオにはたして「死角」はあるのか
  独裁国の大量ドル売りは「自殺行為」である
  ユーロ拡大によるドル追い落とし策も結局は「絵に描いた餅」だ

第三部 世界経済はどうなるのかー日米が牽引する時代が始まった!

 第七章 リスク大国アメリカと、光り輝くノーリスク大国日本の未来
  なぜか世界一の金持ちになった無主権国家の日本
  自主性なき日本経済が、なぜこれほどの成果を得ることができたのか?
  アメリカはなぜ日本をコントロールしなければならないのか?
  超大国アメリカの存在は果たして永遠か?
  「新しい日本」のスタートを象徴する安部首相という存在
  首相夫人の地味な服装に秘められた力強さ
  もはやアメリカは「日本」をコントロールするのが難しくなる
  アメリカの「真のパートナー」として新たなスタートラインに立つ日本
 
 第八章 そして、日は昇った!
  二十一世紀の日米同盟の基本は米軍再編にある
  米軍再編のカギを握るのはやはり日本である
  真の「国益」をは何かを日本の政治家は理解すべきだ
  いまの日本から「無知」を除けば最高の国である
  アメリカからの「ラブコール」に改めて耳を傾けよ
  あるべき日米関係を構築する時代が来ている
  日米会談はあっても「日米会話」はなかった
  「世界一の債権国」が世界の富を動かす
  二〇〇七年から、日本は史上最大の内需拡大バブルに沸く
  「超円高」の翌年になると抱き業は最高決算を記録する
  GDP成長率は最低4%、日経平均もバブル期最高値三万八千円台を超す
  そして、日は昇ったー世界が日本経済に依存する時代がやってくる
 


(エンリケ航海王子)

今回ご紹介した本は


『そして、日は昇った!』
 増田俊男(著)
 PHP

でした。

ちなみに、増田さんの全著書(入手可能)はこちらでできます

【070223配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

ソーシャルブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 この記事をクリップ! この記事をイザ!ブックマークに登録する この記事をFC2ブックマークに登録する この記事をニフティクリップに登録する この記事をGoogle Bookmarksに登録する



(投稿日:2007年2月23日 14:30
そして、日は昇った!の関連記事 楽天市場ランキングで見る


このページの先頭へ

メールマガジン「軍事情報」

 RSSリーダーで購読する

軍事情報のコンテンツ

 RSSリーダーで購読する