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インテリジェンスと国際情勢分析

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「軍事情報」という名前のメルマガに登録されたあなたですから、
「軍事」と「情報」をつなげる本を心待ちにしておられることと思います。

私自身もそうです(笑)。

しかし、

七年を超えるマガジン配信の中で、

「お~っ、これこそが求めていた本だ~~」

と思える本に出会えたことはほとんどありません。

ここでご紹介してきた本は、
おき軍事の厳しい審査をクリアしたものばかりですが、

「軍事」プラス「情報」
という分野でクリアした本はほとんどありません。

今回はそんなあなたにとても嬉しいお知らせです。


おき軍事が思う数少ない本の白眉、

『情報と国家戦略』

の著者

太田文雄 退役海将(前情報本部長)

の最新刊をご紹介します。


その名も

『インテリジェンスと国際情報分析』

です。

こういうことはこれまで言ったことないのですが、
今回は言います。

「皆さん買って下さい」

情報活動は国家の対外機能です。
国家の対外機能では軍事理解が不可欠です。

真の情報は、軍事のプロでないと扱えません。
これは、軍人であるか否かということではなく、
その人が、軍事に対する深い認識をもつか否かという意味です。

しかし、軍事について何も知らされず何も伝えられてこなかった戦後わが国で
その資格を持つのは、自衛官という名の軍人しかいない、というのが実際のと
ころです。(石破代議士のような超例外はいますけど)

その素養のない人がやるのは「情報活動の真似事」にすぎません。

そういった類の人がメディアで口にしていることは、
「あまりに無知で危険なたわごと」
にすぎません。

この本を読めば「自称専門家」が語っていることが
「いかにあやふやで」
「いかにインチキか」
ということがよく分かります。

この本を読んだ今、
処女作を読んだときを超える興奮が、
私の体の中を駆け巡っています。

断言します。

「太田退役海将の本こそが、情報活動の教科書です。情報やインテリジェンス
について知りたい人が読むべき本は太田退役海将の本です。それ以外は特に読
む必要ないです」

太田退役海将は、頭脳の明晰さを示す実に分かりやすい文章で、わが国が直面
している現実を、正確に読み解く方法を示してくれます。

まるでマンツーマンで実習を受けているような錯覚を覚えます。

また、

・カウンターインテリジェンスはなぜ警察組織ではいけないのか?
・マスコミによるスパイ関連報道は、なぜ国益を侵害しているのか?
・公開情報のみで、メディアに出てくる自称専門家のコメントを出し抜く方法

などなど、「世界と日本」に関心をもつ方には、
すべてのページ、すべての文章が「興奮の坩堝」となるでしょう。
すべてのページに意味があり、すべての文章に読む価値がある類稀な本です。

また、今年一月に話題になったシナのASAT(衛星攻撃)についても触れて
おられ、
「中国は90年代後半から、南太平洋のキリバスにある施設から、米衛星に対
するレーザービームによる妨害活動を一貫して継続してきた。「衛星破壊実験
を今後、実施する考えはない」と国防相が額賀長官(当時)に言っても、にわ
かに信じられない」という趣旨の指摘をされています。

ちなみにキリバスのシナ施設については、昔のマガジン(2003/11/17 軍事情
報132号)で紹介したことがあります。


あとがきで太田退役海将は、次のように書いています。

少し長くなりますが、ご容赦ください。

<私が本書でもっとも強調したかった点は、中国の軍拡に対する警鐘であり、
従って、それに対する紙数が自然と多くなってしまいました。
(中略)

人によっては、「中国の軍拡はソ連の軍拡のコピーで、いずれ使用されること
もなく膨大な軍事力が無駄になるだけだ。中国人の民度を考えれば恐れるに足
りない」として懸念しない人もいます。また、「軍備というのは質の高い兵器
を少量備えておくことが、時代に沿った近代化を推し進めていくことができる
のであり、一時期大軍拡を行なったとしても、その後の更新に莫大な経費がか
かり、それを許すような経済力が常に備わっているとは限らない」とする人も
います。さらには、「ハードだけを揃えたとしても運用・整備力といったソフ
ト面で中国は劣るので心配するに足らず」という人や。「中国の官僚システム
や社会主義・共産主義の縦割り性、非効率性、硬直性などの要因が軍事技術の
進展を阻害している」という人もいます。

 しかし、私はアヘン戦争以降の屈辱の歴史を二度と繰り返したくないと失地
回復に燃えている中国が戦略的な手を次々と打って、アジア、ひいては世界の
超大国を目指している姿に懸念を抱かざるを得ません。(後略)>


同感です。

前回の「情報と国家戦略」もすごかったですが、
この新刊は、それをはるかにしのぐ内容です。
前作とともに、生涯をともにできる座右の一冊になることでしょう。


今回ご紹介した本は、

『インテリジェンスと国際情勢分析』
太田 文雄著
芙蓉書房出版
B6判 / 202p


(エンリケ航海王子)

追伸
太田退役海将は、眞の意味の情報官で、わが国の宝と思います。
本来ならば、首相周辺でご活躍いただくべき方です。

【太田退役海将の略歴】
昭和23年東京生まれ。
昭和45年 防衛大学校卒(14期)
昭和55年から2年 米海軍兵学校交換教官
昭和63年 「ゆうぐも」艦長
平成4年 スタンフォード大学客員研究員
平成5年から1年 米国防大学学生(国家資源戦略修士取得)
平成6年 第一護衛隊司令
平成8年から約3年間 在米日本大使館国防武官
平成13年から3年間 防衛庁情報本部長
平成15年 ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院にて国際関係
      論博士号取得
平成17年 退役(海将)

現在は防衛大学校安全保障・危機管理教育センター長兼政策研究大学院大学安
全保障・国際問題博士課程教授

主な著書
『情報と国家戦略』
"The US-Japan Alliance in the 21st Century",Global Oriental,2006
 


以下、全目次です。

まえがき

第一章 インテリジェンスとは?

 第一節 インテリジェンスの定義
     ~判断・行動するために必要な知識~
      インテリジェンスは必ずしも秘密とは限らない
 第二節 インテリジェンス源の種類と利点・欠点
     ~これからのインテリジェンス源の趨勢~
 第三節 インテリジェンス組織
      ~主要国のインテリジェンス努力~
 第四節 インテリジェンス・サイクル
     ~情報時代のサイクルは新しい発想が必要~

第二章 カウンター・インテリジェンス

 第一節 カウンター・インテリジェンス組織
     ~主要国のカウンター・インテリジェンス努力~
 第二節 上海領事館の電信員自殺事案
 第三節 軍事技術スパイ
 第四節 情報漏洩のインパクト
 
第三章 安全保障環境

 第一節 将来の安全保障環境
     ~二十一世紀は有志連合と非国家主体あるいは「ならず者国家」と
     の戦いが主流~
      変化しつつある戦略
      変化しつつある戦争様相
      Not if,when
 第二節 国境を越えた脅威
 第三節 我が国周辺の安全保障環境
     ~我が国における国境を越えた脅威(非国家脅威)~

第四章 懸念国家
 
 第一節 北朝鮮
      軍事情勢の特色
      弾道ミサイルと核開発
      危機管理とインテリジェンス
      軍事的知識とインテリジェンスにより的確な予測
      特殊部隊
      日米安保が発動される寸前の挑発と短期戦がカギ
 第二節 中国
      見積りをはるかに上回る軍の近代化ペース
      中国の国防費は公表値とは違い、相当前から日本の防衛費を凌駕
      していた
      戦略的には日本は負けている
      海軍の近代化
      米中間の目に見えない熾烈な戦い
      第四世代戦闘機の数でも日本を凌駕している中国空軍
      中台の軍事バランスは北京オリンピック以後逆転する
      弾道ミサイルを保有している大に砲兵の急速な発展
      衛星破壊実験
      海洋進出の背景と狙い
      沖ノ鳥島を岩だと主張する意図
      海上交通の保護は協力分野
      歴史問題を日米中の間で討論するのは得策ではない
 第三節 ロシア
      縮小と沈滞化は底を打ち活発化の兆し
      冷戦時代のように再び我が国の脅威になるのか

第五章 国境を越えた脅威

 第一節 テロ
      交渉ができない相手
      日本における国際テロ事件発生の可能性
      国際テロ組織と滞留破壊兵器が結びつくことが最も怖い
 第二節 大量破壊兵器の拡散
      弾道ミサイル拡散の主体が国家から非国家にも
      大量破壊兵器の保有国は増加している
      問題はテロ原因の究明に時間がかかること
 第三節 海賊と海上テロ
      海上自衛隊がアラビア海で行なっている貢献
      いつかは船がテロの手段に使われる日がくる
 第四節 サイバー攻撃
      サイバー攻撃でも人が殺傷できる

第六章 同盟・友好国の動向

 第一節 米国
      9・11後、安全保障戦略は大きく変化した
      先制行動を言っているのはアメリカに限らない
      新たな脅威に対処するには省庁間及び同盟・友好国間の協力は欠
      かせない
      日米安保セミナーでの発表
      よりインテグレートされる将来の日米同盟
      北朝鮮の核問題に対する対応
      日本をパスして米中が手を結ぶ可能性はあるのか
      メディアが報じない「アーミテージ・レポートその2」の中身
 第二節 韓国
      韓国はなぜ日米と距離を置き、北朝鮮・中国に近づくのか
      韓国との危機はコントローラブル
 第三節 オーストラリア
      安全保障面での一層の絆が求められている
 第四節 欧州・インド
      コアリションにより欧州諸国と直接の接点も
      海上交通保護ではインドとの協力が大切

結びにかえて
 インテリジェンス分析上の若干の考察
 将来の日本のインテリジェンス組織は・・・
 
あとがき

今回ご紹介した本は


『インテリジェンスと国際情勢分析』
太田 文雄著
芙蓉書房出版

でした。

【070427配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

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(投稿日:2007年4月27日 14:10
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