軍事情報トップ  »  本の紹介  »  魚は水 人は人の中―今だからこそ伝えたい師小野田寛郎のことば

魚は水 人は人の中―今だからこそ伝えたい師小野田寛郎のことば

メルマガ登録・解除
軍事情報
読者登録規約
>> バックナンバーpowered by まぐまぐ!
 

「昭和17年(1942) 12月 和歌山歩兵第61聯隊に現役兵として入隊
歩兵第218聯隊に転属
中国 湖南省に出征
 

 昭和18年(1943)  9月 甲種幹部候補生に合格
 昭和19年(1944)  1月 久留米第一種陸軍予備士官学校に入学
 8月 同上卒業 士官勤務見習士官
 9月 陸軍中野学校二俣分校に入学
11月 同上卒業
12月 比島軍司令部参謀部付
杉兵団参謀部に配属
遊撃指揮及び残置諜者の命を受け
ルバング島に派遣
 昭和20年(1945)  1月 任 陸軍少尉
 9月 戦死公報
 昭和25年(1950) 戦死公報取り消し
 昭和35年(1960) 昭和29年付を以て戦死公報(以来15年間戸籍上
抹殺)
 昭和49年(1974)  3月 作戦命令解除の命令を受け 帰還」

(財団法人小野田自然塾HPより http://www.andec.com/onoda/gunreki.html )


小野田寛郎 退役陸軍少尉。
おそらく、我が国朝野で最も高名な、存命中の退役軍人といってよいでしょう。
(現在八十五歳 お元気です)

ルバング島で三十年にわたる任務を全うしたこともそうですが、
解除命令を受け、フィリピン軍に投降した際の凛々しい姿にしびれた方も多い
かと存じます。

今日ご紹介する本は、
次代の日本人への、小野田さんからの遺言です。
ジャングルで三十年間に渡って戦いつづけた男が、われわれに残す言葉とは、
一体どういうものでしょう?


■作者のこと

この作品の共著者といえる原充男さんは、1943年生まれ。
一九六六年防大卒業後、航空自衛隊に入隊し、二〇〇〇年に四術科学校長を最
後に退役(空将補)された空の武人です。

一九九二年から原さんは、小野田さんが主宰されている
「小野田自然塾」
のボランティアをずっと勤められています。

原さんは五年前、ブラジルの小野田牧場に行ったときに、
小野田さんの姿を見てこんなことを思ったそうです。

「この方は、ルバング島の英雄なんていうものではない。今でも我々を指導し
てくれるリーダーだ。今の世の中、行動せずに批判や評価をする人は沢山いる
けれども、自ら実践をして行動で示してくれる大人がどれほどいるだろうか」

そのときの思いが、今回の「小野田語録編纂」のきっかけとなったそうです。

小野田さんについては既にご存知のことと思いますが、
ルバング島で残置諜者(*)としての任務を三十年に渡って続け、復員後、人
生の再スタートをブラジルでスタートして大成功されました。
普通はそれで終わるところですが、小野田さんは終わりませんでした。

昭和五十九年から、
「小野田自然塾」という「日本再生のための青少年育成事業プロジェクト」を
主宰され、現在にいたっています。同塾は平成元年に財団認可されています。


著者おふたりからのメッセージを少し紹介します。

「この語録は、小野田さんの遺言であると思っております。"生きている"う
ちに残すから遺言です」(原充男)

「私は、これまで、全国での講演活動を通じて、今の世の中は家庭や学校そし
て職場においても悩みや迷いや苦しみを抱いて悶々としている人々がたくさん
おられることを痛感しております。(中略)この本が、この混沌とした日本の
社会に一石を投じてくれることを願ってやみません」(小野田寛郎)


(*)敵の占領地内に残留して味方の反撃に備え各種の情報を収集しておく情
報員のこと。*攻撃を予定する方面に事前に潜入し、同様な任務に付く者を
「先遣諜者」と言う(共に旧陸軍の遊撃戦闘教令の軍用語)
< http://www.andec.com/onoda/ryakureki.html >


■本の内容

小野田さんが「自然塾」や講演などで話された言葉を集めて、原さんがコメン
トしている語録集です。

見開き一ページで完結しているので大変読みやすいです。
語録集ですので、あっという間に読める分量です。
しかし、小野田さんの言葉ひとつひとつは実に味わい深いものです。

それ以上に、小野田さんの言葉と対になっている「左ページの原さんの言葉」
が、いいですね。
小野田さんの言葉を補足・説明するだけでなく、具体的な行動へのナビゲーシ
ョンともなっています

ブラジルの牧場で、焚き火の前で小野田さんと原さんが話をしている、そして
読者はそれを聞いている。
そんな錯覚を覚えるような構成です。

「教育とはどういうことなのか?」
「親子とはどういうものなのか?」
「観察とはどういうことなのか?」

などなど、「生きること」について具体的な言葉を通じて語りかけています。
「日本人が日本を取り戻すためのきっかけになる本」といえます。
具体的かつ貴重なアドバイスが散りばめられています。

とはいえ、
中野学校の教育とか、情報戦の秘訣だとか、サバイバル技術だとかいうことは、
ほとんど書かれていません。


■感想

小野田さんご自身が、優秀な情報員であったことは確かです。
そういう方が発する言葉は、やはり違いますね。

何より読みやすいのが一番ですね。

紹介されている言葉自体は大変簡潔ですが、
そこから得られるものは泉のようにコンコンとして尽きない。
こんな印象を受けました。

生涯を通じて何度も読み返す種類の本でしょうね。
さまざまなピンチや分岐点に直面したとき、この本で読んだ言葉が「ふっ」と
頭をよぎり、最適な選択肢を選べるだろうな。という気がします。

さて、
34ページにこんな言葉が出てきます。

「汚名は恐れない いつか晴れるから
 結果を恐れる どうしようもないから」

この言葉。
おそらく年代によって受け止め方が違うでしょうね。
あなたならどう受け止めるでしょうか?


■要望

この本は、おそらく言葉を厳選したのでしょう。
もう少し沢山の言葉を載せて欲しかったなあという思いがあります。

でもそれ以上に、おそらく多くの方が待ち望んでいた「小野田さん語録」を
出版されたことに、大拍手を差し上げたい気持でいっぱいです。

オススメです。


最後に、強く印象に残った言葉をいくつか最後に記します。

「人間は一人では生きられない
 ルバング島での一番の悲しみは 戦友を失ったことだった
 魚は水の中でしか 生きられない」(小野田寛郎)
 
「日本に帰還した時
 やたらと<権利と義務>という言葉が目についた
 私が少年の頃は「まず義務を果たすこと」と教えられた
 権利は 義務を果たせば 自ずと与えられるもの」(小野田寛郎)

「最近は<危機管理>という言葉が流行しています
 マニュアルや規則ばかりにこだわっていたら、危機は乗り切れません。これ
らは必要最小限のもの。
 最後は自分で判断し、行動しなければいけません」(原充男)

今回ご紹介した本は、

『魚は水 人は人の中―今だからこそ伝えたい師小野田寛郎のことば』
 原 充男
 清流出版
 発売日: 2007/05 

でした。

お求めは今すぐ!
http://tinyurl.com/22r2ed (楽天)
http://tinyurl.com/27f8za (アマゾン)

でどうぞ。


(エンリケ航海王子)


以下、全目次です。

はじめに
小野田寛郎年表

1.未来は自分で決めるもの

2.人は一人では生きられない

3.親子は鏡のようなもの

4.ものごとは考えようで変わる

5.目的は明確にしてこそ

6.生きざまは自分次第

あとがき

今回ご紹介した本は


『魚は水 人は人の中―今だからこそ伝えたい師小野田寛郎のことば』
 原 充男
 清流出版
 発売日: 2007/05 

でした。

お求めは今すぐ!
http://tinyurl.com/22r2ed (楽天)
http://tinyurl.com/27f8za (アマゾン)

でどうぞ。

追伸
この本、トップページで小野田さんの直筆が見れますよ。
 ⇒ http://tinyurl.com/22r2ed

【070511配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

ソーシャルブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 この記事をクリップ! この記事をイザ!ブックマークに登録する この記事をFC2ブックマークに登録する この記事をニフティクリップに登録する この記事をGoogle Bookmarksに登録する



(投稿日:2007年5月11日 14:01
魚は水 人は人の中―今だからこそ伝えたい師小野田寛郎のことばの関連記事 楽天市場ランキングで見る


このページの先頭へ

メールマガジン「軍事情報」

 RSSリーダーで購読する

軍事情報のコンテンツ

 RSSリーダーで購読する