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暴走する中国軍

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シナが軍事的冒険に打って出るとすれば、その時期は二〇一〇年前後であろう、というのが、各分野の専門家が共通して示している見解です。

二〇〇八年の北京五輪。
二〇一〇年の上海万博。


ふたつの国家的イベントを抱え、宴の後は危うい。
歴史的なうねりからみて、そういう段階に該当する。
経済破綻、社会不安が発生し、国内の目をそらす必要が出てくる。

などなどさまざまな尺度があるようですが、


著者は、

「米の軍事技術格差が決定的となるこの十年が、中国に残された最後の勝機。
その意味でもっとも危険」

との認識を示しています。

著者の高貫さんは軍事アナリストとしての経歴が長く、作家もなさっています。

本著は、筆者が長い間あたためてきた企画「人民解放軍の平易な解説書」を実
現したもので、その名に恥じない内容を持っています。

正直申し上げて、「周恩来はよかったけれど、江沢民は・・・」的な中共政治
の捉え方には異論がありますが、軍と党の力関係が危うくなってきているとの
認識は共有します。

また、装備についてはさすがです。
生産レベルからの詳細極まりない情報がおしげもなく紹介されています。
おそらくこれまで蓄積された大量の資料を元に書かれているのでしょう。
実に読み応えがあります。

造船施設をめぐる箇所などは、思わずコピーを取ったほどです(笑)。


中共軍をめぐる一般向けのよみものって、平松茂雄さんや茅原郁生さんのもの
以外にほとんど見かけません。その意味からも大変貴重なものと感じます。


またあらためて感じるのが、軍事技術と民生技術に差異はなく、「民生分野だ
から大丈夫」との甘い感覚は危険極まりないということです。
ヤマハがその典型ですね。

わが国が世界に誇る技術も、取扱う人によっては、国を滅ぼすために利用され
る結果を生みかねません。その想像力を、メーカーやエンジニアの方には、
この本を通じてぜひ自得いただきたいものです。

タイに輸出されたフリゲートをめぐるお笑い話も必読ですね。

そういえば、たしかタイは、シナから買いたくなかったんですよね。
某国に「売ってくれないだろうか」と頼んだら、「「武器輸出三原則」がある
からできない」と言われたのではなかったでしたっけ?

読後感ですが、楽しかった!、というのが一番ですね。
中共軍装備の事典代わりにもなると感じました。

軍の歴史、北鮮との関係、エネルギー問題、宇宙開発、国境問題など、
シナを考える際に忘れてはならない点も確実に押さえられています。

「人民解放軍の敵は日米同盟」と指摘しておられる点も、
さすがだと思います。


寝転びながら楽しく読めて、ためになる知識が一杯つまっているこの本を、
オススメします。


■最後にひとこと、

後半に「シミュレーション」がありますが、尖閣諸島と台湾をめぐるわが方と
シナの衝突が描かれています。UAVやUUVが大活躍です。

(エンリケ航海王子)


今回ご紹介した本は


『暴走する中国軍 日中激突のシナリオ』
著者:高貫布士
出版社:並木書房
発行年月:2007年07月15日

でした。


■以下は全目次です

はじめに

第一章 人民解放軍の敵は日米同盟

第二章 外洋艦隊を目指して
 
第三章 切れない北朝鮮との関係

第四章 時代遅れの兵器技術

第五章 自力では軍艦が造れない

シミュレーション1 人民解放軍、台湾侵攻!

シミュレーション2 尖閣海戦、日中激突!

あとがき

【070720配信 メールマガジン「軍事情報」(本の紹介)より】

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(投稿日:2007年7月20日 13:13
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