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2011年日中開戦&失敗の中国近代史(080425配信 メールマガジン「軍事情報」より抜粋)

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■わがマンガ

わが国のマンガが、質量ともに世界最高レベルにあることはよく知られています。

時代を経るにしたがって、マンガという表現媒体の社会に与える影響力が大きく
なっています。

これはたとえば『マンガ日本経済入門』からはじまり『嫌韓論』の大ブームへ
とつながる「教養・自己啓発系マンガ」の流れで顕著ですね。

今回ご紹介する『2011年日中開戦』も、その流れに位置するものと見てよ
いでしょう。

さて、私が思いますに、


■作るのが難しい

この分野でよき作品をつくるのは非常に難しいのではないでしょうか?

テーマに対する正確な知識、読み手を厭きさせないストーリー性、そして描画
自体の品質の高さ、この三つのバランスが取れていないと駄作になってしまう
ように思うからです。

あわせてマンガには「吹き出しにあるせりふ」という独特の世界があります。

ここでどれだけ読み手にとって「印象深く」「感情を揺さぶる」言葉を使うか。
これこそが、作品の死命を決するキモかもしれません。

本作品の原作はあの兵頭二十八さんです。一番目の条件はこれでクリアできま
した。

あとのふたつはどうだったかというと・・・


■絶品のセリフと心配り

独特のクールさに馴染めない人がいるかもしれませんが、
ストーリー展開が実に面白く、登場人物の魅力が十分表現されていることに
驚くばかりです。

あわせて、先ほど取り上げた「セリフ」の選択が実に素晴らしいですね。

現実を示唆する言葉も多々ありますし、感動してウルウルすることばは、
あちこちに散りばめられています。

あくまで仮想の出来事を表現した作品ですが、読んでいるうちに現実との境目
がまるでわからなくなってくる。そういう凄みも持っています。

それと全体を通して思うことですが、この作品には深みを感じます。
「いまそこにある危機」を、ナマにではなくさりげなく読み手にあちこちで伝え
る姿勢からは、マガジン発行人としても大いに学ぶところがありました。

読み手を深いレベルの考察に導く良質な心配り。
大人の余裕を感じさせてくれる作品です。

そかしこれだけでは終わらないんですよね・・・


■立体的な視野を得る

『2011年日中開戦』は、題名どおり未来の話です。
これをよみながらある本を並行して読めば、現在過去未来の「中国」の全貌
が浮き上がって見えてくるようになります。

「歴史軸によるタテの比較」が読み手に可能となるからです。

その本が『失敗の中国近代史』です。

『2011年日中開戦』にも登場する中共指導部の言葉の背景にある歴史的事
実、「中国」なるものの本質的な姿勢など、その場で折に触れて確認できるわけ
です。

著者は、清王朝末期から支那事変に至るまでのいってみれば「中国」誕生時代
の歴史を時系列で表現します。軍事にも造詣が深い著者は、作戦・統帥面から
見たシナの特質にも言及されています。

たとえば日清戦争やアヘン戦争のときのシナ政府高官の態度を読むと、
『2011年日中開戦』にある1シーンと共通するものが見えてきます。

また、「清」「中国」が過去どういう経緯を経て戦に突入したかを知ることも
できます。『日中開戦』での経緯と比較考慮するのも大変面白いです。

孫文の国民党が作った中華民国なるものの実体が社会主義国であり、それが
現在の中共を産む基盤になっていることも改めて理解できます。

軍事面から「中国」史を考察する姿勢は、
かの国の行動・意図・歴史を捉える上で必須の視点と思います。
シナにおける類著はたぶんないと思います。
その意味でも貴重な本といえますね。

そんなこんないっているうちに二冊を読み終えて・・・


■ハイブリッド読みを終え、感じることですが、

シナで政治を執る者は、シナ国民のことなどこれっぽっちも考えていないで
すね。彼らにとって教養が意味するのは、彼らをいかに自分の都合のよい方向
に動かすための道具、なのでしょう。

同じ漢学でも、わが国に入ってきたら「自己修養」になりましたが、かの国で
は「支配者の道具」としてしか扱われなかった。
「わが国とシナの文明の違い」に改めて気付かされます。

こういう視点を得られたのも、二冊を通じて立体的にシナを把握できたからか
もしれません。

あなたはハイブリッド読みから得られる立体的視野から何を導き出されるでし
ょうか?大変興味があります。

私の場合、こんな感じでしょうか・・・


■オススメします

シナ大陸の政治はつねに、時代の流れとともに国民に打倒され、新しい王朝に
変わるという治乱興亡の中にあります。いくら中共が永久の国家になりたいと
願っていろいろ策を弄しても、この宿命から逃れることは結局不可能でしょう。

わが国朝野が一般の常識でシナを捉えている限り、日露戦争以後の外交と同じ
過ちを繰り替えすことになるでしょう。

そうならないためにも、この二冊を同時並行で読み、立体的な視野からシナを
見る姿勢を身につけることは意義あることだと思いますね。

それとあわせて、両作品とも、わが国の問題点に多くの気付きを与えてくれる
本です。「敵を知り、己を知る」ことが可能な作品です。

オススメです!!

ハイブリッド読みをお薦めした本はこの二冊でした。


『2011年日中開戦』
 兵頭 二十八, 倉橋 光男, 時役 佳ニ
 マガジン・マガジン
 2008年5月10日発行

『失敗の中国近代史』
 別宮暖朗 著
 並木書房
 2008年3月10日発行

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(投稿日:2008年4月26日 09:14
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